Episode.7:1匹と1人、試験を受ける
この話から第二章!主人公たちがダンジョン攻略始める章です!
ひとつ前の話見たほうが分かりやすいと思います!
ルナ視点スタートです!
ボクと主人は絡まれている。変なチンピラに。ピンクのモヒカンってヤバいでしょう。
どうしてこうなった?そうだ、あれは今から1時間前...
「よーし着いた!ここがDCO日本支部だな!ダイバー資格試験だ!行くぞルナ!」
「わん!!!」
そう!ボクと主人はダイバー資格試験を受けに来ていた。
ダイバーって何かって?ふふん、この日まで主人と一緒に見たニュースが言ってたぞ!
ダイバーっていうのはダンジョンに自由に潜れるようになる資格らしい!
つまりこの資格を取ればボクも主人もダンジョン潜り放題だ!
そしてここディーシーオーというところでその第一回試験があるんだ!
ふふん!物知りだろ!ディーシーオーって何か?えっと、ほら、あれだよ。ダンジョン何とかってやつ。
「ルナ!受付行くぞ!」
おっと、主人は待ちきれないらしい。
「人がいっぱいいるからな。抱っこしていくぞ。」
やった。主人にだっこしてもらえる!うれしくて尻尾が暴れちゃうよー
「ここが受付か。すいません、ダイバー資格試験受けに来ました!」
主人はそう言って受付のお姉さんに声をかける。
「はい、ダイバー資格試験ですね。紹介状などはお持ちですか?」
「紹介状?いえ、持ってないです」
「失礼しました。それでは一般枠試験ですね。こちらの書類をお書きになって、こちらへお持ちください。えっと、それで、そのワンちゃんは...」
「おっと、こいつはルナ。俺の相棒です。」
相棒!なんかいい響きだ。
「あ、はい。それでそのルナちゃんはなぜここに?」
「へ?資格試験受けに来たんですが」
そうです!「わっふ」
「えっ!?ワンちゃんがですか?」
「ええ、だってダンジョンに入るには資格がいるんですよね?犬は資格いらないっていうんなら別にいいんですけど...」
「えーと少しお待ちください。上のものに問い合わせてまいりますので」
「わかりました」
お姉さんが奥のほうに行ってしまった。
3分くらいたつと、なんか強そうなオジサンを連れて戻ってきた。
「おう、オマエか。飼い犬に資格取らせようとしてる奴は。」
「はいそうです。」
「先に結論を言おう。飼い犬にも資格は必要だ。救助犬にも資格を持たせる予定だしな。ただ、試験はオマエと飼い犬でセットだ。それでいいか?」
「わかりました。」
「よし、面接してやるよ。有望そうだったら特別枠に推薦してやる。」
「え!?マジっすか!?」
「ああ、マジだ。大マジだ。まあちょっと裏話をするとだな。今回、一般枠の合格者は出ないかもしれん。自衛隊とか警察・消防の一部の部隊が特別枠で優先されてんだ。だから俺は見た感じよさそうな奴何人かに声かけてるんだ。」
「いいんですか?」
「ああ。特別枠とはいっても普通に体力、判断力とかのテストはきっちりやるからな。特に若者は命を落とす危険性があることをわかってない奴らが多い。たとえ特別枠に推薦されていたとしても不合格は出す。今のところ、面接だけ合格した奴は3人だ。」
「やりますよ!せっかくチャンスもらえたんだ。」
「よし来た。こっち来い、やるぞ面接。」
主人は部屋でオジサンとまあまあ長く話し込んでいた。
「うん。問題はないな。ワンコもかなり頭がいいな。オマエも頭も切れるほうだし大丈夫だろう。あとは本試験だな。」
「頑張ります!今日はありがとうございます」
「おう。俺は日本支部長の金剛将嶽だ。オマエとワンコがダイバー試験に受かったら名刺渡してやる。頑張れよ!青年!ワンコ!」
そう言ってオジサンはボクをわしゃわしゃ撫でて戻っていった。
手、おっきかったな。主人とはまた違う心地だ。まあ主人が一番だけどね。
「よし!書類も書き終わったし呼ばれるまで待つか」
「わん!!!」
そして場面は冒頭に戻る。
「ああ~ん?な~んでこんなとこにペット連れてきてんだぁ~?なめてんのかぁ~?」
なんだよ!今主人になでなでされてたのに!だれだ...んん?なんだこいつ?
「おいおい、ダイバー試験にペット同伴で来るとかどんな冗談だぁ~?おい、なめてるんなら返れよク・ソ・ガ・キ!」
いや、ちょっと待て。お前の頭もなかなかだぞ。ピンクのモヒカンって。ボク初めて見た。
「いきなりなんですか?ペット同伴って言いますけど、救助犬同伴の人もいますよ?僕は試験受けるの認められたんですから別にいいでしょう?」
そうだそうだ!言ってることは難しいけどボクのほかにも犬はいるんだよ!
「チッ、屁理屈垂れやがって。まあいい。てめえの犬は訓練された救助犬でもねえし受かるわけねえよ。再来年あたりにもっかい受けたら受かるかもなあ?ぎゃはははは」
このピンクモヒカンむ~か~つ~く~
「グルルルル、ワン!!」
「おいルナ!落ち着け!」
主人がボクを撫でてきていくらか収まった。あっ!そこダメ!弱いとこ!
「てめえがちゃぁ~んと教育しないとダメだろぉ~?」
ピンクがさらに言おうとしたところでストップがかかった。
「一般受験の桃山怒羅吾さーん、会場入り口までお越しくださーい。」
と、声が聞こえてきた。
「おっと、呼ばれちまったぜ。まあせいぜい頑張るんだな、ク~ソ・ガ~キ」
あのPはそう言って会場に行ってしまった。
「ふっ、あいつ下の名前キラキラしてんな。なあルナ」
キラキラなんだ。僕には人間の名前なんてよくわからないよ。
とりあえずまだ呼ばれないみたいだしもっと撫でてもらおう。
そう思って体を摺り寄せようとした途端、
「特別枠の夕凪陽人さーん、同伴のルナさんと一緒に特別枠の受験会場入り口までお越しくださーい。」
あーあ、呼ばれちゃった。もう少しだったのに。
まあいっか。試験頑張ろう。
★ ★ ★ ★
<用語解説>
・DCO:ダンジョン対策機関(2020.1.27発足)。各国に支部を一つ置き、国内に地方支部を持つ。
・ダイバー:ダンジョンに入るために必須となる資格。全世界共通。
【この小説を読んでいただいた皆様へ】
面白いと感じていただけたら、評価を頂けると嬉しいです。
感想もぜひください!返信は絶対するので!
ブックマーク、評価していただいた皆様、励みになります!読んでいただき本当にありがとうございます。
新しく読んでいただいた皆様、面白い!続きが読みたい!と思ってもらえたら、ブックマークよろしくお願いします!