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第3話 脱出

「とりあえず逃げるぞ!」


俺は幼馴染の夏紀に<身体強化>のスキルを使って近づき


「すこし我慢してくれ」


そう言って俺はお姫様抱っこで夏紀を抱えて走りだす。


「ちょ、ちょっと!」


事態がまだ呑み込めてないのか硬直したままの彼女だが少しづつ状況を理解したのか俺に聞いてくる。


「これからそこに行くの?」

「とりあえずこの国を出る。んで、そこからは移動しながら!」

「わかった!」

「それじゃ捕まっとけ」


俺は、スキル<魔力強化>を使って魔力と呼ばれる体内を流れるエネルギーを掌に集め壁に放つ。

壁はまるで砂の壁のように砕け、俺はそこから外に飛び出る。

その高さ5階。


「えっちょ!落ちるって!!!!」

「落ちてんだよ」

「死んじゃうでしょ!?」

「…お前よくこの中でしゃべれるな…」


初めて高さ5階から落ちてここまで話せるのはすごいと思う。

まあ、落ちることはないが。


「スキル<戦闘補助システム>!応答しろEGO」


その声に反応するように脳内に響く声。


『お久しぶりですマスター。1ヶ月ぶりの起動ですね』

「そうだな、ところで飛びたい」

『了解です。魔力構築…魔術起動:error。緊急構築開始…魔力グライダー。滑空開始します』


俺の背中からまるで怪盗キ〇ドが使っていそうな半透明のグライダーが出現する。

風に流され城から離れていく。

少しだけ見える城の内部では、兵士が慌ただしく俺達を探し回っているようだ。


「このまま少し離れるぞ」

「わ、わかった」



「ねぇ、説明して」

「…ん?」

「この状況とか、いろいろよ!」


なるほど、まぁなんとなく察してたけど俺についてきただけか…。

俺は城の状況をわかりやすく説明した。


「つまり結果的に私は冬希に助けられたってこと?」

「まぁそうなる…のか?」

「…ありがと」

「えっ?」


一瞬何と言われたのか理解できずに呆けてしまう。


「だから…ありがとうって」

「ええ…!?」

「なによ!私はお礼を言っただけでしょ!」

「いや…だってお前最近俺の事避けてなかったか?」


最近…というかある日を境に俺から距離をとったように感じていた。


「それは…わ、私の質問にも答えてよ。

あの力…《祝福》じゃないでしょ?」

「…そうだな。もうここまで来たら話していいかな。俺は実は、この世界に来る前に別の世界に転移したことあったんだ」


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