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書庫と異世界と悪夢  作者: 橋下悟
第二章 近衛騎士
39/44

39話

クロイソとの話でわかったことがいくつもある。

まず俺のレベルが低いことだ。


今レベルは18。

一般的な兵士の平均は20。

だから本来チギーのレベルはそこまで低くはないはずだ。


しかし、近衛騎士の平均レベルは30。

普通新入りでも25はあるらしい。


チギーは相当訓練しているが、それでも低い方だな。


俺はここまでの話で推測をする。

もし、『罠師』と同じシステムなら、個人でレベルアップの条件が変わってくるはずだ。

条件が合わなくても多少はレベルが上がるらしいが、マガタなんてレベル3だったからな。


チギーのレベルはマガタほど低くはないが、それでも一般的な兵士より低い。

訓練でレベルを上げているようだが、おそらくそれがこいつ個人に合っていないのだろう。


では、訓練以外ではどうだろうか。

魔物を倒してのレベルアップ。

どうやら『近衛騎士』の中にも魔物は存在するようだ。

そしてチギーのこれまでの人生で魔物を倒していないということはないだろう。


ということは、別の条件……

気になるのは本のタイトル『近衛騎士』だ。


よくわからんが『近衛騎士』って護衛する騎士ってことだよな。

スーナを守っていけばレベルが上がるとか?


『近衛騎士』を攻略するならレベルアップは必須だ。

いろいろ試して効率の良いレベルアップ条件を見つけなければならないな。








「どうしたぁ!!」

ガキンッ!!

近衛騎士長キヌガルに吹っ飛ばされる。


ズザァッ!!


「防戦一方ではないか!?

 もうよい!!

 次の者!!」

「はぁ……はぁ……」

しんどい……


確かに防戦一方だ。

こんなのに反撃しろったって無理がある。

それに、この本のタイトル『近衛騎士』。

前衛ではあるが、防御系の前衛だと思う。

タンクのような役割じゃないかと予想している。


だから今日はひたすら防御に徹した。

防御でレベルが上がる可能性があるからだ。

盾を使っての防御もそうだが、回避も試みた。

しかしダメだ。

全くレベルが上がらない。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

俺は足を引きずって少し離れる。


「おいおいおい……」

先輩騎士のクロイソが駆け寄ってくる。


「何やってんだよ、反撃しなきゃレベルも上がらないだろ」

「はぁ……はぁ……」

どういうことだ?

反撃でレベルがあがる?

俺の予想は間違っていたのか?


「今日の訓練はこれで終わりだ。

 明日から遠征に入る。

 しっかりと休息を取るように!!」

「「「はい!!」」」

マジで疲れた。

なんだこれ……


「チギー!!」

「は、はい!!」

キヌガルだ。


「お前は残れ」

「はい……」

うわぁ……居残りかよ。


他の近衛騎士たちが訓練場をあとにする。

説教か?

追加の訓練か?

どっちにしろめんどくせぇな。


「明日の遠征、お前を前線に立たせレベルを上げるつもりだった……」

「はい……」

遠征……

そうだ。

チギーたちは定期的に訓練で遠征をしている。

森林へと魔物を倒しに行くのだ。


「が……」

「………………」


「今日のお前の動きでは無理だ。

 危険すぎる」

「………………」


「今の動きでは、後方に控えるだけでも危険が伴う。

 よって、明日からの遠征には連れて行けない」

「はい……」

まぁ仕方ない。

それに本の中では、遠征に行って強くなったような描写も無かった。

レベルアップも期待できないだろう。


本のチギーとは何か別の行動を取らなければならない。

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