EX.Episode.3:1人の日常
陽人君のダンジョン抜きの生活を書いてみました。ルナ視点はありません。
時系列で行くと前話のダンジョン攻略の日(5.6)の2日後(5.8)です。
朝、目が覚める。
目覚ましのアラームを止め、足の上のルナを起こす。
あくびをしながらルナは目覚めた。
「おはようルナ。俺、今日は大学だから留守番よろしくな。」
「わふ」は~い
ルナをひとしきり撫でて、顔を洗い、歯を磨いて、朝ごはんの準備をする。
まだ時間はあるからフレンチトーストにでもしようかな。
溶き卵に砂糖を適量。そして食パンを切って漬け込む。
それをフライパンで焼いて出来上がり。
朝ごはんを済ませたら、ニュースをつける。
そして、朝ご飯を食べ終わったルナが隣に座った。
『...日本支部によると、一昨日のダンジョン攻略では日本支部所属のダイバー全員がステータスを獲得したということです。また、一部のダイバーにはスキルの発現も確認されていて、DCOの公式サイトにスキルの詳細などが掲載されるとのことです。今後、ダイバーへの志願が増加することが見込まれます。第一期ダイバー試験では一般の合格者はいないということで、第二期試験ではさらに志願者が増える見込みです。また、新種のモンスターも発見されており、初のダンジョン潜入では...』
ふむ、ほかのダンジョンに潜った人たちもステータスは獲得したんだな。
スキルを発現した人はどんなスキルを手に入れたんだろう。気になるな。
「おっと、そろそろ時間だな。じゃあ行ってくるよ、ルナ。」
「わおん」いってらっしゃい
俺は家を出て駅へ向かい、2駅離れた大学にきた。
門を抜けて教室に向かっていると、後ろから声をかけられた。
「陽人~おはよっす~」
この髪の毛を暗めの茶色に染めた男は"森田徹"
俺の高校時代からの親友である。
「陽人君、おはようございます!」
そしてその森田の隣にいる女性。
この人は森田の彼女である、"遠山光"
「おう、おはよう徹、と光さん。」
「陽人!今朝のニュース見たか?ダイバーのやつ!」
「おお、見たぞ。」
「一般枠は合格者0だってよ。俺は受けてないけど。」
「へえ、そうなのか。この大学に誰か受けた奴いるのか?」
「ああ、それが栗原たちが受けたらしい。全員落ちてざまあみろだぜ」
「ふーん、栗原たちね。どうせ有名になりたいから受けただけだろ」
"栗原渚"、自己顕示欲が強く、絡まれるとかなりめんどくさい。髪を金に染めたいわゆるチャラ男だ。そいつの周りには似たような奴らが集まっている。
「そうに決まってる。お前は受けてないのか?あーゆーの絶対好きじゃん」
通行人の多いここでばらしても良くない。そう思った俺は今は隠すことにした。
「俺は受けてねーよ。もし受けてても絶対落ちてたし」
「まあそうだよな。今回の試験は自衛隊とかの人だけか。」
すると今まで静かにしていた光さんが聞いてきた。
「陽人君は今後はうけるんですか?」
「お、それ俺も気になってた。どうなん?」
「ん~まあ受けに行くだろうな。ダンジョン潜ってみたいし。モンスターと戦ってみたいし。」
「そうだよな!陽人は絶対行くよな~!」
「私もそう思います!」
なぜそう思われているのだろうか。あとお二人!二人だけの空気を作るな!なんか虚しくなるだろう!
「はいはい、もう授業だから行くわ。じゃあな。」
「ばいば~い」
「さよなら~」
二人とは授業はかぶっていない。その日は授業を受け、まっすぐ家に帰った。
「ただいま~!」
ドアを開けるとすぐにルナが駆け寄ってくる。
その可愛さに癒されながらとりあえず撫でる。なぜルナをこんなに愛でたくなるのだろうか。
「わう~」寂しかったよ
つい先日覚えたスキルで気持ちを伝えてくる。
「ああ、ごめんな。明日は土曜日だからダンジョンいこうな。」
撫でながらそう言ってやると嬉しそうに尻尾を振っている。
この土日はダンジョン三昧だな。
ルナと一緒だと毎日が楽しい。
ダンジョンができる前も楽しい日々だった。
でも今はもっと楽しい。
さあ、明日からまた頑張ろう。そう思えた1日だった。
この話に出てきた人物はもう少し後で本編に出てきます。
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