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書庫と異世界と悪夢  作者: 橋下悟
第二章 近衛騎士
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第41話

「一度帰る?」

「はい、今一度初心にかえり自分を戒めたいと思います」


「なるほどな……」

俺は近衛騎士団長のキヌガルのところへやってきた。

出身地であるターワラへ帰り、情報を集めなければならない。


「本来なら訓練中に故郷へ帰るなど言語道断だ」

「は、はい……」


「しかし、ただのホームシックで帰るわけではないのだろう?」

「はい、何かレベルアップの手がかりを探してこようと考えています」


「そうだな……今のお前には必要なことかもしれん。

 行ってこい」

「ありがとうございます!!」

おぉ、キヌガルもいいやつだったか。

それにチギーの日頃の行いもよかったようだな。









まずチギーの出身地のターワラがどこかわからない。

そこで情報収集だ。

開き直ってクロイソに聞きまくってやった。


どうやらターワラまでの移動は馬車が良いようだ。

そして、どうせなら護衛として商人についていけということだ。

兵士の里帰りは、一般的に護衛を兼ねてのことが多いらしい。


「では皆さま、出発します。

 護衛の方をよろしくお願いします」

行商人の馬車が出発する。

荷台も数台ある。

大量の物資を運ぶようだな。


「あの、すみません」

俺は出発して早々に商人に話を聞く。

「なんでしょう?」


「毒消しの薬ってありますか?」

「えぇ、扱っていますよ」

物語中盤で、キヌガル近衛騎士長は死んでしまう。

ただの負傷では無い。

確か毒でやられたはず。


「一ついただきたいのです。

 護衛の報酬から差し引いて購入することは可能ですか?」

「えぇ、もちろんです。

 ただ、今在庫を切らしていまして今回のはその仕入れも兼ねているのです」


「では、ターワラで?」

「いえいえ、ターワラで商品の売買をおこない、帰りはニッコーも通っていきます」


「ニッコーですか」

知らない名前だな。

村だよな?

「はい、ニッコーは毒消し草の産地なのです。

 帰りも護衛していただければ、そこで毒消し草が手に入りますよ」


「では、帰りの護衛もさせてください」

「もちろんでございます」

これでキヌガルの死亡を回避できればいいが……










ターワラへ向かう途中、数回魔物が出現した。

街道沿いはそれほど魔物が出るわけではないようだ。


しかし……夢がなげぇな…

毎回のことなのだが、夢が長すぎる。

いまいち実感がねぇんだよな……

まぁ夢だから当たり前か。


途中数匹の魔物に出くわしたが、問題なく片付けることができた。


チギーは結構強い。

初期のマガタとは比べものにならないな。

レベルは18だが、マガタの30レベルくらいの強さはあると思う。

マガタが罠師なのを差し引いても、レベルの割に強い。


これでも近衛騎士の中では弱い方になるわけか。

なんとかレベルアップ条件を見つけなければ……


2日ほど移動を続けると、村に到着する。

何がきついって、移動で2日かかるのがしんどいわけよ。

なんなのこの夢……


護衛の賃金を受け取ると、村を散策する。

村へ向かう途中で得た情報では、中規模な村らしい。

小さな村ってわけじゃなさそうだ。


のどかな村だな。

広さは結構あるのだろう。

数メートルおきに家がぽつぽつとあり、畑もある。

塀で囲まれてるってわけじゃないから、魔物はそれほど出現しなさそうだ。


いや、しかしどの家がチギーの実家かわからんな。

家族構成も何もわからない。

住民に話を聞いて情報を集めるしかないな。


お、いたいた。

第一村人発見だ。

俺は畑仕事をしている男性に話しかける。


「あの、すみません……」

「ん? おぉ、チギーじゃないか」

ドンピシャだな。

中規模な村だが、全員顔見知りなのだろうか。


「俺の家ってわかります?」

「はぁ!?」

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― 新着の感想 ―
この手探り感が好き
体験型48時間以上の夢…改めて長っ!笑 しかし毎回思いがけない展開でいつも楽しませて頂いてます。死に戻りとはいえその都度痛い思いするのは気の毒、主人公早めに強くなれるといいなぁ。ご多忙とは思いますが、…
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