Episode.2:1匹と1人、モンスターと戦う
ルナ視点スタート
ボクは主人と一緒に横穴へ入っていった。
ボクの目に最初に飛び込んできたのは、発光する鉱石のようなものだった。
そのおかげで、洞窟内は明るく、周りがよく見える。
そして、先へ進んでいると、前のほうから"ぺたん、ぺたん"と何かが跳ねているような音が聞こえてきた。
主人はビクッと身を震わせて止まり、前を見つめていた。
そして現れたのは、丸くて半透明の不思議な物体だった。
なんだろうこれ。触ってみようかな。
と思って近づくと、何か変な液体を飛ばしてきた。
それは、咄嗟に避けたボクの近くの鉱石に当たると、鉱石をわずかに溶かした。
「ルナ!!どっかにかかったか!?大丈夫か?」
主人はボクのことを心配してくれているらしい。
なんて言っているかはわからないけど。
どこにもかかっていないのでとりあえず「わふっ」と平気そうにしておいた。
★ ★ ★ ★
(なんだあれ?ゲームに出てくるスライムみたいじゃないか。
あぶない。もしあの液体がルナに直撃していたらどうなっていたことか。
俺の愛犬を危険な目に合わせやがって。まあいい、襲ってくるなら返り撃ちだ。)
「ルナ、ちょっとじっとしてろ。あいつぶっ殺してくるわ。」
そう言って、近づいて思いっきり蹴り飛ばす。
サッカーボールのように飛んだそいつは、たまたま壁から突き出ていた鉱石に刺さると、"パリン"と砕けるような音を出した後、溶けてなくなった。
<モンスターの討伐に成功しました。経験値を取得します。レベルが上がりました。>
<初めて経験値を取得しました。ステータスを表示します。>
スライムが溶けてなくなると、突然頭の中に声が響いた。そして目の前に半透明の板のようなものが現れていた。
「うおっ!!なんだ!?モンスター?経験値?レベル?これって漫画とかでよくあるやつか?」
ルナのほうを振り返ると、ルナも何かを見つめていた。
「ルナ!こっちおいで!」
と呼ぶと、ビクッとしてから慌てて走ってきた。
★ ★ ★ ★
なんだろうこれ?
突然頭の中に誰かの声が響いたと思ったら、ボクの目の前に変なものが出てきた。
触ろうとしても触れない。
そのままそれを見つめていると、主人に呼ばれた。
なぜか、主人の言葉の意味がしっかり分かった。
今のはボクの名前、"ルナ"と"こっちにこい"と言っていた。
なんでわかるんだろうと不思議に思いながらも、主人に駆け寄っていった。
★が視点切り替え、場面切り替えの合図です。
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