第6話 そこは聞いてほしくなかった・・・!
「…【封印】の解除条件は封印ごとに変更できるんだが…その…俺のは永遠に解除できない条件というか…」
「なんでそんなの条件にしてしまうの!?」
「人生で2回も異世界に行くなんて思わないだろ!?」
理屈ではあってるがナツは認められないらしい。
「それで条件って?私がなんでも協力するから教えて?」
「な、なんでもっ!?」
「なんでそんなに驚いてるのよ…」
俺がこんなに驚いているのは【封印】解除の条件が
かわいい女の子にキスしてもらう
だからだ。
ふざけたんですごめんなさい。
そしてこんな条件、幼馴染にいえるわけない。
こんなの言ったらきっと
~回想~
「なんでも協力してくれるんだな…?」
「まあ、私にできることなら」
「大丈夫だ。ナツならできる」
「それで条件って?」
「『かわいい女の子にキスしてもらう』だ」(`・ω・´)
「キモ。近寄らないで」
~回想終了~
ってなってしまう!
被害妄想が多分に引き込まれていた気がするがとにかく。
これだけは隠し通さなければ。
森を4時間で抜けて少し歩いたところで村が見えた。
「ちょうどいいし、食料とか旅に必要な物を買っていこう」
「それはいいけど…お金あるの?」
異世界にきてこの世界のお金を見る機会はなかった。
しかし
「逃げる前に兵士3人からこっそりお財布拝借した」
「それ泥棒だよ…」
ジト目が刺さるが気にしない。
俺たちは生き残ることが大事だからだ。
しかし問題はこの通貨の価値がわからないことだ。
『34日と6時間前に異空間収容ボックスに入れたドローンを使用して単価を調べてはどうでしょうか』
戦闘補助システム<EGO>が提案してきたが却下だ。
「魔導術封印してるから使えない」
『は?…失礼。あまりに御頭がその…アレな回答に驚いてしましました』
まさか自分で作った<EGO>にけなされる日が来るとは…。
そんなショックを受けてる間に村についていた。
財布になかには
金・銀・銅のコインが二種類の大きさで入っていた。
「ふむ…少し調べてくるから待っててくれ」
「え?」
ナツのキョトンとした反応をスルーし、俺は人混みができている店に行く。
この世界の文字や言葉が理解できるのは王城で既に把握済みだ。
それを利用して、他の客が買った商品と差し出したコインを見てコインの価値を逆算する。
5分ほどしてその店を離れナツの元へ戻る。
「単価わかったぞ。
銅小 1ペス
銅大 5ペス
銀小 10ペス
銀大 50ペス
金小 100ペス
金大 500ペス
ってとこだな」
「へ~、そころでその語尾のペスってなに?」
「この世界の金のことらしい。俺たちの世界の円だな」
さて、この世界の情報収集と物資調達していくか。