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書庫と異世界と悪夢  作者: 橋下悟
第一章 罠師
21/43

第21話

あれだな。

やっぱこういうとこは夢だな。

スクワタの首を切り落としたわけだが、まるで現実感がない。


レベルというものが、大幅に身体能力を上げていることも関係あるだろうな。

だって自分の動きに現実感がないもん。


それからスクワタもそれなりにレベルがあったとは思うが、まず戦闘系じゃないだろう。

内政系ってのもありそうだし。


「ギンジョウ!! すぐに来い!!」

俺は扉を開け、ギンジョウを呼ぶ。


「何事ですか!?」

ギンジョウ以外の兵士もやってくる。

さっきの兵士もいる。


「これは!?」

「おい!! こいつを捕らえろ!!」

兵士たちが騒ぎ出す。


「騒ぐな!! こいつは税金を横領していた!!」

兵士たちは固まる。


「おい、スクワタの寝室を調べてみろ」

兵士たちは、固まっている。

どうすればいいのかわからない様子だ。


「これはこれはマガタ様」

こいつはスクワタの側近だな。

いつも近くにいた……気がする。


「証拠もなしにこんなことをすれば、罰されるのはあなたの……」


スパッ!!


俺は一瞬で首を切り落とす。

こいつらも大して強くないな。

ここの兵士もヨネィザたちがいなければ雑魚だ。


「さっさとしろぉ!!」

俺は怒鳴り上げる。


バタバタと兵士たちがスクワタの寝室へと行く。


「ギンジョウ、俺たちも向かうぞ」

「マガタ様……」

ギンジョウの顔色も悪い。

まぁいきなりぶっ殺してしまったからな。

これで証拠がなかったらアウトか?


「おい、そこだ。暖炉の薪を全て出せ」

俺は兵士に命じる。


「その奥に扉があるだろ」

「あ、ありました!!」











翌日。


「お前、スクワタの横領を知ってたんじゃないのか?」

「い、いえ!!」

俺は役人を問い詰める。

まぁあれだけの規模だし、一人ではできない。

ほとんどの奴は知ってたんだろうな。

そして、そのおこぼれももらっていたはずだ。


こいつら一人一人の屋敷はでかいし、金も持っているからな。

役人の中には俺を殺そうとするものもいるだろうが、ギンジョウがそばにいるから、それも無理だ。


「まぁこれからの働きと態度次第だな」

全員ぶっ殺してもいいが、それだとこの街の政治や税についてわからなくなってしまう。


「少しでも怪しいやつがいれば、見せしめに公開処刑も悪くないな……」

俺は役人に圧力を与えておく。


「な、なんかマガタ様、本格的に人格が変わっちゃったっスね」

カホクが完全に引いている。


「す、素晴らしいお働きでございます」

逆にギンジョウは感激している。


「邪魔なスクワタとか役人もいなくなったし、改めてヨネィザを雇っておこう」

ギンジョウとヨネィザは必須戦力だからな。

早めに確保しておきたい。


「それからスクワタの財宝は全て父上に送る」

せっかくの金だが、俺が使うことはできない。


しかし、役人どもの蓄えている財産は別だ。

奴らから絞った分の金は街の防壁に使う。


北の荒野。

あそこに大岩を大量に仕掛ければ、魔物の勢いを抑えられるはずだ。


「………………」

あれ?

北の荒野に岩を並べさせようと思ったのだが、発言できない。


「………………」

「マガタ様?」

ダメだ。

ネタバレ禁止ってわけか。

魔物が北から大量にやってくるわけだが、それを他の人間に知らせることができない。

そして、知らせることができないだけでなく、魔物が来る方面での対策も指示できないってわけか。


まずいな……

せっかく金が手に入るってのに、有効に使うことができない。


「仕方ない……手に入った金で街の周りに外壁を作ってくれ。

 北から順番に……」

これは言えるんだな。

じゃあこれはどうだ?


「特に北の防壁を強固なものにしてくれ」

これも言えるのかよ。

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