Episode.31:親友にバレた1人
投稿が遅くなり、申し訳ありません。
ルナ視点スタートです。
耳元でうるさい音が鳴っている。
その音は主人の携帯から出ていた。
前にもこんなことがあったな。
とりあえず主人を起こそう。
前に進化してから、ダイブして起こすと主人が本当に痛そうにしていたのでダイブはやめた。
今は顔を舐めて起こしている。
「んん...ルナ、おはよう。あれ?携帯鳴ってる!?」
主人は慌てて携帯を取ると、電話をし始めた。
「徹?どうした?なんかあった?」
『おい!お前引っ越したのか!?聞いてないんだけど!?』
「何で知ってる!?まだ言ってなかったのに!」
『今日お前んち行ったんだよ!ピンポン押したら知らないおっさん出てくるし!光めっちゃビビってたし!』
なるほど。どうやら友達に引っ越したのがバレちゃったらしい。
「何で行ったんだよ?なんかあったのか?」
『昨日の夜連絡したのまだ見てなかったのか!?行くって言ったじゃん!』
「あー悪い。今見た。どうする?新しい家来る?」
『行く!光も一緒に来るって。住所教えて。』
「ああ、メッセージで送っとくよ。」
『引っ越したこと説明しろよ!じゃ、またあとで!』
「おう。ゆっくり来いよ。あとビビるなよ」
『は?なんて?』
「いやなんでもない。あとでな。」
その後電話を続け、友達が家に来ることになったようだ。
そしてしばらくたつと、部屋に来客を告げる音が鳴り響いた。
★ ★ ★ ★
インターホンが鳴り、画面に明らかに委縮している2人の友人が映る。
「きたか。開けるぞ~」
『はっ、陽人!どういうことだよ!!なんでこんなとこに住んでんだよ!』
『高級ホテルみたいじゃないですか!?コンシェルジュの人、すごく執事でしたよ!?』
やっぱりこうなったか。俺も最初はそうだったよ。
「ま、いいから部屋まで来い。話はそこでするから」
そう言ってロックを解除し、二人が来るのを待った。
1分後、部屋のチャイムが鳴る。
「いらっしゃい。よく来たな、二人とも」
ドアを開けるとそこには心底驚いた風の友人カップルが突っ立っていた。
「おい、陽人。なんでこんなとこに住んでんだ。説明しろ説明!」
「そうですよ陽人君。あのアパートに行ってオジサンが出てきた時本当に怖かったんですから!説明を求めます!」
俺はこの二人になら話してもいいと思っていた、というか話すつもりだったのでこのタイミングで全部言ってやることにした。
「えーと、誰にも言わないって約束してくれるか?」
「ああ!当たり前だ!」
「もちろんです!」
「あと今から話すことはお前らに話すのが初めてだ。それだけお前らのこと信用してるってことだからな!」
そういうと、二人は顔を見合わせてから、頷いた。
「「唯一の友達だからな(ですから)!!」」
「何言ってんだ!他にもいるわ!」
とりあえず話すことにした。
「話すと長くなるんだが...」
俺は1月1日にたまたまダンジョンに落ちたこと。
そこを飼い犬と一緒に攻略したこと。
世界で最初のダンジョン攻略者になったこと。
もうダイバーになっていること。
特別枠だということ。
例の動画は自分と飼い犬であること。
飼い犬が進化した犬であること。
DCO副総長の支援を受けてここに住んでいること。
隠していたこと全てを話した。
話し終わると、すでに30分経っていた。
「...というわけだ。」
「お前、ヤバい人じゃん。今のこと誰かに知られたらお前狙われるってぐらいヤバいことをサラッと話してんじゃねーよ。そこまでのことだと思ってなかったわ」
「陽人君、特別枠のダイバーだったんですか...?それに飼い犬ってあのかわいいハスキーちゃんですよね?今どうなってるんですか?」
確かに2人が最後にルナと会ったのは年末だったな。
かなり驚くと思うけど...
「ルナ!!こっちおいで!」
違う部屋にいたルナを呼ぶ。
「わおん!」
すぐにルナが走ってきた。
「「......」」
あ、固まってる。
そりゃそうか。いきなり見た目変わってるしなぁ。
「おーい、お二人さーん?」
呼びかけると最初に動き出したのは光さんの方だった。
「あ、あの。撫でてもいいですか?毛並みがすっごくきれいで...触りたくなっちゃったんです」
「もちろん。ルナ、撫でてくれるって。」
ルナは光さんに近づき、前で寝転んだ。
「うわあ...!なんていい手触り!ふさふさだぁ...!」
するとその様子を見て徹がやっと動き出した。
「お、おれも触っていいか?」
「もちろん。ルナは撫でられるのが好きなんだ。めちゃくちゃ撫でてくれ」
すると、おそるおそる手を伸ばし、撫で始めた。
ルナは気持ちよさそうに転がっている。
「陽人、今の生活って楽しいか?」
急に徹がそんなことを聞いてきた。
「ああ。楽しい。今まで何も熱中してこなかったけどやっと打ち込めるものを見つけたって感じだ」
「今までのお前は全部中途半端だったしな。日本一の大学にも行けるくらいのアタマ持ってんのに行かないしよ。部活もなんもしてないのにスポーツそこそこできるし。やっと見つけたかって感じてるよ今。なんだろ、安心した。」
やっぱり俺はいい親友を持ったな。今までずっと、腐れ縁と言えるぐらい一緒にいたんだ。
感謝しかない。
「徹君、私と一緒にいるときもよく陽人君の話するんですよ?本当に仲がいいですね!」
「おい!言うなよ光!恥ずかしいじゃん...」
「ははは!徹は友達っていうより俺の親みたいだな!」
3人で大笑いした後、2人は相談を始めた。
「光、前にも話してたけど陽人はもうダイバーだしいいよな?」
「はい!私も陽人君の話を聞いてやる気が一気に湧いてきました!!」
「何の話だ?何かするのか?」
俺が聞くと、2人は声をそろえて言った。
「「俺(私)もダイバーになるぞ(なります)!!」」
「え?ガチで言ってる?」
「本気だ!」「本気と書いてガチですよ!」
どうやら2人は本気らしい。
ただ、2人ともかなり素質はあると思う。
徹は見た目はやせてると思われがちだが、服の下には長年続けている筋トレで鍛え上げた肉体を持っているし、光さんは幼いころから今も空手の天才少女と呼ばれている。
2人は一緒に都市マラソンも走り切るし、かなりのスポーツカップルだ。
おそらくダイバー試験の体力テストはいけるはずだ。
でも本当にできるかはやってみないと分からない。次の試験はあと1か月半後の9月末だ。
「本当にダイバーになりたいのか?」
「ああ。もともとやろうと思っていたんだ。それに次の試験でお前も誘うつもりだったんだよ。」
「そうなんです!でも陽人君の話を聞いてますますやる気が出てきました。」
なら俺も協力するしかないな。
「よし。ならこのマンションにあるジムとか使って筋トレしよう!ここのジムいい器具そろってるしな。俺がダンジョン行く以外の日にうち来てダイバー試験の対策しようぜ!」
「まじで!?いいのか!?」
「もちろんだよ。親友のためなら使えるもんは使うよ!」
そうして2人は俺たちがダンジョンに行かない日に一緒に特訓することになった。
★ ★ ★ ★
主人の友達にバレた日から、ボクと主人が家にいる日には2人が来るようになった。
トオルもヒカルさんも優しいし、たくさん撫でてくれるから好きだ。
「ルナちゃんの瞳はすごくきれいですね。エメラルドみたいな色をしています。」
そう言ってヒカルさんがじっと見つめてくる。
エメラルドって何だろう。わかんないけどなんでもいいや。
ボクはお花のようないい匂いのするヒカルさんにすり寄った。
「うふふ、なぁに?撫でてほしいんですか?」
「わふ!」
「ルナちゃんは甘えんぼですね。陽人君に撫でられると弱いところを教えてもらったんですよ。こことか...」
ああ、力抜けちゃう。そこはダメだよ~
ボクはヒカルさんのなでなでの前にあっけなく屈した。
「なあ、陽人。俺ルナに舐められてんのかな?ルナはいつも俺に撫でられてるときはもっとやれ!みたいな感じでさぁ。あんなとろけてる姿見たことねえよ。」
「知らねえよ。今度ルナに聞いてやろうか?俺あいつの気持ちわかるから。ただ、光さんもかなりやり手だな。あれはかなり気を許してるルナだ。外じゃあんまり見ないぞ。」
主人とトオルは今日も仲がいい。何を話してるかはよく聞こえなかったけど。
そんな日々を過ごしているうちに、すぐに季節は変わっていった。
遂にバレました。
徹君と光ちゃんもダイバーを目指すことにしたようですね。
徹は呼び捨て...なんか...
頑張ってほしいです。
もうすぐ13000ポイントです!
本当にありがとうございます!
明日は投稿をお休みします。
ちょっと本業のほうがかなり忙しくなってきたので。
明日はプロットをがっつり補充しときます!
時間があればストックも書き貯めます
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