第22話 スキル
フユキが寝静まった深夜。
月が高く上った時間にアリシアはベッドで静かに眠るフユキを見据える。
パサッと黒いネグリジェを脱ぎ捨て、下着姿でフユキに馬乗りになる。
「五臓六腑全て人間と同じ位置、でも脈が大人しい。いや、血管含む全ての臓器が強化されている?筋肉はそこそこ、腕力も普通より多少あるくらい。でも攻撃時のダメージや今日のナイフ破壊もこの筋力じゃ…<身体強化Lv5>だけじゃない何かがあるはず。私と同じかと思ったけど違うのかしら。魔力量は…すごい量。だけどおかしい、流れが速すぎる。生成量が多いけど生成量に追いつくほどの貯蔵量ではないってことかしら。」
もくもくとフユキを調べるアリシアの目は普段とは違い深紅に輝いていた。
「私とは違う…もっと調べないと」
そうしてアリシアは再びフユキを調べ始める。
同類なのか、調べるために。
「あれ…」
俺は朝起きるとベッドで寝ていた。
「…知らないt」
「それは前にもしたでしょ…」
横にはいつもの黒い暗殺装束に着替えたアリシアがいる。
「おはよう」
「おはよ、朝ごはんできてるよ?」
「わかった、食べ…」
「ん?」
「い、いやなんでもない!」
なぜか一瞬アリシアの半裸を思い出し頭をブンブンふる。
どうにか頭から煩悩をたたき出し俺はベッドから降りる。
「変な夢でも見たのか…?あんなの」
アリシアが準備してくれていたスープとパンが机の上に置かれていた。
俺とアリシアは向かい合って座り朝食を食べた。
朝食を食べた俺達はクラフトを訪れた。
「おはようクラフト。武器の設計はできた?」
「おはようフユキ。できたんだけど、スキル少し見せてもらっていいかな?」
「スキル?」
「うん、シュナイド様から聞いたよ。イルステル王国との戦いに助力してくれるって」
そんなことは言ってない…と言いたいが利害が一致している以上断る意味もない。
「そうなるかな。といっても俺には別の目的もあるから一概に全てとは言えないけどな」
「それでも助かるよ。だからこそお願いがあるんだ。僕はこの国が好きで冒険せず、ここに住むことにしたんだ。だからお願いだ。君からしたらこの国のことも世界のことも関係ないかもしれないけど、ここは僕の大事な家と国があるんだ。だから…」
「安心しろ」
俺は頭を下げてきたクラフトの肩に手を置く。
「俺だってあの国にいろいろ奪われた。だからこそ、徹底的に滅ぼす。だから、俺に剣を作ってくれないか?この国を守る剣を」
「わかった…!」
クラフトは上位鑑定眼でフユキのステータスを見て…泡を吹いて倒れてしまった。
「ク、クラフト!?」
この時誰も気づいていなかった。
クラフトが見たフユキの真のステータスは、誰もはかり知ることができないほどのものだと。
ほぼ不眠で毎日頑張ってるのでわりと死にかけで頑張ってますw
前よりも投稿ペース落ちていますが、これからも読んでいただけると嬉しいです!
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