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第一話:自らに捧げる鎮魂歌(5)

結局、アルテイシアは1日中王太子に振り回されることになった。

王子の身の安全を考えて胃が痛くなったのは最初の2〜3時間で、後は王子を殴り飛ばしたくなる自分自身への戦いだった。

王太子は今、自室に戻って休んでいるはずだ。

護衛のアルテイシアは、王子の部屋と続きになっている従者用の部屋で休むことにした。

王子の部屋には厳重に結界を張ったし、使い魔を召還して見張らせているから、何事もなければ朝まで眠れるはずだ。

明日の朝まで会わなくて済むと思うと、嬉しすぎて涙が出そうだ。

明日また会わなければならないのが苦痛だが。

夕飯はストレスが溜まりすぎて喉を通らなかった。

もし、許されるのならロウと王子を思い切り投げ飛ばしたい。

特に、ロウには言ってやりたいことがたくさんある。

昼間に様子を見に来たロウは相変わらず意地の悪い笑みを浮かべながら、

「よぉ。首尾はどうだ?」

と言ってきたので、

「最悪ですね。僕が暗殺してやりたいくらいですよ。」

と答えてやったら、

「お前はまだガキだなぁ。」

といつもの調子で頭を軽くたたいて帰って行った。

納得がいかない。

(そういえば・・・)

・夜な夜な自室を抜け出して遊び歩いているようだ。

・怪しい男と密会している所を目撃された。

・夜、空を歩いているところを目撃された。

・突然にいなくなったり、現れたりする。

ふと、王太子に関しての噂話を思い出す。

「まさか、ないよね。」

そう思いつつも、嫌な予感が止まらない。

いてもたってもいられなくて王子の部屋をノックする。

「王子?」

返事はない。王子が部屋に戻ってから1時間はたつし寝てしまったと考えるのが普通だが、あの王子に常識が通用すると思えない。

「失礼します。」

思い切って扉を開ける。

寝台は使われた様子もなく、部屋には誰もいない。

布団にはぬくもりが感じられなかった。

血の気が引く。

手足が一気に冷たくなる。

結界があったはずだし、使い魔もいたはず。

しかし、王子は何の手がかりも残さずに忽然と姿を消していたのだった。

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