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推理前のヒント
推理前の最後のヒントです。
実は前話の「高遠の調査」で一つ伏線を付け忘れてしまったので、こういう形になってしまいました。ご了承ください。
私たちはパジェロミニに乗り、帰路についた。高遠は事務所に帰ったら、島田警部に連絡するようだ。しかし……真相がわかったと言っていたが、あれだけの材料でたどり着けるのだろうか……そこで、私も少しでも推理をしようと高遠にヒントを求めた。
「なあ、高遠。少しでもいいからヒントをくれない?自分だけわからないのはあれだからさ……教えてくれても罰はあたらないと思うよ」
「ヒントね……爪さ」
「爪?」
「そう、爪。あの二人の爪の長さがそのまま解答になっていると言っても過言ではない」
「え〜と、岡本綾子さんの爪の長さは短かったな。美影伸也さんは……確か……」
「ふ、まだまだ観察眼が足りないな。美影の爪は長かった。僕がチラチラと見ていたのに気がつかなかったかい?」
「うん……」
「さぁ、これで十分だろう。あの二人のうちのどちらかが犯人だ。思わぬ犯人は存在しない。せいぜい、帰るまで頑張りたまえ」
爪の長さか……私は途方に暮れた。




