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第一話 赤

一話です


目の前に広がる邪魔ひとつない大きな青空

いつもは見えるはずのない隣町

横切っていく鳥

自由とはこれだと確信できるほどの開放感が身を包む

~1時間ほど前~

「白い…バングル…」

見たことはあるでも知らない

そもそもこの世界に存在するのは赤、青、緑だけだと授業では習ったはず

テスト前だから忘れるはずがない。というか、こんな非現実的な話忘れる訳がない。

ただ確かに、その3つは存在している。現にニュースでも昨日見たばっかりだ。

ただ今目の前にあるものは、そのどれにも当てはまらない知らないもの。

付けてみろ、付けてみたいと本能が叫ぶ。

試しに腕に付けてみる。

「生体情報ヲ登録」

「持チ主、佐々木白色 18サイ」

「適合ヲ確認 準備ガ完了シタラupのボタンを押シテクダサイ」

喋りよったぞこいつ

目の前にはゲーム画面のようなものが広がっている。

その真ん中にひとつupのボタン

押してみた

すると、光が広がり俺を包む。

「眩しすぎるだろこれ」

背中の違和感と重みに気づく。

「白い…何これ?羽?羽じゃね?羽が生えてるうううう!?」

僕の背中には羽がある

~なんやかんや現在~

「ふおおおおおおお」

寒さ、身を包む風、風切音全てが心地よい。

俺の求めた自由は間違いでは無かった。これ以上は考えられないと思った。

「おーーーい」

呼ばれてる?下を見る。

てか、この高さで聞こえる声ってどんだけでかいの。

ここでふとあることに気づく。

やばい、どうやって降りんの?これ

「終了スル場合ハ終了ト言ッテクダサイ」

「OK、終了」

羽が消える

先ほどとは違う浮遊感

これは間違いなく落ちてる。うん、落ちてる。

「すいませーん!そこの方呼んだのであれば今すぐ行くのでキャッチお願いしまーす!」

「OK!」

軽いな

上からでは分からなかったが、結構ムキムキな高身長お姉さんだった

そんなお姉さんの腕にお姫様抱っこの体勢で収まる。

「おや、君軽いねぇ」

俺も軽かった。

「ありがとうございます。呼びました?」

「うん。呼んだ呼んだ」

「どうしました?」

「いや、どうしたもこうしたも無いよ。君のその腕に付いてるやつ。何それ?それのせいで本部大慌て、探知機に知らない反応がーって。それで一番近くにたまたまいた私が駆り出されたって訳」

まずい、全くもって何を言っているのか分からなかったゼ

「ちょっと待ってください。本部?探知機?あなたは誰?」

「おっと、私は現赤のバングル継承者にして、赤組総大将の赤城山ってもんだ。よろしく」

そう言いながら、自動開閉式の手帳を見せてくれる。

すげぇ、某戦隊みたいだ

「よろしくお願いします。一応名乗っておくと、自分は佐々木白色。この腕にあるのはなんかその辺で拾いました」

「拾った?」

「拾った?降ってきた?出てきた?まぁあんまり自分でもよくわかってないんですよね」

「ふーん ちょっと待ってな」

「もしもし!赤城山だけどさ!うん!接触した!ちょっとこいつまだ何も分かってないらしいもんで!一回そっち連れてくわ!」

電話だと声が大きいタイプだ

「てことでさ、一回私らの本部に行くか。」

「本部ってさっき言ってた赤組とかいうところですか?」

「あー、今回は違うな。それは私の本部。私らの本部ってのは警察だ。警察」

「警察?」

「そ。私らってさ一応人の枠組み外れた力持ってる訳だからさ、いつでも抑えられる場所じゃないと、落ち着かないんだと。」

「なるほど」

「お陰で、私の事務所も動きづらいったらありゃしないよ。」

世間話をしながら歩いていると赤城山さんのポケットからけたたましい警報音がなる

「「うっさ」」

見事なシンクロ

てか、あんたが驚くのは違うだろ。

「もしもし!どした!」

「通報あり!そこ近い!位置情報送る!」

いや、相手の方もデカボイスかい

「すまん!ちょっとだけ寄り道!ちょっと遠いから走るよ!」

「えー」

「ごちゃごちゃ言わない!人死ぬかもなんだから!人の命最優先でしょう…あんた飛んでたよね?」

嫌な予感

「ふおおおおおおおおお」

すっごいテンション高い

てか、おっもいな。人1人背中乗せて飛ぶの。しかもこの人俺よりデカいし。あと、何よりこの人顔とスタイルが良すぎる。危ない。

「よそ見すんなよ白色!あと重くないぞ!さぁ、目的地まで一直線だ!」

全部バレてる

「とうちゃーく」

降り方はさっき死ぬ気で調べた。

「通報先は…あそこね」

「おい、いい加減金出せって!あそこの女がどうなってもいいのかって!ああん!」

そこには銃を持ったハゲヅラ柄シャツと足を打たれてしまっているのであろう蹲る女とその間に立って必死に食い下がる男。

この状況をこんな軽い言葉で伝えてしまって申し訳ないがヤバすぎ。てかヤバいしか出てこない。

「ビビるなよ白色。それを手にした者には、やらなければならない責務がある。」

赤城山さんは、俺の腕を指差す。

「第1レッスンだ。とりあえず見てな」

そういうと、赤城山さんの体を光が包む。俺に羽が生えた時と同じだ。

赤城山さんの体が鮮明になっていく。

拳が炎を包まれている。

「おい、悪党さんよ」

「なんだぁ、お前、良いところなんだからよ!邪魔すんなよ!」

銃口が赤城山さんの頭に向けられる。その時、

「オラァ!!」

渾身の右ストレートが顔面に入る。

そのまま悪党、吹っ飛ぶ。

「赤組!集合!」

「「「「「はい!」」」」」

「捕縛班!そいつ捕まえて警察持ってけ」

「救護班はその子の救護!傷残すなよ!」

「そこの男!しっかりその子見とけよ!次こんな目に合わせたらお前も同罪だ!」

まさかのワンパン。はっっや終わり。

「ごめんな、ああいうのはちょっとやっぱ無理でさ。あんま見せるもん無かったな。」

「いや、別に良いんですけど」

「まぁ今のが職場見学。第1レッスンってことで」

職場?

「じゃ、気を取り直して警察に行くってことで足…じゃなくて羽よろしく!」

「俺はタクシーじゃねぇぞー!」

「ふおおおおおおおおおおおお!」






「はぁ…また新しい女と出会ってる…早く…助けてあげなきゃ…」





一話でした


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