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魔法革命記  作者: ヤニカス
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ep0.魔法革命

 この世界には魔族が存在する。人族よりも強靭な肉体を持ち、魔法を操る。これまで倒した魔族の数よりも、散っていった人族の方が遥かに多い。なぜこれほど犠牲者に差が生まれるのか。


 それは、人族には魔法が使えなかったから。魔族は魔法で炎を生み出したり、風を起こす。強い魔族にもなれば、広範囲に雷を落としたり死んだ者を操る魔法を行使するものもいる。そんな魔族に大して、人間は剣で槍で弓で、時には自分の鍛えた身一つで戦うしかなく、その戦力差は大きかった。


 だがもちろん、人類は魔法を使うことを諦めることはなく、多くの研究者が魔法を使おうと研究し続けてきた。

 

 人類が魔法を諦めなかった理由の一つに、魔力の存在がある。全ての魔族、人族、亜人族が全員抜けなく持つこの力は人の体内を循環し、空気中にも存在する。この力は魔法が使えずとも操ることができ、身体に纏えば鎧のような役割を果たし、武器に纏えば切れ味が増す。この力によって人類は多少なりとも魔族に対抗することができた。

 

 そして、魔力が魔法を発動させる際のエネルギー源となっていることまでは長年の研究で突き止められていた。魔力を人族が持つということは、あと魔法を使うのに必要なのは発動方法の解明だけだった。


 長い時間に渡り謎とされていた発動方法だか、数十年前にようやく糸口が見つかった。それは、魔族が魔法を発動する直前に観測できる陣である。

 もちろん、最近になって見つかったものではなく何百年も前から観測はされていたが、そもそも少し落ち着いて魔法研究ができる様になったのが数十年前の話で、さらには陣を構成する文字や図形は人族が使うものとは別物で、多くの研究者が文献を片っ端から調べたりしたが解読は一歩も進まなかった。


 それを、とある研究者が自ら前線に立ち魔族の使う魔法と直前に観測できる陣を何十・何百と観察し続けたことで共通点を発見した。


 それは、魔法は陣の中に含まれる図形と言語の組み合わせによって発動されるというものだ。

 そして魔法に使われる言語の一文字一文字には意味は含まれず、文字の組み合わせによって言葉を作ることで始めて魔法の世界において意味を生み出すというルール。


 例えば、一般の言語で「あ」という文字にはなんの意味もないが、「い」という文字を組み合わせることで「愛」という意味を持った言葉になる。


 魔法の世界でも同じことが言え、一文字一文字には意味はなく、それぞれを組み合わせ意味を持たせ、さらに言語と同様に様々な効果の持つ図形を一つの陣にまとめることで魔法発動が可能となる。


 この陣を頭の中で組み上げると、自然と陣が身体の前に浮き上がる。最後に、武器に魔力を通すのと同じ様に、陣にも魔力を通すことで魔法は初めて発動する。


 こうして、人類が歴史上初めて魔法を使ったのが11年前。そしてその日の出来事を「魔法革命」と呼ぶ様になった。


 魔法陣の仕組みを解き明かした研究者はその後も、陣に使われる様々な魔法言語や図形の解読、さらには各国に魔法技術の伝承などを行い、生きる伝説などと呼ばれる様になった。

 そんな彼が残した言葉がある。


 ある時、とある王族がなぜ命を危険を冒してまで魔法を研究し続けるのかと問いたとき。

 

「魔法はロマンだからだ」

彼はそう言い残し、研究者を辞めた。

 


 彼が魔法研究の一線から消えあとも、各大陸の各国では魔法研究に力を入れるようになり、魔法に特化した学校を作り魔法技術を広めたりと、魔法は少しずつ一般化しつつあった。



 この物語は、そんな世界で魔法を極めんとする者達の研鑽の日々を綴るものである。

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