「作家って個人経営したほうが……?」
読者のみんな! 感想位よこせよな!?
おいらは寂しいぜ@@
面白い現象が起きている。
『小説家になろう』に連載中の『ワンが~』は、はっきり言って人気がない。小説のスタイルも伝統的な3人称型で、セリフに対して必ずト書きが存在する。
(最近の作風は平気でセリフを3つも4つも並べて書いてあるが、よくあれで誰が言ったのか分かるもんだ)
言いたい放題だが、もう商業出版に取り上げられなくともいいやという心境になっている。年々紙媒体読者が減って行ってる状況で、出版されても2万部3万部……増刷がかかっても10万いくかどうか?
単純に文庫本価格800円で10万部売れたとして、印税は3%だから作家の手元には、
800×100000×0.03
=240万円
上記に消費税・所得税が引かれて
手取り=200万前後
これが年収である。
一般的に書籍取次制度は既に無く、アマゾンや他の販売媒体になっているため、出版社の利益は10年前の2~3倍になっている。しかも、10万部も売れる小説は珍しい。
多作と呼ばれる作家で生涯100冊も本を出せる作家は稀だろう。すると、職業作家として最低でも年に1冊は10万部を越す本を出さなければ食っていけない事になる。(増刷はせいぜい1~2万だからだ)
そう考えたら、果たして作家って儲かる商売なのか疑問になるが、直接印税とは別にメディアミックスで(特にアニメ、キャラクター商品等)得る収入も考えるとギャンブルをしてしまいたくなるんだよね。
だが、作家が得る利益は、出版社やアニメ制作会社が得る利益のほんの数パーセントにすぎない。しかも、新人の裡は使用許諾権で出版社にがんじがらめにされ、利益の草刈り場にされる。
要するに良いように食い物にされているのだ。その為、出版社は売れるモノしか本にしない。(内容はどうでもいい→人気のあるモノにしか興味は無い)
従って人気のない私の作品は考慮の対象にしかならないと言う訳だ。(彼岸でないよ;;)
だけど、よく考えると出版社の人間って、ちゃんと仕事していないんだよね。出版に際して、ストーリー上無理のある部分を削除させ、1冊の長さに収めるために加筆部分を指摘したり、「て」「に」「を」「は」、句読点、誤字脱字、倫理コードの修正位しかしない。(それって、作家が訓練すれば自分でできる)
本来クリエーターが享受できる利益の大部分を出版社という怪物が吸い上げてしまうシステムって変だよね?
『小説家になろう』で気付くのは、書きっぱなしの草稿を推敲して、前作を消去して連続投稿をし、日間ランキングや週間ランキングに無理やり乗せてくる人がいるけど、そういうテクニックって言うかな~~方式で、アクセス数を稼ぐ人がいるけど、それは「出版社の思うつぼに嵌ってるんじゃないのか?」と思う。(暇と時間が有ったら、私も試してみたいと思っている)
職業作家に憧れて露出する為にどんな手段でも使うのは『正統』だとは思うけど、そういう人にはちょっとした諫言を送りたい。
「有名になって、職業作家として10年食べていけますか?」
「単行本として、シリーズでも読みきりでもいいけど、読者を飽きさせずに20冊以上本を書けますか?(年平均20万文字以上……)」
私には上記に記した内容を継続できるか?と聞かれれば「まったく自信が有りません」と答える。
『だけど、有名になりたい。小説を書きたい』と思う。
ではどうするか? 出版社にこびへつらって機械のように文章を大量生産するのか? 充分な資料調べをしないで納得のいかない作品を促成栽培するのか?
答えは『否』です。
自分で本を作って売ればいい。利益は30%以上ある。その代り、忙しいよ!?
販売する場所は、イベント会場にブースを借りる。いわゆる『同人誌』である。年2回販売するとして、1冊1000円で1回あたり500冊も販売すれば、
1000×1000×0,35
=350000
そして、事前に有限会社(出版社)を作って置き、『小説家になろう』上で宣伝し、アマゾンに取り扱いを委託すれば、あ~ら不思議3万や5万部はあっという間に売れてしまう。アマゾンの取次で20%のインセンティブを払ったとしても印税は15%以上、
30000×1000×0,15
=4500000
凄い! ここに職業作家がめでたく誕生するのであった(8888888……)
その代り、難点が4つある。
1つは、資金の問題、3万部以上の本を印刷するのに、200万円近くの資金が事前に必要になる事。
1つは挿絵画家の起用と絵の使用権契約、盗作疑惑、出版物倫理規定違反に対する対策に関して法律に若しくは実務に詳しい団体と契約を結んでおく必要がある事。(弁理士・弁護士事務所との契約。この時の実費は100万円前後)
1つは、執筆→推敲→添削→挿絵画家との打ち合わせ→弁理士・弁護士事務所への調査依頼→単行本レイアウト→装丁(印刷所に持ち込む原稿はフォトショップ等の割り付け原稿となってい為、テキスト原稿からグラフィック版下にして印刷所に渡さなければならない)→商品管理(3万冊の本を倉庫で管理しなければならない)→売り上げ管理(主に消費税対策)→自らの有限会社(出版社)の経営管理(法人税・作家本人の給与管理)などを行わなければならないが、死ぬ気になれば余裕だね。(!!!???)
最後の1つだが、健康管理である。上記の作業量(+α)を熟し乍ら、資料調べ、次回作の構想、まかり間違って文学賞にでもノミネートされてしまったら、一般メディアからの問い合わせや一般書店からの取次なんかにも対応しなければならなくなるから、病気にでもなったら万事休すである。
まあ、職業作家になるんだから今まで勤めていた会社を辞めて、創作活動以外の仕事をその時間帯に詰め込めばいいんだけど……。
あれ、あれ? すると創作活動の時間は、職業作家になる前の、アマチュア時代と変わんないぞ!? 逆に創作活動以外の仕事……増えていませんかね?
でも、これで年に1冊本を書けば食べていけるようになったのかも? 微妙だ……。