Episode.1:1匹と1人、生き延びる
イッヌ視点に戻ります
途中で飼い主視点に変わります
ボクははっと目を覚ました。
ここは!?穴から落ちてどうなった?主人はどこだ?
周りを見渡し、匂いを感じる。
するとすぐそばに主人が倒れているのが分かった。
すぐに駆け寄り、無事を確かめる。
息もしているし、血の匂いもしない。
よかった。どうやら気を失っているだけらしい。
顔をなめたり、足で突っついたりして起こそうとしてみる。
すると、うめき声を漏らしながら主人が目を覚ました。
「う...ここは...ん?ルナ、なんで俺の上に乗ってるの?
ああ、そうか穴に落ちたんだっけ。入り口は..10メートルくらい上か。
足場もないし登れないな。スマホは...はあ!?圏外!?ここ街のど真ん中の公園だぞ!?
どうなってんだよ..くそ!」
主人はいらだっているようだ。
とりあえず慰めるために顔を舐めてやろう。
「おわっ!ちょっ!ルナ!くすぐったいって!ははは、やめろ~この野郎!」
仕返しに体を撫で回された。
これをされるとボクは弱い。すぐにおとなしく寝転んでしまった。
「ふう、ルナがいるし寂しくはないな。どーするかな。
んん?なんだあれ?横穴か?もしかしたら地上につながってたりするかな?
行ってみるか」
主人はそう言って、僕と一緒に横穴へ歩き出した。
★ ★ ★ ★
俺は夕凪陽人。19歳。
ただいま大学生活を満喫している学生である。
元旦の夜、飼い犬のルナとランニングしていて、休憩中、地震がおきた。
なかなかでかい揺れで、震度は5弱くらいだと思う。
突然起きた地震にルナがパニックになり、いつの間にできていたのかわからない大きな穴に走って行ってしまった。
運の悪いことに、その時リードを掴んでいなかったので、止められなかった。
当然追いかけたが、シベリアンハスキーのルナは走るのが速く、あと少しというところで追いつけずにルナは穴に落ちていった。
俺は一人暮らしで、大学に入ってすぐに拾ったルナはもう家族同然だったため、迷わず飛び込み、空中でルナをキャッチした。
そのあと、記憶は途切れていた。
何か暖かいものが自分の上に乗って、顔の上を生ぬるいものが這いずり回っている。
目を覚ますと、至近距離から愛犬の顔がのぞき込んでいた。
俺を起こそうとしていたようだ。
その後、穴の入り口から出られないと分かった俺は、携帯で助けを呼ぼうと思ったがなぜか圏外になっており、焦燥感を感じていた。
だがルナが、そんな俺を見かねたのか、じゃれついてきた。
(そうだ、俺だけじゃない。ルナもいる。おれが焦っててどうすんだ)
そう思った俺は、ルナを思いっきり撫でまわしてから、あたりを見回した。
すると、横穴があったので、地上につながっているかもしれないと思い、ルナと一緒に進んでみることにした。
★ ★ ★ ★
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