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Episode.26:1匹と1人、初めてのお泊り 1日目

卑猥な話じゃないです。断じて。


陽人視点スタート!


夏が来た。


7月唯一のこの連休、金剛さんに正式に許可をもらって、俺とルナは初めての試みをする。


世間のリア充たちは海に行ったりしているんだろう。


だがしかし。俺とルナがひとたび海に現れたら、最近は収まってきた動画騒動がまた掘り起こされることにもなりかねない。


だからやめておくのだ。一緒に行く友達がいないとかではないのだ。



そして今は世の中のリア充共とは違い、俺とルナは東京駅ダンジョンへとやってきた。


今日はかなりの暑さで、日中の気温は30度を超えるらしい。


まあ、俺とルナには関係のないことだが。


今日から4日間の連休。そのうち3日を俺とルナはダンジョンに費やすことにした。


今日の朝からルナの尻尾はブンブンである。


しばらく自粛期間というか、あまり気軽に外に出れない状態だったので、ルナにとっては久しぶりの外出である。


ルナは今日のことをとても楽しみにしていた。


今日の朝なんかはルナのはしゃぎっぷりがすごかった。


あのキラキラした目はすんごくかわいかった。


今はまだましだがルナの気持ちはその尻尾に現れている。


さあ、いざダンジョンへ!




うぐッ、朝のみぞおち特攻の痛みがッ!




★     ★     ★     ★



久しぶりのダンジョン!


やっとこの日が来た!


今回はいつもより長くダンジョンの中にいるらしい。


主人は今日の朝、アイテムポーチにたくさんの荷物を詰めていた。


あの量がポーチに入るのはとても不思議だった。



1階層、今回は時間もあるのでゆっくり進むらしい。


おっと、さっそく来た。


「わん!」きた!


「何体だ?」


「わん!」いち!


「じゃあ、風魔法使って倒してみてくれない?」


「わふ!」いいよ!


ボクは《風纏》を使う。


この技は走るのが速くなる!


ボクは跳ねてきたスライムに近づいて、核を砕いた。


「へえ、風纏は素早さアップと。ルナのスピードがまた速くなったなぁ。すごい」


「わおん!」すごいでしょ!


ボクは主人に褒められてうれしくなった。


「ああ。ルナはすごいよ!自慢の家族だ。」


やっぱり主人に撫でられるのは好きだ。


誰よりもあったかい気持ちになる。



その後ボクと主人は何体かのスライムを倒した。


ボクのレベルは5へと上がった。



★     ★     ★     ★



俺とルナは3階層まで下りてきていた。


他の国ではすでにダンジョン内に複数日滞在した記録がある。


そして、ある国の特別枠ダイバーの5人組パーティーが、大発見をした。


次の階層へと続く穴の周り。


あそこでは一度そこのモンスターを倒すと、人がいるうちはなにも出現しないということが分かったのだ。


他の国でも同様の調査が行われ、それは確実なものになった。


その調査結果を踏まえ、ダンジョン内でのキャンプ行為が認められることになった。


俺たちは3階層から4階層に降りる穴の周りにテントを立て、そこを拠点とする予定だ。


時間はもう昼時。そろそろ小休止を挟むことにした。


俺のレベルは25になっている。


いったん2階層に戻り、穴の隣で椅子を出して休憩することにした。


ルナは地面に寝そべっている。


ダンジョンの中は外とは違いひんやりとした空気で、過ごしやすい。


昼食を取り、しばらくルナと一緒にだらけることにした。


しばらくするとルナが近くに寄ってきた。


「くうん?」まだ?


「あ~、あとちょっとだけ。」


そう答えると、ルナが降ってきた。


例えではなく、本当に。例のみぞおち特攻である。


「ぐはぁぁぁ!!!!」


「わっふ!!」いくよ!!


し、仕方ない。休憩はここまでか。


先へ進もう。



★     ★     ★     ★



ボクたちは3階層を進み、ついに次につながる穴へと到着した。


ここに来るまでにボクのレベルは6に上がっていた。


主人にだっこされて、次の階層へと降りた


目の前には森が。


ただ前と違うのは、木の種類だ。


前のダンジョンでは、曲がりくねった木や、たくさん枝分かれしている木ばかりだったが、今回はまっすぐな太い木が感覚を開けて並んでいた。


「これまたすごい光景だな。ここのダンジョンの森は針葉樹の森か。」


「わふ?」しんようじゅ?


「葉っぱが針みたいだろ?新宿のほうは広葉樹って言ってでかい葉っぱの木なんだ。」


ふーん、そうなんだ。


とりあえず森に入ろう。さっきからオークの匂いがしてる。


「わふ」オーク


「了解。」


森の木の陰から現れたオークに攻撃を仕掛けた。



★     ★     ★     ★



「よし!今日はここまでか?夜の7時半か。いい時間だな。」


俺たちが剣と弓を持った2体のコボルトを倒したとき、もうすでに夜だった。


穴のところに戻るべく、来た道を帰っていた。


すると突然、ルナがうなりだした。


「ルナ?どうした?」


その時、俺の感知スキルも反応した。


この感じは...マッドエルクか!?


予想は当たっていて、木々の間から、俺たちが初めて苦戦を強いられたマッドエルクが姿を現した。


「ルナ!今日の最後は大物だぞ!前みたいに蹴られんなよ!」


「わん!!!」



そして、マッドエルクとの再戦が始まった。


俺は水魔法、そして狂鹿の剣で攻撃を加える。


ルナは以前よりも増したスピードで、一度も攻撃を食らうことなく噛みつき、《風刃》で傷を増やしていく。


そして、勝敗はあっけなくついた。


目の前のマッドエルクが溶けてなくなっていく。


<マッドエルクを討伐しました。経験値を取得します。レベルが27に上がりました。>


あとには普通の色の魔石が残った。


「俺たちめっちゃ成長してるんだな。前はまあまあ苦戦したのに。」


「わん!」やったね!


「そうだな。3階層につながる穴はもうすぐそこだし今日はテント立てて寝よう。」


「わおん!」



★     ★     ★     ★



主人はテントを立て、ボクはその間に魔法の練習をしていた。


背の高い草に向かって《風刃》を放ったり、動きながら放つなどしていた。


「ルナー!テント準備できたぞ!」


おっと、呼ばれてしまった。


ボクはすぐに主人のもとへ駆け寄った。


「ルナ、今日はお疲れ様!さっき食べた肉はうまかっただろ?今日はテントで一緒に寝よう。」


「わおん!」


ボクは主人と一緒にテントに入り、主人と一緒に寝袋というものにくるまって眠った。


ダンジョンのひんやりした空気も相まって、主人と寝る寝袋の中は余計にあったかく感じた。


明日も主人を起こしてやろう。そう思い、ボクも目を閉じた。











ただのお泊りです。ええ、それだけです。

感想、ブックマーク、評価ありがとうございます!

感謝感激モチベぎゅんぎゅんです(2回目)!!


追記:活動報告上げました。もし良ければページの下の作者マイページというリンクからご覧ください。


【今日のステータス】


--------------------------------------------

【名前】ルナ

【種族】黒狼

【称号】夕凪陽人の眷属,先駆者,進化する者,風の支配者

【Level】7(7/20)

【経験値】20/50


【体力】54

【魔力】40

【攻撃力】43

【防御力】42

【素早さ】83

【運】90


【スキル】噛みつき(Level.Max),咆哮(Level.6),感知(Level.6),隠密(Level.7),身体強化[改](Level.1),威圧(Level.1),感覚強化(Level.7),俊足(Level.6),風魔法(Level.3)

【ユニークスキル】言語理解(Level.Max),伝心(Level.Max)

----------------------------------------------

----------------------------------------------

【名前】夕凪陽人

【種族】人間

【称号】先駆者,水の支配者

【Level】27

【経験値】20/40


【体力】59

【魔力】42

【攻撃力】48

【防御力】52

【素早さ】51

【運】50


【スキル】体術[改](Level.5),隠密(Level.7),剣術[改](Level.4),身体強化[改](Level.1),感知(Level.7),感覚強化(Level.6),水魔法(Level.3)

【ユニークスキル】

【エクストラスキル】鑑定眼(Level.1)

【眷属】ルナ(黒狼)

----------------------------------------------


【この小説を読んでいただいた皆様へ】


面白いと感じていただけたら、評価を頂けると嬉しいです。


感想もぜひお寄せください!返信は絶対するので!


ブックマーク、評価していただいた皆様、励みになります!読んでいただき本当にありがとうございます。


新しく読んでいただいた皆様、面白い!続きが読みたい!と思ってもらえたら、ブックマークよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポがいいですね。あんまり俺Tueee!というおしつけがましい感じがないのもいいです。 [一言] ルナがかわいい!
[一言] 主人公のレベルは余り上がらないね。 テントで二人とも寝てしまったけれど、夜間の見張りが居なくて大丈夫なのかな?
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