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日常の色

作者: 双燕

皆さんは、いつも見る景色、流れていく時間、人の感情など、考えてみた事はありますか?僕は、正直言ってありません。しかし、それらの内、人の感情の色を考えてみて日常を見たらどうなるのか、という思想が生まれたのでこの題材にしました。舞台はとある一家。季節は夏。夏休み中盤の話。

気持ちの良い朝|<山吹色>。僕の気分|<青緑色>。起きたばかりだからかな。

「おはよう。」 部屋の扉を開けて入ってきたのは、僕の妹。妹に起こしてもらうとは、いつもは母なのに。新鮮だが少し照れくさい。 |<薄紅色>。

「おはよう。朝ご飯できてる?」 なぜか親に言うような台詞。

「できてるよ。って、なんで私が母親みたいになってるの?」 御尤もです。失礼しました。|<浅葱色>。

「いや、寝ぼけてた。」ごまかしてみよう。|<菖蒲色>。

嘘だけ「嘘でしょ。」はい、全くその通りで。「嘘だけど」って言おうとしたのに。速攻でバレた|<青竹色>。うん、当たり前か。こうなったら開き直ってみよう。本当は冗談のつもりだったのに。

「細かい事は気にしたら負けだぞ。」 ぐっと親指立ててみる。なだめてみよう爽やかに。|<空色>。開き直りは無理だった。

「お母さんぐらいの歳に見えたの?」 少し膨れる妹|<臙脂色>。失敗したようだ。|<青色>。とりあえず、母はまだ若いぞ妹よ。

「ごめん。」 やっちゃった。|<藍色>。

「別にいいけどさ。朝ご飯、早く食べに行こ?」 許してくれたようだ。よかった。ひやひやしたよ…|<甕覗色>。そして|<橙色>。

「おはよう。朝ご飯、早く食べてね。」 僕の母、今日も明るい。|<橙色>。

「あれ、お父さんは?」 理由は承知している…|<セルリアンブルー>。

「もう仕事に行ったわよ。」 答える母…やっぱり|<橙色>。母は大体|<橙色>。

「そっか、今日も仕事なのか。」 今日は家族で何処かに出かけようと考えていたのだが、無理のようだ。残念だ…|<ターコイズブルー>。

「仕方ないでしょ。お仕事忙しいのだから。」 しっかりしている妹。それでも寂しいのは分かっている。なんとも複雑。|<菫色>。

「そうだな。それじゃ、朝ご飯食べようか。」 寂しくても顔に出さない妹を見る僕。|<スカイグレイ>。

「「いただきます。」」 声を揃えていただきます。それを見る母、嬉しそう。|<黄色>。

「「御馳走様でした。」」 声を揃えて御馳走様。それを見ていた母。またもや嬉しそう、というよりは、楽しそう。|<カナリヤ>。

「仲良しでよろしい。」 笑顔の母、それを見て僕と妹|<オレンジ>。朝ご飯を食べ終わり部屋に戻る僕。後ろからついてくる妹。何か用事かな?

「お兄ちゃん、勉強教えて?」 勉強熱心な妹|<潤朱色>。少し驚く僕|<韓紅色>。

「いいよ。」 素直に了承、だって妹が勉強で頼ってくれているのだから、僕は真面目に教えてあげるべきだな。|<金朱色>。

「やった。それじゃ、ここ教えて?」 聞く妹、興味津々。|<向日葵色>。

「ここ?ここは…」答える僕、得意げに。|<マリーゴールド>。

数時間後|(昼ご飯は母が部屋まで持ってきてくれた。感謝|<金色>)…

「ありがとう、お兄ちゃん。おかげで夏休みの宿題終わったよ。」 満足そうな妹|<ピンク>。僕は少し疲れたけど、役に立てたから嬉しい。|<レモンイエロー>。ちなみに僕も一緒に宿題を終わらせた。一日中やっていたようだ。

「いつの間にか夕方になっちゃったね。」 窓の外を見る妹。そのまんま|<夕日の色>に染まってる。「そうだな。」と答える僕も|<夕日の色>。なんというか、綺麗な色だ。ちょうどその時、母の声。

「晩ご飯できたわよ。下りてきなさーい。」

「「はーい」」 二人一緒に返事をする。声が重なり二人で笑う。|<薄紅色>。一階に下り、台所へ。父が帰っていた。

「「おかえりなさい。」」 また重なった。二人とも驚きながら笑みを零す。同じく|<薄紅色>。

「いつも仲良しでいいなぁ。」 父も笑顔|<オレンジ>、仕事で疲れているだろうに。「仕事お疲れ様。」労いの言葉を贈る僕。感謝の|<金色>。

「肩こってるでしょ?私が後で肩揉みしてあげる。」 少しでも、父の疲れを癒そうとする妹、可愛いやつだ。安らぐ|<コバルトグリーン>。

こうして過ぎていく安らぎ、幸せの時間。それらには沢山の色がある。感じる色は人によって違う。この話しは、おそらくは僕の理想の生活だろう。自分でもわからない。だが、こういう生活に憧れがあるのは間違いないだろう。


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