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書庫と異世界と悪夢  作者: 橋下悟
第一章 罠師
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第11話

「これで終わりか?」

大型のネズミのような魔物がほとんどだ。

あとは、コウモリの魔物がいたが、こいつらは【落とし穴】にはひっかからなかったな。

「まだ中にはかなりの魔物がいます。出てこない魔物も残っていますね」


「魔物の数は?」

「100はいない、くらいでしょうか」

「マガタ様どうされます? 出直しますか?」

ギンジョウが心配してくれる。

こちらの人数は6人。

おそらく俺以外のメンツは余裕だろう。


しかし、つい最近まで俺はレベルが3で非常に弱かった。

ギンジョウは俺がやられてしまうことを心配して言っているのだ。

だが今の俺のレベルは18。

さっき落とし穴に落としまくったので、大幅にレベルが上がっている。

罠にはめるだけでレベルが上がるのは大きい。

一度作った落とし穴に、次々に魔物が入った場合、それらすべてがレベルアップにつながるのだ。


「大丈夫だギンジョウ。レベルが上っている。このあたりの雑魚なら一人でも戦える」

「はい。承知しました」

口では承知したと言っているが心配しているようだな。


「それに試したいこともあるしな……近くに魔物はいるか?」

「もう少し進んだところにいますね」

索敵を使えるバナッザが答える。


「近くに来たら教えてくれ」

「はい」



「います」

少し進むと、バナッザが教えてくれる。

それほど進んではいないが、洞窟の中は移動が遅い。

「10mほど先に、おそらくスケルトンですね」

「了解」

なるほどな。

スケルトンじゃ、煙で燻っても出てこないわけだ。


「ちょっと待ってくれ」

俺は壁に手を当てスキルを発動させる。

フフフ……

先程のレベルアップで新しいスキル【ウォールプレス】を習得した。

壁に向けて発動するスキルのようだ。

とりあえず3つくらいでいいか。

これは……【落とし穴】と違って、MPが残っていても無制限に設置できるわけではないな。

3つで限界だ。

そして、発動は任意のタイミングだ。

【落とし穴】は一度設置して放置すれば勝手に罠に掛かるが、【ウォールプレス】は自分で発動させなければならないようだ。


「なるほどな。ギンジョウ、スケルトンをここまで誘導してもらえるか?」

「承知しました」

ギンジョウが単騎で奥へ行く。


ガシャガシャ……


スケルトンは2体か?

奥からギンジョウを追ってやってくる。


今だ!


俺は【ウォールプレス】を発動する。


ドガッ!


壁が勢いよく押し出され、スケルトンを押しつぶす。


メキメキメキ……


「おぉ! すげぇっす」

「フフフ……」

カホクが関心する。

壁の圧力によって、スケルトンが押しつぶされる。

「ん?」


ボロボロ……


せり出た壁が崩れ落ちる。


「げ……」

スケルトンを仕留めきれていない。

「お任せを!」

ズバッ!

ヨネィザが俺の前に出て、素早くスケルトンを仕留める。


「た、助かった」

クソ……威力は低くなかったし、【ウォールプレス】は骨を押しつぶすから、スケルトンの弱点ぽかったんだけどな。


「スケルトンは中級の魔物です」

「了解、結構強いのね」

一度発動しただけでレベルが上がっている。

スケルトンが強いからか?


この洞窟内でできるだけレベルを上げておきたいところだ。



「よし! 仕留めきったな」

レベルが上がってきたせいか、【ウォールプレス】の威力が上がっている。

一撃でスケルトンを倒せるようになったのだ。


「しっかし、かなり奥まできましたね」

カホクが言う。

「それにしても、マガタ様。迷いが無いようですが、道を知っていらっしゃるのですか?」

ヨネィザが聞いてくる。


「完全ではないがな。少し調べてある」

「いつの間に」

ギンジョウが感心している。


「…………います」

バナッザが俺たちを静止する。

「大型です」

大型って……マジか。

ボス戦なんて聞いてないぞ。

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スキルは勝手に覚えるタイプなんやな。
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