表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運に左右される魔法でも無双したいんだが  作者: シガ
1章 拒絶反応

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/19

第11話 初めての依頼

「頼みたいことはひとつだけ。3年前私の娘から起きた....町人の失踪事件、原因を究明し解決して欲しい」

「失踪事件……」


伯爵は唇を嚙みしめ、視線を右に逸らして一拍置くと、低いトーンでゆっくりと語りだした。


「ああ。私にはアリアという愛すべき娘がいたんだけどね……ある日突然いなくなったんだ。日常の中、本当に突然......でもその後はしばらく平和でこの件も.....非情に残念という言葉では表せないぐらいの失意が私を襲ったけれども事故という形で処理され終わったはずだったんだ。けどここ最近、再びここの住人が忽然と姿を消してしまう謎の事件が多発し始めたんだ。あの日と同じようにね。最初はこの町の数少ない女性、子供たちがさらわれてこの一週間前はついに男性まで犠牲となった。たまにここへ来る冒険者へ同じように依頼を流してみたんだけど.....みんな帰ってこなかったんだ」


「全滅ですか……」

「その被害者の方々は主にどの辺で失踪したんですか?あと原因のあてって今のところなにかあります?」


 冒険者が全滅したという話を聞いても全く動じてないルナリアが質問すると領主は少し考え込んだ後話し始めた。失踪した人々は町の外側、森の近くに住んでたという典型的な話もあれば町の中央にある宿に泊まってる最中姿を消したりとかバラバラで共通点はないらしい。「それで原因についてなんだけど....」伯爵は真剣な表情になり、地図を取り出すと説明を再開した、


「村から出て南の森の中、ここ、かつて魔族が建設したダンジョンの遺跡があるんだ」

「ダンジョン?」


「うん。200年前魔族と人族3国の戦争が起きた際ここに侵攻してきた魔族が作った要塞なんだけど、敗北と共に破棄され魔族側は南西へ撤退したから誰もいないはずなんだけ、ど....検討と言えばそこしかない。西の魔族領域にいるゴブリンやリザードマンがあそこに入り込み巣窟にしてるって噂もあるし、まぁ冒険者の方々もここに行って帰ってこないから何にせよ危険であることは確かだね。」


「うーん……」


 僕はルナリアの方を見た。依頼を受けた冒険者は全員死んでいるなんて明らかにやばいじゃないか。話を聞くにこの前のゴブリンやリザードマンが徒党組んでダンジョンを占拠しているんだとしたら、僕ら二人では手に負えそうにない。最悪の場合死ぬ。


「何こっちみてんだ。ラック」

「いやぁ、うちのリーダーさんはどういう判断を出すのか気になって」

「リーダーさんはこの依頼を受けようと考えているよ」

「えっ!」

「なんだよ」

「僕ら二人でこんなのできるのか?なんか話を聞く限りかなり難易度高そうなんだが……」

「いいや、今まで受けた連中が駄目駄目な奴だったんだろ。ねぇ伯爵さん?今までこれを受けた冒険者ってどんな感じの方々でした?」

「うーん……全員借金取りから逃亡中の五人組パーティー、あとこの町出身の冒険初心者パーティー……」

「ほら聞いたかラック?まるで歯ごたえのない奴らばかりじゃないか。これだったら僕たちでもできる」

「……そうなのかなぁ……」

「……凄い自信ね、流石エルフ....頼もしいわ」

「ありがとうございます。僕らが必ず依頼を達成しますよ。あのー依頼遂行の前に報酬の奇獣をみせて頂くことってできますか?どんな物か知っておきたいので……」

「ええもちろん……ちょうどこの屋敷の裏にある厩舎にいるから案内するよ」


 こんなにグイグイ話を進めていいんだろうか伯爵さんが立ち上がり僕らも席を立つ。外に出て裏へ向かう途中伯爵はまたも自虐的な発言をする。曰く「私の家はもう没落してるようなもんだから何も期待しないでくれ」などと……なんか可哀想になってきたな。裏手に厩舎はあるらしい。僕らがいる正面玄関から反対側、裏口からでると目の前には牧草地が少々広がっていた。そしてその近くに見える厩舎は煉瓦造りの建物で周りには柵があって中には二頭の馬がいる。茶色い毛並みの大きい方と白い毛並みの小さい方……あれが騎獣って奴なのか?テオフィロがたくさん連れてた馬と何も変わらないように見えるが……。


「この子たちがヘンドリック家の騎獣だよ……」

「へぇ〜」

「なるほど……可愛らしい馬ですね」


 ルナリアはその騎獣をまじまじと観察し、テオフィロの馬とは違って細々としつつ小さい体格の馬を皮肉るかのように可愛いと述べた。騎獣...もとい馬は首を上下に振り耳をぴくぴくさせ僕らをじっと見つめているようだ。牧歌的な光景、伯爵はゆっくり歩きながら馬へ近づくと首筋を撫で始める。

「この子はマリィといって私の娘が名付けました」伯爵は穏やかな眼差しで続ける。


「.....娘は......アリアは昔から動物が好きでね。昔からこの子達を良く世話してた……。自分の食事にさえ困る生活の中でも毎日必死になって与えていたよ」

「どうやって調達したんです?餌は……」

「それはまぁ……あそこにある畑で作物を育てたりとか、道具屋の夫がなんとかして餌を仕入れてきてくれたりとか……」


 荒れ果てた畑へと目を向ければなんとなく納得できる。土が腐って茶色くなり雑草も生い茂っている。おそらく肥料もないこの環境下で育てるのは大変だったろう。相当苦労したはずだ。てか、あの道具屋の店主って伯爵さんの旦那さんだったのか……


「そうして大事に育てた馬を、僕たちの報酬にするみたいですけどいいんです?」

「……仕方ないんです。今の私があげられる価値あるものはこの馬くらいしかないんでね」

「なるほど」

「ただ....絶対にアリアを取り戻して。どうなっていたとしても....この町に娘を連れ戻してください」


 意地悪いルナリアの疑問から連ねられた言葉の節々からやるせなさや虚しさを感じる。正直なところこの依頼を受けてみたくなってきた。この二年間、絶望と無力を抱えたまま過ごしてきた伯爵さんに報いたいとここで思えたからだ。本来であれば形見となる馬を取引に出すなんて僕ならしない……できない、大切に育てていたそれを他人に渡すなんてありえないからだ。だがそれでも伯爵は敵をとり、娘を家に連れ戻すことを選択したのだ。


「はい、受けましょう。僕らがこの依頼を引き受けることを誓います」


同情にふけっている僕の隣でルナリアは無感情に依頼を受ける宣言をした。彼女は他人の心情とか気にしなさそうなタイプの人だから仕方ないだろうけどせめて悲しそうな顔ぐらい浮かべようよと突っ込みたくなる。


「ありがとう!ありがとう……感謝します……」


伯爵は目に涙を溜めながら深々とお辞儀し、僕らに地図を手渡した。それでもなお表情を変えようとしないルナリアに対して違和感を覚えながらも僕は彼女と共にお礼を返し、見送られながら屋敷を出る。


「さてと……早速行くぞラック」

「えっ?もう行くの?どこに?犯行現場?」

「ダンジョン」


 彼女はそれだけ言うと、さっさと歩いて行ってしまい僕は慌てて追いかけた。いきなりダンジョンへ行くなんて思い切った行動だな……。


「準備とかいらないのか?」

「この町で準備なんてできねーよ。薬品類どころか何もかも全部質が低くて使い物にならないし。」

「そりゃあそうか……じゃあ本当にそのまんま行っちゃうわけ?」

「そういうこと。まあ安心しろ、僕がいれば問題ないよ」

「……まぁそうか」


 僕が納得したのを見て彼女は微笑んだ。こうして僕たちは未知の脅威を秘めたダンジョンへ挑むことになったのである……。


 地図を頼りに歩いて行くこと30分程度。グラスバード南部の森、木々は高くそびえ、陽光を遮って昼間でも薄暗い。枯れ葉が風に揺られ音を立てたり虫の鳴き声も響いている。地面にはツタや苔が生えていて滑りやすく、慎重に進まなければ転んでしまいそうだ。そんな場所を突き進んでいくと、前方に朽ち果てた門のようなものが見えてきた。山の斜面を掘って作ったようでトンネルのような入り口があり左右両脇には古びた像が立っていて……恐らくこれがかつての魔族たちの要塞跡か。


「うわぁ……これがダンジョンかーなんか雰囲気あるねー」

「その反応、さては入ったことがないな?」

「そりゃあ....まぁ僕は最近冒険者になったばっかだからさ.....ルナリアはあるのか?」

「勿論、2回ほど」

「へぇーすごいじゃん。じゃあお先どうぞ」

「嫌だ。お前が先頭をあるけ」

「ええっ!!僕を囮にするつもりだな……」

「別にいいだろ。リーダーを守るのが部下の役目だ」

「君を守って死ぬなんて嫌すぎるんだよ……」

「いいから進め」


 僕は仕方なく先導して中へと進んでいく。正直内心震えていたけどな。未知の領域に入るって考えるだけで緊張するし不安になる……。


「わぁーい……」


 僕は無理やり喜びながら中を覗き込む。当然暗くてよく見えず、洞窟特有の湿り気を帯びた冷たい空気が肌に触れた瞬間に背筋がゾクッとする。中へ足を踏み入れると地面は凹凸だらけで歩きにくく足元が不安定である。ゴブリンが持ってたランプを腰から取り出し点火、薄い光が前方を照らし出してくれてやっと進めるようになった。


「……なんか気持ち悪い場所だな。魔族ってこんな暗い所好きなの?」

「大抵は人間と同じで明るい所の方が好きだと思うけどな……ここを整備してないとなると、そこまで規模は大きくなさそうだ。もしくは夜行性の魔族だけど....種類は限られてくる。たしかこの近くの魔族領域にいるのはゴブリン族とかリザードマン族とかだったっけ?どっちも暗闇で活動するのは得意じゃないはずだけど」


そんなやり取りをしていると、奥でカサリッという音が聞こえた。僕らはほぼ同時に立ち止まり警戒し構える。


「見てこいラック」

「えっ!?やだ!」

「うるさい。行ってこい。早く」

「うう……」


僕は仕方なく音の発生源に向かい、ランプを高く掲げて確認する。見えるのは辺りに散らばった土塊や岩の破片で特に怪しいものは見当たらない……なんだったんださっきの異音は?と思っているうちに、突然上辺りから再び雑音がしたかと思えば今度は横からも、四方八方から音が溢れてきた。何かが移動する音、羽音、硬い物が擦れ合う音。複数いるような……いや間違いなくいる。そう気づいた途端全身に鳥肌が立ち始める。恐怖が支配し始めると同時に何かが僕の肩を叩く。体を震わせ振り返るとそこにはルナリアがいた。


「なんだ君か……君でよかった……」

「状況を何も言わずに黙ってるなんて酷いことするな。死んだのかと思った」

「いやぁ……どう説明すればいいかわからなくて……でも確実にここには何かがいるんだ。僕たちが来たことを知ってる」

「そうか……となると……」


彼女は僕の腰に手を置く。


「え?何?どうしたの?」


 ルナリアは僕を思いっきり押す。何やってんだろうと思った次の瞬間、上から針らしき物体が僕たちの元へ飛んできた!彼女は咄嗟に前へ跳び避ける。


「やっぱ襲ってくるか....」

「うわあああああああああああ!!」


 冷静なルナリアとは対照的に当たってたら即死だった事実に怯える僕は腰が抜けつつも逃げ出し、左に見える扉に向かい開ける。一瞬見た感じ中は狭そうだ。つまり安全ということではないか?とその場しのぎにしかならないことまで頭が回らなかった僕は入ってしまった。


「おいラック入るな!!」


 ルナリアが連れ戻そうと後を追って入るが時すでに遅し。なんかエレベーターの床みたいに板の上に乗ってる感じがするなぁと思った瞬間どういう仕組みなのかよくわからないが真っ二つに割れ、2人は落ちる。


 罠だったというわけか。「ぎゃあっ!!」体中に痛みが走り意識が朦朧となる。体感二メートルの降下、さらに落ちた先は斜面なので、そのまま加速しながら転がり落下していく。転がるたびに平衡感覚が無くなり、目が回り、何にがなんだかわからない。やっと止まった時には何処にいるのかもわからなかった。辺り一面暗く視界不良。光がほぼ届いていないのであろう。


「起きろバカタレ」


 そんな罵倒が聞こえると同時にお腹あたりに強い衝撃を受ける。その後、何か液体....多分ポーションを顔面にかけられ、仰向けになって目覚めると……ルナリアが仁王立ちしていた。


「うっ……ゲホッ……」

「やっと起きたか。ったく世話が焼けるよホント.....」

「ルナリアぁ……ここは……?どこ……?」

「……おそらく、処刑場だ」

「えっ……!?」


 ルナリアは無慈悲にも冷たく告げ、それに驚いて顔を上げるとたちまち異臭が鼻を刺激する。腐敗した肉のような腐った匂い。


「うっ……なんだこの臭い」

「周りを見ろ」


 言われるまま周囲を見ると……僕らが寝ていた地面の周辺には原形をとどめてない屍骸がいくつか転がっていた。冒険者の末路か?死体と呼ぶにはあまりにも情報が少ない。衣服の残骸や武器の残骸で何とか人だったものが埋もれている程度。ただただ赤黒い粗挽き肉と骨の集まりだ。蛆虫が大量に湧いている。胃酸が迫り上がってくる。


「ま……まさかコレが今回の依頼を受けた冒険者だとかあの町の住民だったりするのか!?」

「そうかもね……綺麗に臓物だけ見当たらない。筋肉と骨で団子状にまとめられてる感じを見るに食べかすをまとめたみたいな感じだな。あいつら贅沢だなー」

「詳しく話さないでよルナリア、吐きそうなんだから……」

「誰のせいでこんなものを見る羽目になったと思ってんだクズが」

「う……」


 ルナリアは明らかに苛立っていた。当然といえば当然かもしれない。僕の不用意な行動が招いた結果だ。謝罪したくても彼女の鋭い眼光の前では何も言い出せない。何というか.....やっぱり僕って得体の知れない奴に襲われるとパニックになるタイプなんだなぁと自覚し、こみ上げてくる不安と気持ち悪さに蹲る。胃の中から込み上げてくる吐き気を抑えるため喉元を強く掴み必死に耐え続ける。ルナリアは呆れてため息を吐いていた。


「はぁ……そんなに気分が悪いならそんなこらえてないでここを離れよう」


 彼女はそう言い残し僕の腕を引っ張り歩くと....前方から黒いなにか、が向こう側から近づいてくる。人間でも魔族でもない、異形の影。その背に、六本の脚と硬い甲殻の輪郭が映っていた。僕が今まで見てきた魔族とは明らかに姿が違う。漫画とか見たような可愛げも何もなく....その姿は.....。


「何だこれは……?魔族……なのか……?」

「違う」


 ルナリアが低い声で否定する。彼女も焦りを感じているようだ。確かに彼女の言う通り、このゴキブリをでっかくしたようなフォルムは魔族のそれではない。あまりにもリアルすぎるフォルムなのだ。


 僕は虫が苦手だ。幼い頃はそうでもなかった。カブトムシはかっこいいしガはよく踏みつぶしたしカマキリだって背中をつまんで持ち上げられた。しかしいつからか……そとにかく嫌いになってしまった。理由はわからない。ただ、見たくない嫌だ気持ち悪いと思うようになった。そして目の前には巨大なゴキブリに酷似した怪物。脚をくねくね蠢かせており、甲殻には苔が付着している。さらに胸部には触角らしき物体が生えていて動くたびにユラユラ動くさまはまさに恐怖そのもの。恐怖とは一種の病であり拒絶反応であり、心を蝕むもの。その症状が今まさに僕の中で暴れまわっている。


「ダメだ……戦いたくない……こっちへ来るな!!」


 僕は恐怖のあまり腰が抜けてその場にへたり込む。体が硬直し身動きがとれない。殺されることへの恐怖ではない。生理的に受けつけられないものへの忌避感が身体中を麻痺させていた。


「落ち着けラック!!戦うぞ!!」


 ルナリアが腕を引っ張り立たせようとするも全く力が入らない。なんとか立ち上がって逃げようとするも足が震えてうまく走れない。腰を抜かしてしまったからか。それでも彼女は諦めず何度も試みるもどうしても立ち上がることができず結局床に尻餅をつく始末。


「ひっ!来るな!来ないでくれえええええ!!」


鳥肌が立つ、心臓の鼓動が早鐘のように鳴る。足を引きずるように後ずさっても追い詰められてる気がしてならない。眼前に迫りくる巨大昆虫型モンスターに対する僕の本能が悲鳴を上げている。


「何してんだ!死ぬぞ!」


 背中を向けるのは嫌だ。かと言って立ち向かうのも不可能だ。だからこんな矛盾したような行動に走っている。


「気持ち悪い……死にたくないよ……」


僕は泣きながら懇願する。だがこの場に神様なんかいない。


「我の姿を見るだけでこうも拒絶するとは……未だに慣れぬな、その反応」


 すると突然ゴキブリ型の生物の口から声が飛び出した。虫の鳴き声ではない。はっきりとした言語で紡がれた人語がそこから出てきたのだ。


「喋れるのか、意外だな」


 杖を構えながらルナリアが一歩前へ出る。その見た目から推測すると人語を喋る程の知能を有しているようには到底見えない……むしろ無意味な動作以外行わない機械的思考の持ち主だろうに。

だからこそ僕は驚愕を禁じ得ないし、頭がおかしくなりそうで堪らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ