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行き詰まる捜査 (2)
岡本綾子の自宅から、先ほど通った公園までの道をパトカーを動かす警察。突然の暑さのためか、島田警部にも疲労しているように見える。
「あ、お祭りの後片付けがすべて終わったようですね」
誰に言うでもない、一人の刑事が呟いた。
「?ああ、確かに終わったようだな。お祭りは昨日の夕方から行われていたのか……」
島田も消えるような声で呟いた。
「まったくひでぇもんだよな。人々が楽しんでいたお祭りも、今日のあんな事件のあとじゃ後味が悪いぜ」
「そうですね……」
島田らは、二人目の容疑者であろう美影伸也の自宅に向かっていた。事件のあった公園から北へだいぶ離れたところに位置している。