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Episode.10:1匹と1人、二度目のダンジョンへ②

はると(飼い主)視点スタートです



下の階層につながる大穴をルナを抱いて降りる。


目の前には最初の階層と同じような光景が広がっていた。


ルナを下ろし先へ進もうとすると、急にルナがうなりだした。


「ん?どうした?もしかしてゴブリンか?」


そう聞くとルナは肯定するように首を縦に振った。


そこで物音を立てないように進む。岩の陰からそっと先を見ると、そこには緑色の肌の小人のような生物がいた。


鑑定眼で確認すると、[ゴブリン]と出た。


「あれがゴブリンか。角が生えてて武器は持ってない。こっちは武器を持っているから行けるか?」


俺は剣を抜き、忍び足で近づく。


「よし行くぞルナ!!ルナは足に攻撃してくれ!」


「わん!」


ルナと俺は同時に飛び出し、スピードのあるルナが先にゴブリンに攻撃を仕掛けた。


ゴブリンは完全に油断していて、ルナが足に噛みつくとやっと攻撃されているのに気付いたのか、汚い叫び声をあげながらルナにつかみかかろうとした。


しかし時すでに遅し。ゴブリンはルナにつかみかかる前に俺の剣に首をはねられた。


ゴブリンはそのまま倒れ、溶けるようになくなって、後には青色の石が残った。


「これが魔石か。未知のエネルギーが詰まってるらしいな」


<ゴブリンを討伐しました。経験値を取得します。レベルが2に上がりました>


「お、レベルが上がった!経験値はルナも獲得してるからルナも上がったかな?」


「わん!!!わう!!わん!」


めっちゃテンション高いやん。おっと、なぜか関西弁が出てしまった。


「ルナも上がったみたいだな。時間も決まってるしアタックが終わったら見てみよう。いいかルナ?」


「わっふ!」


いいらしい。じゃあ先に進むか。



★     ★     ★     ★



レベルが上がった!ボクの!レベルが!上がった!


なんかうれしくて興奮しちゃった。でもステータスはダンジョンを出てから見るらしい。


主人と一緒に進んでいると、またあのゴブリンっていうやつの匂いがしてきた。最初は嗅いだことない匂いだったからよくわからなかったけど今は違う。


警戒の声を出して主人に知らせる。


「お、またゴブリンか。うお、今回は2体いるな。武器は2体とも持ってない。んー、どうするかな」


主人は2体をどう倒すか考えているようだ。


「わっふ!わう、わん!」


さっきの戦いで分かった。あいつらはボクより遅い。


それを必死に主人に伝えようととしてみる。


「うーん、何言ってるのかわからんな。ルナは役に立つぞーとか言ってるのか?」


ああ、もう!主人がボクの思いをわかってくれたらいいのに!なんで主人からボクには伝わるのにボクから主人には伝わらないんだ!


「うーん、ステータスの感じだとルナはスピード型、俺は万能型だったからそれを生かして戦うか?おっ!?ルナがご機嫌だ。そういうことか?」


「わう!わん!」


やっぱり主人はわかってくれた!さすが主人だ。


「よし、じゃあルナは走り回ってあいつらの狙いを逸らしてくれ。ふう、ルナの気持ちをわかってあげられる手段はないのかね。ルナの意思一つ理解するのも大変だよ。」


その通りだ。ボクの気持ちを主人が分かってくれるならいっぱい好き好き伝えるのに。


<ユニークスキル【伝心】を獲得しました。>


「わふ?」


【伝心】ってどんなスキルだ?


「ルナ!今お前伝心ってどんなスキルだって思わなかったか?」


「わん」思ったよ?


も、もしかしてこのスキルって...


「おい、ルナ!今伝心ってスキルを鑑定眼で見てみたら相手に自由に意思を伝えることができるスキルらしいぞ!」


や、やっぱりそうか。伝えたくないことは伝わらないのかな。


「わふっ!!」あっ!ゴブリン!


「そうだ!ゴブリン忘れてた!」


ゴブリンはまだこっちに気づいていない。ゴブリンは鈍感なのかな?


とりあえず戦いだ!


「わおん!」ボクが速さで隙を作る!


「隙を作る?わかった!危ない真似はすんなよ!」


「わおん!!!!」


ボクはゴブリンに向かって吠えた。


ゴブリンはこっちに気づき、変な声を上げてボクに向かってくる。


おそいね!そんなんじゃいつまでたっても捕まらないよーだ。


その時ボクを追ってくる1体が隙を見せた。


「がうっ!」隙ができた!いまだよ!


「よっしゃ!ナイスルナ!」


主人は1体の首を切りとばした。


残りの1体は最初のように足の動きを封じると楽に勝てた。


<ゴブリンを2体討伐しました。経験値を取得します。>


今回はレベルが上がらないみたいだ。残念。


ボクと主人はそのまま先へ進むことにした。


先は進むと広い部屋のようなものがあり、奥のほうに大きな穴があり、1体のゴブリンが部屋の真ん中に座っていた。



★     ★     ★     ★




あれは...ゴブリンか?しかし今回は今までとは違う。


そのゴブリンは刀身に穴の開いた剣を持っていた。


鑑定眼!


[ソードゴブリン]


ソードゴブリン?剣を持ったゴブリンってことか?


「ルナ、近づきすぎると斬られる。一定の距離を保て。」


「わん!」わかった!


鳴き声とともに思念が送られてくる。本当に便利なスキルだな。


そして戦闘が始まった。






終わった。


弱かった。道中に出てきたゴブリンよりはスピードもあったしパワーもあったが、それだけだ。


ルナの挑発によってすぐに隙を見せたので容易に勝つことができた。


<階層ボスを討伐しました。経験値を取得します。レベルが3に上がりました>

<階層攻略報酬としてスキル【身体強化】を夕凪陽人と眷属ルナに付与します。>


「おお、身体強化!必須系のスキルだな!たぶん!おっと魔石のことを忘れていた。魔石は...ん!?なんだ?これはさっきまでの魔石とは違う!色が黒い!」


ソードゴブリンの死んだ後には、今までの青色の魔石とは違い、黒い魔石が残されていた。


鑑定眼!


[黒魔石(極小)]


やっぱり別物だ。階層ボスだから違うものを落とすのか?


そう考えだしたとき、腰に下げたポーチに入れたスマホが音を立て始めた。


「わう!?」なに?びっくり!


「ごめんルナ。アラーム機能だ。もうすぐ時間ってことを知らせてくれている。今日はここまでだな。帰ろうか」


「わっふ」わかった。


ルナは帰り道、さっそくいろんなことを俺に伝えてくれた。


うれしいことばかりだった。


★     ★     ★     ★




ルナが意思を伝えられるようになりました。陽人視点の時は鳴き声の後がルナの思念です。


【この小説を読んでいただいた皆様へ】


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― 新着の感想 ―
[一言] 伝心 身につけましたね。 羨ましいスキルです。 愛猫との間に欲しいスキル… ルナちゃんの活躍が楽しみです。
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