表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/41

EX.Episode.6:DCO総会

一日ぶりの投稿です。

今回はDCO総会の話です。

ハルトだけちょっと出てきます。


ブックマーク3000件突破!

本当にありがとうございます!




8月24日、アメリカ DCO本部 第一会議室ー



この日、DCO各国支部長、本部役員達が一同に会し、DCO総会が非公開で行われた。



メディアはこの事を大々的に報じた。



そして、会議室ではまさに会議が始まろうとしていた。



★     ★     ★     ★



『では、只今よりダンジョン対策機関本部及び各国支部の総会議を開催します。司会は本部副総長のステフィン・ブルーズが務めさせていただきます。よろしくお願いします。』


DCO副総長のステフィン・ブルーズの挨拶で会議は始まった。


『それではまず一つ目の議題です。先日話題となった、魔法の件についてです。各国からは魔法に関する報告が続々と上がってきています。では、イギリス支部長、よろしくお願いします。』


そう促され、イギリス支部長のエレナ・ウィリアムが立ち上がった。


『はい、イギリス支部長のエレナ・ウィリアムです。イギリスでは魔法を使えるダイバーが現在5人確認されています。1人は回復魔法、2人は風魔法、残りは火魔法です。このうち回復魔法の使い手に【聖女】という称号の発現が確認されております。他の魔法使用者については称号の発現は確認されておりません。以上です。』


イギリス支部長の言葉に会議室はざわめいた。


(聖女だと?)(どんな称号だ?)


『お静かに。では次にアメリカ支部長、お願いします。』


ざわめきはブルーズの一声で静まり、次のアメリカ支部長の言葉を待った。


『アメリカ支部長のジョナサン・スコットだ。アメリカ支部では4人の魔法使用者が確認されている。水魔法が1人、風魔法が1人、地魔法が1人、そして光魔法が1人だ。このうち、光魔法の使い手に【光の支配者】という称号が確認されている。他は無しだ。以上。』


また会議室にざわめきが広かったが、先程よりもそれは小さかった。


『次に中国支部長、お願いします。』


そして中国支部長が立ち上がる。


『中国支部長のチョウ・リンコです。よろしく。中国での魔法使用者は8人。そのうち風魔法が3人、地魔法が2人、火魔法が2人、水魔法が1人。このうち火魔法の使用者の1人に【炎の支配者】という称号が確認されています。他は何も。以上です。』


さらに小さなざわめきが広がり、次の国を待つ。


『続いてフランス支部長、お願いします。』


壮年の男性が立ち上がり、話し始めた。


『フランス支部長のアルフォンス・ミシェルだ。ウチには地魔法と風魔法が1人ずつ。地魔法の使用者に【地の支配者】という称号が確認されている。以上だ。』


(やはり属性ごとに【支配者】がいるようだな)

(どういう発現条件だ?)

(うちの国には魔法使用者さえいないというのに)


『では次にロシア支部長、お願いします。』


2メートルはあろうかという長身の男性が立ち上がり、話し始めた。


『ロシア支部長のユーリ・メドベージェフです。私達の国では3人の魔法使用者が確認されています。そのうち2人は風魔法、そして残る1人は氷魔法です。氷魔法の使用者に【氷の支配者】の称号が確認されています。』


ここにきてざわめきが大きくなった。


(氷魔法だと?)(初めての属性だ)


『お静かに!では次に日本支部長お願いします。』


そう促され、日本支部長、金剛将嶽は立ち上がる。


そしてつい先日のことを思い返した。



★     ★     ★     ★



「支配者?なんだそれは?」


俺は何か聞き間違えたのかと思った。


目の前のモニターにはロシア支部長である、友人のユーリが映っている。


『マサ、本当だよ。うちの支部に1人だけいる。氷魔法の初の使用で獲得したらしい。以前話題になったニホンのダイバーは水魔法だったよな?もしかしたら称号を持っているかもしれんぞ。』


俺はもちろん心当たりがある。


いつも問題を持ってくるあいつだ。ハルトだ。


ちょうどオークションで落札された黒魔石の受け渡しが今日入っている。


そのあと時間をとって聞いてみるか。


「わかった。ありがとうユーリ。貴重な情報感謝する。」


『ああ、じゃあ総会のギルドの件、頼むよ。それじゃ。』


通話はそこで切れた。



そして、ハルトが支部にやってきた。


今日は彼1人だけのようだ。


「こんにちは、金剛さん。」


「よう、ハルト。受け渡しの後ちょっと時間くれるか?話したいことがある。」


ハルトはキョトンとした後、わかったと言い、受け渡しに向かった。


あのデカい黒魔石は四千万円で落札された。


ハルトはかなり稼いでいる。


日本支部ではダントツの一位だ。



しばらく待つと用意した部屋にハルトがきた。


「今日は何ですか?金剛さん」


「単刀直入に聞く。お前、【水の支配者】って称号持ってないか?それとルナは【風の支配者】。」


そう聞くと、明らかにハルトの顔色が変わった。


「持ってるのか。やっぱりなぁ」


「なっ、何で知ってるんですか!?言ってないのに!」


俺はロシアでも似たような称号が確認されていることを話した。


そしておそらく他にもいるだろうということも。


「なるほど。それなら納得ですね。そうです。ルナは風、俺は水の支配者という称号を持ってます。」



それを聞いた俺は名前を出さないことを誓い、DCO総会で日本に称号持ちがいることを報告する旨を伝えた。


ハルトは、名前出さないでくださいね、と念押しして帰っていった。



★     ★     ★     ★



金剛は立ち上がり、口を開いた。


『日本支部長の金剛将嶽だ。日本で確認されている魔法使用者は2人。風魔法と水魔法だ。そして2人ともがそれぞれの属性の【支配者】の称号を持っている。以上だ。』


(ジャパンには2人もいるのか!?)(風と水はジャパンにいるのか)


『事前に予定された国は以上です。他に何か報告のある国はありますか?』


ブルーズが聞くと、いくつかの国が手を挙げた。


その国々はいずれも自国で魔法使用者が確認されたという報告だった。


その後、称号持ちに関して、彼らを任意で特別枠とする事が全会一致で決まった。


『では次の議題に移ります。もう1人の副総長、お願いします。』


会議室の目は一斉にもう1人の副総長、イヴ・スカーレットの元へ向いた。


咳払いを一つして、イヴが立ち上がる。


『私は一つの提案をしたいと思います。ここで賛成をいただけることを期待しています。

提案というのは、ダイバー達による"クラン"の立ち上げを制度化することです。

現状、企業がダイバー達を集めて活動させていることを"クラン"と呼称しています。

これをDCOが正式に制度化すれば、ダンジョンに関する事がより円滑に進むでしょう。

そのため、"クラン"を正式なDCOの制度として導入することを提案致します。』


そう締めくくり、イヴは腰を下ろした。


会議室は今日1番のざわめきが広がった。


『静かに!静かにしてください!』


ブルーズが声を張り上げる。


『では議決を取ります。賛成、挙手を。』


呼びかけると、ほとんどの国の支部長が手を挙げた。


それもそのはず、イヴはさまざまな国の支部長に事前に働きかけていたのである。


『では、制度化するという方向で進めます。ギルド専用の部署を設け、今後1ヶ月以内、第三期ダイバー試験後に開始することを目指します。』


ブルーズはそう締めくくった。


会議室には拍手が響く。


『では今回は以上となります。この会議の内容は後ほど書類を渡しますので、保管をお願いします。では最後に総長、お願いします。』


今まで口を開いていなかったDCO総長が口を開いた。


各国支部長はどこか緊張した表情で総長を見つめる。


『総長のマイケル・シルバーだ。

この会議が有意義なものだったことに嬉しく思う。

今後も各国は注意深くダンジョンの調査を進めるように。死者は出来るだけ出すな。当たり前のことだがな。

そしてクラン制を開始するのは良いことだと私も思っている。おそらく多くのクランができるだろう。

これから忙しくなると思うが、よろしく頼む。

以上だ。解散。』


そう締めくくり、会議は終わった。


各国支部長は親しい者や、新しい人脈を求め各々が話し出した。



会議室の喧騒は収まりそうにない。



★     ★     ★     ★



9月、ギルド制が正式にDCOから発表された。


各地のダイバー達は、企業・政治家・友人の集まりなどを中心として、クランを結成することになる。


そしてそれは日本の東京、ルナ・陽人達にとっても同じだった。









というわけで"ギルド"ができます。

最初からこの展開までは既定路線でした。


そして各属性の"支配者"たち。

どんなふうに関わってくるかは今後明らかになっていきます。


今後も毎日投稿頑張りますので、この作品をよろしくお願いします!



【この小説を読んでいただいた皆様へ】


面白いと感じていただけたら、評価を頂けると嬉しいです。


感想もぜひお寄せください!返信は絶対するので!


ブックマーク、評価していただいた皆様、励みになります!読んでいただき本当にありがとうございます。


新しく読んでいただいた皆様、面白い!続きが読みたい!と思ってもらえたら、ブックマークよろしくお願いします!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 続きが読みたいです。更新をよろしくお願い致します。
[良い点] 各国で比較的連携がとれているように見える。 初動と言っていいタイミングだから慎重になって、独占の利より和の利をとったのか、単純に比較的各国の仲が良好な世界線なのか…… そして一人と一匹と言…
[良い点] 日本の2人っての、勘のいい人なら1人と1匹って気付くのかな? 陽人のライバルになれそうなキャラは国外にしかいなさそうだな~ ルナのライバルになれそうなキャラが出てきたりするのかな? [気…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ