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Episode.24:1匹と1人、有名になる

昨日1日で総合ポイントが1000ポイント近く伸びました!

ブックマーク登録は900件近くになっています!

たくさんの方に評価とブックマークをしていただき、感謝申し上げます!


陽人視点スタート!

長めになってしまいました。ごめんなさい。




ダンジョンを出た後、ダンジョンの受付で魔石を売った。


魔石はだいたい4万円程になり、いい稼ぎになった。


旭さんにメッセージを送り、家に帰って寝た。


その日は土曜日で、明日は普通の休日にして、ルナと公園で遊ぼうと思っていた。


起きたらとんでもないことになっているとは知らずに...



★     ★     ★     ★



ボクが目を覚ましたのは何かうるさい音が聞こえたからだった。


音の出所を探すと、主人の携帯から音が鳴っていた。


主人はぐっすり眠っている。


仕方ない。久しぶりにアレをして起こしてやるとしよう。


「わふ!」でりゃ!


「おふぅっ!!??」


おっと、強くしすぎたようだ。


「な、なんだぁ?いきなり頭上に隕石が降ってくる夢見た...。ん?ルナさん?なぜに俺の体の上で誇らしげにしているのかな?」


「わおん」おこした


「いや、起こしたじゃなくて。俺の体に特攻して起こすのやめてって言ってるだろー。」


「くぅん」いや?


「ぐふっ、かわいい。いや、違う!別に嫌じゃないんだけどびっくりするから!」


「わふ」ならいいね


「はあ、まあいいよ。で?なんでおこしたの?」


「わん!」けいたい!


「携帯?ええ!?なんでこんなに着信入ってんの?えっと、旭さんに金剛さんにヘンリーさんまで!?旭さん朝4時にかけてきてるし!なんだ?」


主人はボクのためにニュースをつけて電話しに行ってしまった。


『こんにちは。10時になりました。情報番組【ハッキリ】のお時間です。キャスターの玖藤(くどう)です。よろしくお願いします。』


『こんにちは。アナウンサーの二卜(にうら)です。今日のコメンテーターの皆さんをご紹介します...』


ちょうどよく見ている番組が始まったようだ。


番組を見ていると、"今日のトピック"というコーナーで、びっくりすることが放送された。


『では今日のトピックです。昨日からSNS上では、ダンジョンの中で撮影された映像が話題となっています。動画には黒い犬と一緒にモンスターを倒すダイバーが映っており、その戦いが「すごすぎ!」「魔法みたい!」「てか魔法じゃね?」などとSNSで拡散され続けています。それでは、動画をどうぞ!』


そのあと動画が流れ、そこには魔法を使いながら、マッドボアを倒す主人とボクの姿がハッキリ映っていたのだった。



★     ★     ★     ★



ルナのために情報番組をつけてやり、とりあえず旭さんに電話をかけることにした。


『もしもし!?陽人君!!やっと出た!何してたの!?大変なことになってるよ!!』


「大変なこと?なんですか?」


『ツケッター入れてるならトレンド見なさい!今すぐ!!』


ツケッターはSNSアプリの一つで多くの人が使っている。


もちろん自分も入れていたので開いてみた。


トレンドを開くと、そこは『魔法』『ダイバー』『新宿ダンジョン』『イッヌ』などがトレンド入りしていた。


嫌な予感、もはや確信だが、一つを開いてみる。


一つの動画が60万を超える拡散がされていた。


その動画には、遠目だったが、魔法を使いながらマッドボアを倒す、俺とルナの姿がバッチリ映っていた。


『陽人君?映ってるのは君とルナちゃんだよね?どういうことか説明してくれる?』


「はい...今から行きます。」


『ダメ!君はともかくルナちゃんは見られたらわかっちゃうかも知れないでしょ?私が迎えに行きます。家で大人しくしていなさい。』


俺は聞いたことのない旭さんの冷たい声を聞き、諦めて待つことにした。


ルナのところに戻ると、ルナが見ている情報番組でもこの動画を取り上げていた。


ヘンリーさんからも電話がかかってきていたので掛け直してみた。


『ハロー、ハルト!大変なことになったね!アメリカのニュースでも大々的に放送されてるよ!』


『ええ、ほんとですか?まさかこんなことになるとは。』


『おや、あれは本当にハルトだったのか。まだ確信はしていなかったんだがね。アレはなんだい?よかったら教えてくれないか?』


『はあ!?また嵌めたんですか!?』


『ハハハ!さすがハルトだ!日本語で言うと【バケツヲホル】だっけ?』


『それを言うなら【墓穴を掘る】ですよ。』


『それだ!まあ、それは置いといて教えてくれよ!君が使っていたのは本当に魔法なのか?君のことは言いふらしはしないから教えてくれよ!』


『はあ、本当に僕のことは言いふらさないんですね?』


『ああ、約束するよ!』


『なら、いいですけど。僕が使ったのは水魔法です。スキルとして発現しました。』


『それだけかい?』


『ええ、まだなにもわからないので。昨日は初めて使ったんですよ。』


『なるほど。本当に魔法だったんだね。それを聞けただけでも十分だ!ありがとう。すまないが、これから用事でね。もう時間もないからまた後で電話するよ。じゃあね。』


『僕もこれから用事なので大丈夫です。暇な時に電話してください。それじゃ。』


そう締めくくり、電話は切れた。


その後しばらく待つと、旭さんが到着して、ルナと一緒に車に乗った。


申し訳程度にメガネとマスクと、帽子をつけて家を出た。



★     ★     ★     ★



日本支部の表口にはマスコミが大勢押しかけていた。


車の中からそれを見ながら、意外と知られていない、裏口から日本支部に入る。マスコミはおらず、誰にも見られずに入ることができた。


通された部屋にはやっぱり金剛さんが待っていた。


「きたか。さて、どういうことか説明してもらおう。アレはなんだ!?手品か!?」


金剛さんは声を荒げて俺に聞いてきた。


「こ、金剛さん、説明するんで、落ち着いて...」


「落ち着いていられるかぁ!!朝来てみればマスコミに囲まれ、魔法だのあのダイバーは誰だの聞かれる!そんなこと知らんっつーの!!俺が聞きたいんだよ!!アレはなんだ!?ハルト!?」


「アレは魔法です。俺のスキルの1つですよ。あんまりでかい声出さないでください。ルナが怯えてるんで。」


ルナは俺の後ろに縮こまっていた。


それを見た金剛さんは、


「うっ、る、ルナ、俺のこと怖いか?」


と言って撫でようとしたが、ルナはビクッと体を震わせると金剛さんの手から逃れた。


「ああ!ルナ!嫌わないでくれぇ!ごめん!謝るから!高級肉あげるから!」


まあ、金剛さんの気持ちもわかる。朝出勤したらいきなりマスコミに囲まれるんだもんな。


とりあえず金剛さんに説明することにした。


俺と金剛さんは対面で座り、動画のことについて話す。


「なるほど。水魔法か。そしてルナは風魔法。すごいことだな。ステータスの魔力はおそらくお前ら以外は皆ゼロだ。魔力はなんなのか考察は色々されていたが、実際の現象を見ると納得できるところもある。」


金剛さんと話している間、ルナは金剛さんに撫でられようとはしなかった。


金剛さんは相当ショックだったようで、今はすっかり落ち着いて、心なしか静かに喋っている。


旭さんもその場に残り、俺たちの話を聞いていた。


「さて、お前らが日本支部に出入りする以上、いつかはバレる。そうなったらお前の住所、名前、大学全部特定されるぞ。しかも魔法っていう未知の力だ。他の国の政府も介入してくるかもしれん。どうする気だ?」


「どうしましょう。なんも考えてないです。」


話している途中、俺の携帯に電話がかかってきた。


着信はなんとヘンリーさんからだった。


「ヘンリーさんから電話です。出てもいいですか?」


「ヘンリー・アダムズさんか!?なんで会って1週間で仲良くなってんだよ!出ていいぞ。」


『ハロー、ハルト!さっきぶりだね!元気かい?』


『元気じゃないです。これからどうするか考えてたところですよ。』


『まだ決めてないんだね?ちょうどよかった。そこにミスター金剛はいるかい?』


なんでわかるんだと思いつつも、いることを伝えた。


『スピーカーにしてくれ。ミスター金剛も交えて話したいことがある。他に聞いている人は?』


『僕の担当受付の方がいますけど...』


『わかった。担当受付ならば聞いても大丈夫だろう。』


『じゃあスピーカーにしますね。』


そう言って俺はスピーカーにした。


「ヘンリーさんが話したいことがあるそうです。スピーカーにしたので旭さんも聞いてください。」


「わかったわ。私英語は得意だから心配はしなくていいよ。」


するとヘンリーさんが話し始めた。


『ハルト、これは一つの提案だ。君の一つの選択肢として聞いてほしい。


僕の企業はDCOに技術提供と資金提供をしているんだが、僕自身DCO本部にいくつかのコネクションを持っていてね。

それによるとDCO本部はすでに君のことを把握している。

そして本部の人間は君を本部直属として囲い込もうとしているみたいだ。君は日本政府の機関に所属していないからね。

そして同じくDCO本部に繋がりのある民間企業も、君のことを狙っている。だが、君は幸いにも特別枠のダイバーだから手出しはできないはずだ。僕もその1人だね。


そしてここからが本題だ。本部の人間の意見は2つに割れていてね。穏健派と過激派といったところかな。

穏健派は総長と副総長をトップとした派閥だ。こっちは今まで通りに自由にさせておくという意見だね。見返りをもらうかわりに、身を隠すための物件と資金援助をしようとしているみたいだ。


過激派はもう1人の副総長とアメリカ支部長をトップとした派閥だ。君は政府所属じゃないから、金と権力で無理やり本部に引っ張ってこようっていう意見だね。


総長と副総長の1人はこの意見には反対しているから何かあれば守ってくれるはずだ。

多分君のところにはどちらの派閥も急行しているところだろう。

そこで僕が提案したいのは穏健派の案に乗ることだ。

僕の知り合いは他でもない穏健派側の副総長でね。

穏健派の案は君にとっても良いことの方が多いんだ。

もちろん日本政府を頼るのもいいと思うがね。

ただそれだと自由に動けなくなる可能性の方が多いんじゃないかな?どうだい?』


ヘンリーさんの説明を聞き、俺は日本政府に所属したときのことを考えてみた。


金剛さんに聞いたところ、日本政府の特別枠のダイバーはどこのダンジョンに潜るかが決められて、一般ダンジョンに潜れないらしい。


ならば自由にさせてくれる穏健派についた方がいいのか?確かに今のベストな選択肢はそれしかない。


ただ、気になるのは...


『ヘンリーさん、穏健派は援助の見返りになにを要求するつもりですか?』


『ふむ、それを聞かれると思っていた。はっきりと聞いたわけではないが、君の手に入れたダンジョン資源の一部を融通して欲しいらしい。あとはスキルの情報を求めてくるだろうね。』


なるほど、それなら大丈夫か?


「金剛さんはどう思いますか?」


「俺は穏健派に乗ることに賛成だ。日本政府に所属したらいいように使われるぞ。今のDCOは独立機関だ。政府も下手に手出しはできん。ならば多少の見返りはやっても穏健派に付くべきだろう。」


よし。金剛さんもそう言っている。条件が無茶なものではない限り、穏健派につくとしよう。


『ヘンリーさん、今のところは穏健派につこうと思います。穏健派側に俺の居場所を伝えてくれますか?』


『楽な仕事だね。君はどこにいるつもりだい?』


『それは...』



俺の居場所を伝えると、電話を切った。


そして俺たちは電話で言った場所へと向かった。




ルナとはるとくんが有名になってしまいました。

色んな人が動きますね。


【この小説を読んでいただいた皆様へ】


面白いと感じていただけたら、評価を頂けると嬉しいです。


感想もぜひください!返信は絶対するので!


ブックマーク、評価していただいた皆様、励みになります!読んでいただき本当にありがとうございます。


新しく読んでいただいた皆様、面白い!続きが読みたい!と思ってもらえたら、ブックマークよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] え、魔法ってまだ他に取得してる人いなかったのか?学生で週末しかダンジョンに入れない主人公より、資格化される前から潜り、職業として毎日のように潜っている専業がいるのに? 称号効果でスキルを取得…
[一言] 肖像権の侵害で損害賠償請求かなぁ。許可なくSNSに動画があげられ、日常生活がマトモに送れなくなったので〜って数千万位の請求したらいいかと…
[一言] まずは、勝手にSNSに動画をアップした人を裁判に掛けようか。
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