第1話 また異世界転移!?
夢を見た。
血みどろで横たわる兵士。体の一部がなくなっている兵士。
緑の草原がまるで赤いインクがたらされたように赤く紅く朱く染め上げられていく。
「なんだ…今の…」
目が覚めたらそこは自室のベッドの上だった。
ごく普通の一軒家の生活。2階建てで妹と父と母の4人で住んでいる。
「普通の高校生か…随分なつかしく感じてしまうな」
夏休み明けのせいか、それとも別のせいかそれは誰にもわからない。
俺はベッドから降り、高校に行く準備をした。
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2年1組。
それが俺の高校のクラスだ。
陽キャから陰キャまでいる普通のクラスだ。
クラスの中には幼馴染の女子もが…最近話せていなかったから顔を合わせづらいというか…。
そんなこと考えていると終業式の時間がきた。
みんなが教室を出ようとするときにそれは起こった。
「あれ、ドアが開かねぇぞ!?」
「こっちもだ!どういうことだ!?」
騒ぎが起き始めると同時に窓の外含めて学校が光に包まれた。
「な、なんだこれは…!」
俺たちはその光に抵抗する暇もなく飲み込まれていった。
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「ここは…」
気が付くと俺たちは広い空間にいた。
石造りながらも清楚感があり、教会を思わせるステンドグラスがある。
「おい、なんだここ!」
クラスの誰かが叫び声にみんなの不安感が高まる。
その中俺は冷静に状況を分析していた。
俺達を囲むようにいる槍を持った兵士達。
そしてその奥ね階段の上に居る長い淡いピンク色の髪の女性。
俗にいう異世界召喚というやつだろう。
「皆さん聞いてください」
消して大きいわけではないが、それでも慌てるみんなが口を閉じ自分に注目集める重さがあった。
「突然こんな形でお呼び出ししてしまい申し訳ございません。私はこの国の女王、名をミラル=バース=エリステルンと申します。」
「待てよ。勝手に自己紹介してるところ悪いがよ、俺達を勝手にここに連れてきた理由とか
元の世界に帰れるのかを聞きてぇんだが?」
ガラの悪いヤンキー生徒、高坂牙だ。
「貴様!誰に口聞いてるのかわかってるのか!」
周りの兵士たちが顔色を変えて怒鳴りつけてくる。
「いえ…説明しましょう」
女王が兵士を止める。
「私があなた方を召喚した理由は複数ありますが…身近な理由は近隣諸国との戦争です。そして帰還方法は今のところ…ありません。」
クラスの練習が騒ぎ出す。
「身勝手すぎないか?帰る方法がない状態で、自分の戦争のために人を呼ぶって」
高坂が女王を睨みつける。
女王も兵士も文句が言えないのか黙ったままだ。
「そして何もない一般人に戦えと?」
「それに関しては大丈夫です」
女王は間をおいて俺達に言った。
「あなた達には祝福があります」
今回からこの作品を書き進めていこうとお思います。
つたない作品ですが、ブクマ・高評価・コメントのほどお持ちしております。