Episode.28:1匹と1人、初めてのお泊り 最終日
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陽人視点スタートです!
顔の上を何かがはい回る感触で目が覚めた。
ゆっくり目を開けると、黒いものが視界いっぱいに映る。
眠りから目覚め、意識がはっきりしてくると、それが何なのかわかった。
「おはよう、ルナ。」
黒いものが離れると、愛犬の顔がこちらをのぞき込んでいた。
「くうん」おこした
「ありがと、でも特攻はやめてって言ったけど顔を舐めまわされるのもなかなかビビるなあ。」
「わふ?」いや?
かわいいな、おい!
「いやじゃないよ。ただびっくりするってだけ。」
今日もいい目覚め(?)だ。
ラスト一日頑張ろう。
朝食を食べ、テントを片付けて、4階層へと降りた。
★ ★ ★ ★
主人とともに4階層へと降りた時、ゾクッと寒気がした。
感知スキルもなにかに反応している。
「ルナ、たぶん今日は階層ボスと戦うぞ。この気配はヤバい。初めてマッドエルクと戦った時よりも強い気配だ。警戒していこう。」
「わふ!」わかった!
森に入り、先へ進んでいく。
今日の最初の獲物はマッドエルクだった。
魔法を組み合わせながら倒す。
そして遂にボスに遭遇する時が来た。
それはオークメイジを倒し、ちょうどレベルも13になったので、小休憩をしようとした時だった。
大きな音を立て、斜め前の大木が倒れた。
そして現れたのは赤い肌の、主人の身長より長い剣を担いだオークだった。
「オークジェネラル...!こいつは強いぞ!ルナ、距離を取って魔法主体で戦おう。あの大剣にやられるのはまずい。」
「わおん!」わかった!
そしてボクはスキルの【咆哮】【威圧】を使い、相手を牽制する。
「ワォォ~ン!!!」
しかしオークジェネラルは逆に大きな雄たけびを上げてこちらを威圧してきた。
「グオォォォォ!!!!」
空気がビリビリと揺れる!
ボクは風を纏い、主人と分散し、魔法による攻撃を始めた。
主人も距離を取り、水魔法で攻撃している。
しかし、しばらく攻撃を続けても全く動きは衰えない。
大剣を振り回し、主人とボクを狙って攻撃しているが、スピードで上回っているようだ。
主人とボクは攻撃を食らわずに戦えていた。
しかし、いきなりオークジェネラルの体が光ったかと思うと、一気にスピードが上がり、主人と剣で打ち合い始めた。
「クソッ!なんでいきなり速くなったんだ!?てかパワーヤベえ!!こっちは身体強化[改]使ってやっと同等なのに!」
主人が剣で打ち合っている間、ボクは隙だらけの背中に魔法攻撃を浴びせ、うなじに噛みついた。
するとオークジェネラルはひるみ、攻撃の手が緩まる。
「ナイスルナ!!」
主人は剣をオークジェネラルの首元に突き刺す。
ボクは退避して、また背中に向かって《風刃》を放った。
「グギャァァ!!!」
悲鳴を上げて、オークジェネラルがよろける。
しかし、まだ倒せてはいなかった。
相手はまた大剣を持ち上げ、主人に詰め寄る。
主人は剣で受け止めたが、予想以上のパワーで思いっきり吹っ飛ばされてしまった。
「わおん!?」大丈夫!?
呼びかけるも返事はない。
そして次はオマエだと言わんばかりにボクのほうへと迫ってきた。
★ ★ ★ ★
くそ!なんだあのパワーは!
オークジェネラルの渾身の一撃を受け止めた俺は、20メートルほど吹き飛ばされた。
こちらに来ないということはルナが相手になっているはずだ。
早く戻らないとルナも危ない!
俺は立ち上がり、すぐにルナのもとへ向かう。
両腕はまだ痺れていて、あのオークのパワーを物語っている。
「ルナ!大丈夫か!?」
ルナはスピードを生かし、素早く動き回りながらオークジェネラルの体に新たな傷を増やしていた。
「わん!!」平気!!
それを聞いた俺はつい、小さくつぶやく。
「うちの愛犬は頼もしすぎるな」
俺とルナはまた連携して、魔法主体の攻撃を続ける。
そしてついに決着の時が来た。
俺の《ウォーターランス》がオークジェネラルの腿に突き刺さり、うめき声をあげて崩れ落ちた。
「よしとどめだ!!」
俺はオークジェネラルの首をはねる。
そいつの体は溶けてなくなっていった。
<階層ボスのオークジェネラルを討伐しました。経験値を取得します。レベルが35に上がりました。>
<階層攻略報酬として夕凪陽人と眷属ルナに【回復魔法】を付与します。>
<エクストラスキル、【鑑定眼】のレベルが上がりました。>
「あ~、疲れた~。タフすぎだろ~。報酬は回復魔法か。またでかい報酬だな。んでやっと鑑定眼のレベルが上がったのか。何か変わったのかな。」
魔石を確認すると、そこにはマッドエルクのものより一回り大きな黒魔石が転がっていた。
せっかくなので鑑定眼で見てみることにした。
【黒魔石[大]】
★五つ以上のモンスターからまれに取れる魔石。
強力な個体の魔力が凝縮されできた。
「おお~!説明がついてる!★ってどういうことだろう?モンスターの危険度とかそんな感じか?」
とりあえず黒魔石を回収し、ダンジョンの外を目指すことにした。
「よし。回収完了!今日はもうダンジョンを出よう。いいか?ルナ」
「わふぅ」疲れた
「おっし、じゃあ休憩したらダンジョン出るぞ。」
俺とルナは4階層の安全地帯へと戻り、休息をとってから外へと向かった。
そして道中出てきたモンスターたちを鑑定眼で見ると、名前の横に★マークが表示されるようになっていた。
スライムは★一つ、色付きは二つといった感じだ。
その★の数をメモ帳に追加で書き足していった。
「なるほど。強い奴ほど星の数は多い。強さの指標みたいな感じか」
その後、帰り道のモンスターを倒していたら、レベルは37まで上がっていた。
そして最終日の夕方、空が赤く染まる時間に俺とルナはダンジョンを出た。
★ ★ ★ ★
ダンジョンを出たボクたちは家へと帰ってきていた。
家まではアサヒさんが送ってくれた。
そして今は主人と一緒にお風呂に入っているところだ。
主人に洗われながら、あることに気づいた。
主人の体を見ると、脇腹に、紫の打ち身ができていた。
「くうん?」それ大丈夫?
「ん?おお、これか。大丈夫だよ、吹っ飛ばされた時に木にぶつかっただけ。」
でも痛そうだな。何とかできないか...
そうだ!新しく覚えた魔法なら!
「わおん!」回復魔法!
そう念じると、なんとなく使い方が分かった。
《回復》!
すると、淡い光が主人の傷に吸い込まれていき、傷は全然目立たなくなった。
「おお!すげえ!回復魔法か!?」
「わっふ!」すごいでしょ!
「ありがとなあ!俺も回復魔法ゲットしたから、なんかあったらすぐ使うよ。ルナは偉いな!さすが俺の愛犬!!」
ふふふ、褒められちゃった。うれしい。
愛犬だって!勝手に尻尾が暴れちゃうよ!
明日起こすときはダイブだね!
★ ★ ★ ★
帰ってきて、アドレナリンが抜けると同時にオークジェネラルに吹き飛ばされたときに打ち付けた脇腹の打撲がずきずきと痛みを増してきていた。
回復魔法を使うという選択肢はすっかり頭から抜け落ちていた。
ルナと一緒に風呂に入ると、脇腹には紫の打ち身ができていた。
ルナが心配してきたが、大丈夫だと答える。
それはやせ我慢で放った一言だった。
しかしルナが回復魔法をいきなり使い、傷は目立たなくなっていた。そして痛みもほぼなくなっている。
ルナは本当にすごいな。自分が情けなくなってくるよ。
こいつに誇りに思ってもらえるような主人になろう。それが今の自分の目標だ。
とりあえず今は撫でてやろう。
俺はルナのきれいな毛並みをわしゃわしゃと撫でた。
次は旭さん視点の閑話です。
【今日のステータス】
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【名前】ルナ
【種族】黒狼
【称号】夕凪陽人の眷属,先駆者,進化する者,風の支配者
【Level】17(17/20)
【経験値】40/50
【体力】76
【魔力】62
【攻撃力】65
【防御力】64
【素早さ】105
【運】90
【スキル】噛みつき(Level.Max),咆哮(Level.Max),感知[改](Level.2),隠密(Level.Max),身体強化[改](Level.5),威圧(Level.6)感覚強化[改](Level.2),俊足[改](Level.2),風魔法(Level.Max)
【ユニークスキル】言語理解(Level.Max),伝心(Level.Max),回復魔法(Level.1)
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【名前】夕凪陽人
【種族】人間
【称号】先駆者,水の支配者
【Level】37
【経験値】40/50
【体力】81
【魔力】64
【攻撃力】70
【防御力】74
【素早さ】73
【運】50
【スキル】体術[改](Level.9),隠密(Level.Max),剣術[改](Level.8),身体強化[改](Level.5),感知[改](Level.4),感覚強化[改](Level.2),水魔法(Level.Max)
【ユニークスキル】回復魔法(Level.1)
【エクストラスキル】鑑定眼(Level.2)
【眷属】ルナ(黒狼)
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