Episode.11:1匹と1人、帰還する
ルナ視点スタートです。
ダンジョンからの帰り道、【伝心】を獲得したボクは主人にいろんなことを伝えた。
主人が出かけてるときはさみしいとか、撫でられるのが気持ちよくて好きとか。
主人はそれを聞くとちょっと照れていた。
そうこうしているうちにダンジョンの出口までたどり着いた。
主人がボクを抱き上げ、穴から出る。
外に出るのも久しぶりな気がする。なんかまぶしい。
外に出るとすぐに自衛隊の人が集まってきた。
「おかえり!陽人君!ルナ!」
「ただいまっす。外で何かありました?」
「いや、ちょっとマスコミが来てたぐらいで別に異常はないよ。」
「そうですか。じゃあ報告に行くのでこれで。次は土曜日あたりに来ると思います」
「わかった。帰りも気を付けてな」
「はい。じゃ、また。」
主人と佐倉さんがそんなことを話している間、ボクは自衛隊の人たちになでなでされていた。はあ、きもちいい。
★ ★ ★ ★
DCO日本支部
「旭さんいます?ダンジョンの報告したいんですけど。」
「ちょっと待ってくださいね。丸山さ~ん!担当の方帰ってこられたわよ~!」
奥から"は~い"と返事が聞こえ、すぐに旭さんがやってきた。
「陽人君、ルナちゃん、おかえり!初めてのダンジョンお疲れ様。向こうの机で報告聞かせてくれる?」
俺と旭さんは並んだ机の一つに向かい合って座った。ルナは旭さんにだっこされている。
「じゃあ、報告を聞きますね。何か発見はあった?」
俺は称号・スキルや、ダンジョンに潜ったのは2回目ということを隠し、ステータスを今回獲得したこと。通常のスライムとは別の黄色いスライムがいたこと。ゴブリンと戦い、勝利したこと。剣を持った"階層ボス"とステータス音声が呼ぶゴブリンがいたこと。その個体を倒すと通常とは別の魔石を入手したことを話した。
「ええ!?初日からその成果はすごすぎるね!黄色のスライムは初発見、それに階層ボス?剣を持ったゴブリンか...DCOのデータベースには一応載ってるね。でも階層ボスという言葉は初めてだね!」
おおう、初めてか。誰かが見つけててもおかしくないと思うが。
「あ、これが剣持ちの落とした魔石です。」
「おお、これが。へえ、黒いんだね。普通の魔石は青なのにね。じゃあ今回の報酬は魔石4個の四千円と黒いのが1個。黒いのは価値がまだついてないから報酬は価値わかってからになるけどいい?」
「はい。俺が持ってても仕方ないんでどっかの研究チームに回してください」
「おっけー」
よしこれだけかな。なら帰るとす..「あっ!忘れてた。ちょっと待って陽人君!」
「な、なんですか?」
「ステータスのこと聞いてない!」
「あ、ああ、そうですね。実はレベル3になりました。ルナはわかりませんけど。」
「2回レベル上がったんだ。ステータス値はどんな感じ?」
「別に可もなく不可もなくって感じですね。ほかの人のを見ていないのでわかりませんけど」
「それもそうだね。家に帰ったらステータス値送ってくれるかな?」
「了解です」
「あ、それと自衛隊ダイバー達の報告は後でチャットで送っておくからね。今日はそのくらいかな。」
「わかりました。じゃあ帰ります。」
そう言って立ち上がった瞬間俺のおなかが"ぐうう~"と鳴った。
「あはは、おなか空いてたんだね。食堂行こっか。お姉さんがおごってあげる!」
「まじっすか!やった。ここの食堂って初めて使いますよ!」
「初めてなんだ!ここの食堂ってDCO職員かダイバーだったら自由に使えて安くておいしいんだよ。今度から食堂でなにか食べながら報告会する?」
「いいですね!そうしましょう!」
俺と旭さん、そして報告の最中ずっと旭さんに撫でられていたルナで食事をとって帰宅した。
カツカレーは偉大だ。うまい。
家に帰ってシャワーを浴びたり、大学の課題をしていると、旭さんから今日の報告をまとめたものが送られてきた。
それによると、黄色スライムのほかに青スライム・緑スライムも発見されたらしい。
また、ステータスは敵に対して攻撃を行った者だけが発現したらしい。
その後、その攻略部隊は全員がステータスを獲得して、撤退したそうだ。
最後に、これからはダイバーのダンジョンへのアタックが無制限になるようだ。
入るとき、出た時の報告は必須らしい。なるほど。
その日は程よい疲労感で、よく眠れた。ルナは相変わらず太ももの上だ。
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