Episode.22:黒魔石の価値②
ジャンル別日間ランキング5位!!!!
一つの目標だった5位以内に入ることができました!
ブックマーク、評価してくださった読者の皆様、そしてこの作品を読んでいただけた全ての皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございます!!
今回ルナ視点はありません。
ダンジョン攻略もありません。
夜にダンジョン攻略メインの話を1話投稿します。
2日後、大学から帰ってきて部屋でオークションサイトを見ていた。
入札期限はあと40分。
入札額を見てみると、その額はとんでもないことになっていた。
【黒魔石(中)】※鑑定済み
入札期限:残り40分
現在の入札価格:9270000¥
「927万円!!??やばすぎる!実感が湧かないな。あと40分でどんくらい上がるんだ?」
ルナと戯れ、ゲームをしたりして40分後。
その時を知らせるアラームが部屋に鳴り響いた。
「きた!どうなった!?」
すぐにサイトを開き、黒魔石のページを見る。
【黒魔石(中)】※鑑定済み
入札終了
落札額:20000000¥
「は?」
落札額を見て思考が止まった。
まじか?大学生のおれが1日で二千万?
た、宝くじ当たったみたいだ...
しばらく思考停止していたが、携帯にかかってきた電話でハッとした。
「はい!もしもし。」
『陽人君?旭ですけど、支部で話があるから迎えに行ってもいい?』
「あ、はい。わかりました。待ってます。」
『りょーかい!それじゃまた後で!』
しばらく待つと、アパートの前に旭さんの乗る車が着いた。
それに乗り込んで日本支部へと向かう。
今回、ルナは留守番だ。
寂しそうだったが、仕方ない。すぐに帰るからと言い聞かせて、たくさん撫でてから出てきた。
日本支部に着くと、前と同じ部屋に通され、また前と同じように金剛さんが待っていた。
「よう、ハルト!おれの言った通りだろ?」
「そうですね。すごい価格になりましたね。ははは。」
「実感がないか?」
「まあそりゃ宝くじに当たったみたいですよ。」
「ハハハ!確かにな!それで落札した奴の話なんだが。」
「あ、はい。誰ですか?というかどこですか?」
「あの魔石を落札したのはアメリカの有名企業だ。どこかわかるか?」
「アメリカ...てことはまさか"Yoogle"ですか!?」
「ご名答!そのYoogleが落札した。さっきうちの支部に連絡が来てな。すでに担当者が日本に着いたそうだ。」
「ええ!?早くないですか?」
「ああ、めちゃくちゃ早い!もう落札できることを確信していたようだ。しかもその担当者ってのがすごい人でな。ほら、あの"ヘンリー・アダムズ"さんだ。」
「はあ!?ヘンリー・アダムズ!?なんでそんな大物がこっちに来るんですか!?」
ヘンリー・アダムズ。アメリカ有名企業"Yoogle"のトップで、世界長者番付に毎年上位に食い込む大物だ。
「さあ、分からん。ただ、受け渡しは対面して話さないといかんぞ?がんばれ。」
「はっ!そうか!ええ〜あの有名人と会話するんですか?緊張するんですが!」
「英語はできるんか?」
「まあ、高校の時留学してたんで、たぶん。」
「ほお、留学!どこ行ってたんだ?」
「アメリカですよ!そのYoogleだって本社見に行ったんです!そこのトップと会話とか緊張で死ぬ〜」
金剛さんと話していると、部屋の扉がノックされて、旭さんが入ってきた。
「あ、あのー、ヘンリーさんいらっしゃいました。応接室にお通ししてます。」
「わかった!よし!行くかハルト!」
「うぉ〜緊張やばい。はあ、行きますかぁ〜」
★ ★ ★ ★
応接室に入ると、ソファに壮年の外国人男性が座っていた。
『やあ、君が黒魔石の持ち主か!僕はヘンリー・アダムズ。よろしく頼むよ!』
『はじめまして。ミスター・アダムズ。私はハルト・ユウナギです。』
『ハルト!そんなに硬くならなくてもいいよ。』
(いやいやいや、無理!なんかオーラ見える気がするし!すげえ!本物だ!)
『んんっ!ミスター・アダムズ、はじめまして。日本支部長のマサタケ・コンゴウです。とりあえずソファで話をしましょうか。』
『ミスター・コンゴウ!君のことは知っているよ!"最強の支部長"だろう?』
(さ、最強の支部長?なんだそれ?)
『ハハハ!それは他の奴等が勝手に言っているだけですよ!それはいいとして、ミスター・アダムズ、なぜ日本に?他の人を寄越せばよかったのでは?』
『んー、あの魔石の話を自分で聞いてみたくてね。それに持ち主のことも気になった。これは自分で行くしかない、そう思ったんだよ。来てみて正解だ!凄腕のダイバー2人に出会えたからね!』
その後、アダムズ氏と机を挟み、ソファに対面で座り、魔石の話に移った。
『ほう、これが例の黒魔石か。綺麗な色だね。同じ大きさの青魔石の150倍のエネルギーか。ワクワクするね!ハルトはどうやってこれを?』
アダムズ氏にボスの話をすると、興味津々と言った感じで聞き入っていた。
『そのハスキーのルナは今日はいないのかい?』
『はい、留守番させてます。』
『そうか、残念だな。その子のことを見てみたかったのに。その子が例の進化する犬だろう?』
(なんで知ってるんだ!?)
『なぜそれを?』
「あっ!おいハルト!」
聞き返すと、横から金剛さんが日本語で話しかけてきた。
アダムズ氏の方を見ると、ニコニコしながらこう言った。
『ハルトは駆け引きに慣れていないんだね。今のは誘導だよ。』
俺はその言葉を聞いて冷や水を浴びせられた気分になった。
『ハハハ!別にどうこうする気はないさ。それがハルトとルナのことだと確かめられただけで今日は大収穫だ。君達に危害を加えるつもりなんてない。それに僕は個人的にハルトのことを気に入った。もしアメリカに来ることがあったら私に電話しなさい。』
アダムズ氏はそう言ってメモに電話番号を書込み渡してきた。
俺は混乱しながら受け取り、アダムズ氏に言われ、その場で登録した。
『それじゃ、お金の話をしようか。君の口座に手数料を引いた1700万円を振り込もう。』
『ありがとうございます。』
『ああ、いい取引ができた。これを持ち帰るために人を呼ぶけどいいかな?ミスター・コンゴウ?』
『ええ、支部の裏口から出ましょう。マスコミに嗅ぎ付けられないうちにね。』
『ありがとう!』
そう言ってアダムズ氏はどこかに電話をかけていた。
しばらくすると迎えがきたようで、
『じゃあハルト!また会おう!相談事があればいつでもメッセージを送ってくれ!』
そう言って裏口に付けられた車に、SPの人達と乗り込んでいった。
★ ★ ★ ★
アダムズ氏が帰った後、俺は金剛さんと話していた。
「ハルト、お前駆け引き弱すぎないか?」
「はい、すんません。あれは完全にやられましたね。」
「はあ、あの人はむやみやたらと言いふらさないと思うがなぁ。今度から気を付けろよ?」
「はい。肝に銘じます。」
「まあ、新たなコネができてよかったじゃねーか。」
「はあ、、」
後で口座を確認するとしっかり1700万円が振り込まれていた。
これの使い道を考えながら帰路についた。
家に帰るとすぐにルナが走ってきて、すり寄ってきた。
「ああ、ルナぁ〜。やばい人に会って疲れたよ〜。」
「わふ?」だれ?
「ルナは知らないだろうが、ヘンリー・アダムズって人だよ。」
「わん!」知ってる!
え?なんで知ってんの?
「なんで知ってるんだ?」
そう聞くと、ルナは俺をテレビの前まで引っ張っていった。
テレビには今日のニュースが流れていた。
『...のYoogle社トップ、ヘンリー・アダムズ氏が突然、オンラインで質問なしの会見を開き、その背景に東京スカイタワーが映り込んでいることが話題となっています。アダムズ氏は会見で、新たなエネルギーである黒魔石を落札したと発表しており、今日二千万円で落札された黒魔石のことに言及しました。ネット上では、その黒魔石の発見は日本のダンジョンだったのでは?と話題となり、憶測が飛び交っています。また、アダムズ氏は...』
オウ、マジカ
アダムズ氏オンライン会見なんてやってたの。
ルナはニュースで見たから知ってたってことか。
アダムズ氏は俺とルナのことは言わなかったみたいだな。
よかった、いい人で。
その日は安心してぐっすり眠れた。
ルナの定位置は足の上から俺の腕の中へと変わっており、俺はもふもふに埋もれて目を閉じた。
はるととアダムズさんはこれからどのように関わっていくのか!意外とすぐに出てきそうです。
【この小説を読んでいただいた皆様へ】
面白いと感じていただけたら、評価を頂けると嬉しいです。
感想もぜひください!返信は絶対するので!
ブックマーク、評価していただいた皆様、励みになります!読んでいただき本当にありがとうございます。
新しく読んでいただいた皆様、面白い!続きが読みたい!と思ってもらえたら、ブックマークよろしくお願いします!




