Episode.8:1匹と1人、ダイバーになる
すみません、間違ってデータ消しちゃったので遅くなりました。
本来2話分だったのを一話にまとめました。ほかの話より少し長いです。
陽人(飼い主)視点からです。途中でルナ(犬)視点挟んでもっかい陽人視点です。
試験が始まった。
前半はただの体力テストで、後半に筆記式の試験だそうだ。
まずは5000メートルのタイム。15分ジャスト。ルナもぴったり真後ろについていたから同じだ。
次に重量挙げ。俺は75キロまで行けた。ルナは犬なので不参加。
そして最後に判断力を見ると言って、テストを受けさせられた。これもルナは不参加。
こういう状況ならどうするか、ということを記述するだけのもので、別段難しいことはなかった。
特別枠はこんな感じだとすると、一般枠とは何が違うんだろうか。
「はい、試験終了ですねー。お疲れさまでしたー」
俺とルナの試験官である高崎さんが声をかけてきた。
「あ、どうも。えっと結果とかは...」
「はい、結果は郵送かこの支部で直接聞くかどちらかですねー。どうされます?」
「じゃあ、ここでお願いします。」
「わかりました。では三日後の5月3日午前11時にこの支部までお越しください。」
聞くところによるとその日に合格者への説明会も行われるらしい。
まあルナと戯れてゲームしてたらすぐ三日後だ。遅れないようにしよう。
「じゃあもう帰っていいんですかね?」
「はい、結構ですよ。では三日後にまた。」
俺とルナはさっさと帰った。そしてその日はシャワー浴びたりして寝た。
★ ★ ★ ★
ふぁ~あ、よく寝た。確か今日は主人と一緒にディーシーオーに行く日だ。
主人はまだ寝ている。仕方ない。起こしてやろう。
おりゃ。
「んが!んん、ん、うーん..お、おはよ~ルナ。んーと今何時だ?えーと朝8時半か。今日は試験の結果聞きに行く日か。ルナ、起こしてくれてありがと。」
ふふふー、撫でられた。朝一のなでなではいい。
「じゃあ準備したら行こう。ちょっとニュースつけとくぞ。」
あの大きな穴に落ちて、"言語理解"を獲得した日から主人がボクに構えないときはニュースを流してくれるようになった。
ニュースではいろんなことが言われている。
たとえば、スライムが見つかったとか。あとはゴブリンってやつも見つかったらしい。
あとはディーシーオーができたとか、なんかえねるぎーかくめいだとかわけわかんないこと言ってた。
今日のニュースのトップはダイバーのことだ。ダイバー資格試験のことを話していた。あとステータスのことも話していた。せんもんか?とかいうオジサンたちが色々しゃべってた。ヘンな名前。
そんなニュースを見ていると主人の準備が終わったらしい。
「ルナー、行くよー」
「わおん!」
さあディーシーオーへ行くぞー。
★ ★ ★ ★
ついた。2度目のDCO日本支部。時間は10時半。
ふう、なんか緊張するな。ダンジョンに潜れるかここで決まる。
立ち止まっていると、ルナが速く行かんの?とでも言いたげに後ろからふくらはぎあたりを押してきた。
「よし!行くか!受かってると信じていこう」
「わっふ!」
支部の中に入ると正面のカウンターには受付の時に担当してもらった綺麗なお姉さんがいた。
「あ、夕凪陽人さん!とルナちゃん!3日ぶりですね!結果通知ですよね?」
「あ、どうも。はい、結果聞きに来ました。」
「えっと、私は丸山旭と言います。これから長い付き合いになると思いますのでよろしくお願いしますね。」
「えっ?どういうことですか?」
「あ、結果は合格です。おめでとうございます!それに伴って私、夕凪さんの担当受付になりました。」
「やった!ありがとうございます!それでえっと担当受付っていうのは...」
「えっと、担当受付っていうのは...」
説明によると、担当受付はダイバーとDCOの組織をつなぐようなものらしい。
ダンジョンに入るときや出た時、それに成果などの報告は担当受付を通すそうだ。
「あっ!そうだ、担当はダイバーといつでも連絡を取れるようにしとかないといけないので、説明会の後お時間いただいてもよろしいですか?」
「わかりました」
「ありがとうございます!それじゃあ説明会は3階ですのであちらのエレベーターからどうぞ。」
「ありがとうございます。それじゃ、またあとで。」
そうして俺は説明会の会場に向かった。
会場には俺を合わせて100名ほどいた。
説明会では、ダンジョンへの潜入許可は5月6日から下りることと、どこのダンジョンに潜るかの報告義務と、成果の報告の義務があることを説明された。
また、ステータスを獲得した際はステータスを申告するように言われた。あくまで自己申告のようだ。
これらは担当受付へ報告するようにとのことだ。
加えて、現在見つかっているモンスターはDCOがモンスター図鑑のようなものを制作しているらしい。
その図鑑には、現在見つかっているモンスターへの対処法、討伐方法が記載されているとのことで、データは更新されていくらしい。閲覧は誰でも可能だそうだ。
またダンジョン内でのケガの治療費だけはDCO持ちらしい。
中々の好待遇だ。それとダンジョン内で命を失ってもDCOは責任を持たないという誓約書にサインさせられた。まあこれは妥当だろう。
そしてダイバーの資格を証明するカード型のライセンスをルナの分と合わせてもらった。
黒色のカードでイケてるデザインだった。
説明会も終わり、会場から出ようとするとある人に呼び止められた。
「おーい、青年!ワンコ!三日ぶりだな!」
「あ!金剛さん!こんにちは!」
俺を特別枠に推薦してくれた金剛さんだった。
「やっぱ受かるって思ってたよ。改めてよろしくな青年!いや、ハルト!んでワンコはルナだな!」
「こちらこそよろしくお願いします!」「わふっ!」
「ようし、じゃあ約束通り名刺をやろう。プライベートの番号もメモっといたから何か相談事があればいつでも言え!俺は職務があるんでこれで失礼するよ。じゃあな!」
金剛さんは俺の肩をバシバシたたき、ルナをわしゃわしゃ撫でて行ってしまった。
受付に戻ってくると、カウンターに丸山さんの姿はなかった。
カウンターにいた人に、丸山さんを呼んでもらった。
「あ、夕凪さん!ルナちゃん!説明会お疲れ様です!えっとあそこのベンチで話しましょうか」
「わかりました」
「えっと、まず連絡先ですね。これが名刺です。あ、チャットアプリのほうも交換しましょうか。」
「え?いいんですか?」
「はい!楽なので!」
丸山さんはそう言ってアプリの連絡先も交換してくれた。
「じゃあこれで終了ですね!お疲れさまでした!」
「あ、俺年下なんで敬語とかなしでいいですよ。」
「あら、じゃあお言葉に甘えて。これからよろしくね?」
「はい、よろしくお願いします。丸山さん!」
「旭でいいよ!私も陽人君って呼ぶから!」
「あ、わかりました。えーと旭さん?」
「オッケー!じゃあダンジョン潜入初日はダンジョンに入る前にここによってね!ダンジョンまでの交通費も出るから!あと武器も支給されるからね。モンスターに有効な剣とかだね。今日はそのくらいだね」
「わかりました!じゃ、さよなら」
「はーい、ルナちゃんもまたね~!」
「ワオン!」
こうして俺とルナはダイバーになることができた。
そして5月6日、俺とルナのダンジョン挑戦が始まる。
【この小説を読んでいただいた皆様へ】
面白いと感じていただけたら、評価を頂けると嬉しいです。
感想もぜひください!返信は絶対するので!
ブックマーク、評価していただいた皆様、励みになります!読んでいただき本当にありがとうございます。
新しく読んでいただいた皆様、面白い!続きが読みたい!と思ってもらえたら、ブックマークよろしくお願いします!