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異世界大迷宮資源探索活動記録

作者: シン



 目が覚めると、そこには死神が大鎌を構えて立っていた。


 死神は大鎌を振り降ろした。

 俺はとっさに左腕で大鎌から首を庇った。

 大鎌の軌道は逸れ、左腕が切断された。

 鋭い痛みが全身を駆け巡る。


「イッ!!」


 痛がってる場合じゃない!

 とにかく逃げないと!



 俺は逃げた。


 訳もわからず、死神から攻撃を受けている。


 何が起こった?


 ここはどこだ?


 黒いボロボロのローブを着て、白い仮面を付けた怪人に襲われる状況とは?


 わからない。


 薄暗い、迷路の様な通路をガムシャラに走った。

 左腕を止血してる暇は無かった。



 走って、走って、やっとその先に青い光の柱が見えた。


 きっとゴールだ。


 助かった。


 そう思った瞬間、死神が投げた大鎌が左足を切断した。


「!!」


 バランスを崩した俺は、地面を転がった。


 痛い。


 痛い。


 イタイ。


 俺は寝転がった状態で手を伸ばした。

 青い光まで数メートル。


 必死に這いずって、青い光に指が掛った。


 光に同化し、転送される刹那、大鎌が俺を通過した。




 俺は逃げ出す事に成功した。




 この世界は終焉を迎えた。

 数百年前に大きな戦争が起こり、世界は荒廃した。

 森は枯れ、海は干上がり、ほとんどの生物は死に絶えた。

 しかし、生き残ったわずかな人間達は資源を得る方法を編み出した。

 大迷宮から資源を持ち帰るのだ。



 大迷宮から資源を持ち帰るのは困難極まりない。

 光に入るとそこは別世界。

 そして、入る毎にステージが違ってる。

 孤島だったり、雪山だったり、砂漠だったり、様々だ。

 資源の有るステージに当たった時に、そこに住み着けば良いと誰もが思うだろ?

 でも、同じステージに留まれる時間が限られてる。

 1つのステージに留まれる時間は1時間だけだ。

 丁度1時間経つと、死神が現れる。

 死神は半端なく強い。

 そして、時間が経過すれば数が増えていく。

 1時間以上居座る事は不可能だった。


 毎日、何回も青い光をくぐり、資源の有るステージを探す。

 資源のあるステージに当たったら、大急ぎで回収し1時間以内に戻って来る。

 生きる為だけに生きる日々。

 いつ資源が切れるかもわからない、運頼りの生活。

 特に左足と左腕が無い俺には、辛い日々だった。



 いつもと何ら変わりのない、希望の無い日が続いてく。



 資源探索活動5476日目

 その日は珍しくついていた。

 呼吸用のマスクからくぐもった声を出す。


「バルド。帰ったぞ」


「収穫は?」


「水だ」


「よくやった。で? どの位ある?」


「マジックバッグ3つ全部だ」


「…………。で? 本当は?」


「いや、マジの奴だ」


「本当に?」


「本当だ」


「…………。毒でも入ってるのか?」


「飲んでみた。たぶん大丈夫だ」


「ヒャッホー! ヤーッタゼー!!」

「タンクが空になる寸前だった。ホントに危ないとこだったぜ。ありがとな、トイ」


「残り少ない寿命がちょっと延びただけだ、そう喜ぶな」


「スカしてんじゃねえ。お前が持って帰ったんだろが!」


「…………。今日はもう一回潜る。マジックバックの水をタンクに移しといてくれ。代わりのマジックバックは使えるか?」


「陰気な奴め。2つで良いか?」


「ああ、行ってくる」


「気を付けてなー」


 俺は後ろに手を振って、大迷宮に向かった。


 死神に左足と左腕を切断された俺は、バルドに拾われた。

 それ以来、奴の手伝いをして何とかやって来た。

 バルドは頭が切れる。

 終焉を迎えたこの世界で、手に入れた資源を守るには、腕っぷしだけでは足りない。

 バルドは限りある時間を犠牲にして、俺の止血をした後、看病をし、義足を作ってくれた。

 左腕はそのままだ。

 隻腕って奴だな。


 当時の俺に頼れる人間なんていなかった。

 俺はバルドに頼み込んだ。

 助けて欲しいと。

 恥も外聞も無かった。

 必死だった。

 土下座する俺に、バルドは言った。

 『大迷宮に潜る相棒が死んだ。お前に替わりは務まるか?』

 俺は務まると言い張った。

 以来、15年間、俺は資源を持ち帰り続けてる。


 大迷宮の入り口は、広場の中央にある神殿の、地下にある。

 青い光の柱は7つ。

 出る場所は完全にランダムだ。

 法則性を探ろうと、10年ぐらい出る場所のメモを取ってバルドが解析したが、結果はノーだった。

 例え法則性が有ろうとも、俺達にはわからない。


 青い光の中に入る。

 光の中から外に出る。

 光が消える。


 砂漠だ。

 ハズレ。

 光の中から出ると再使用するのに5分必要だ。

 5分間は光らない。

 転送されない。

 この5分ルールを考えた奴はクソだ。

 大迷宮の5分だぞ。

 はぁーーー。

 奴等が来る。

 俺はタイマーを設定した。

 5分で音が鳴る。


 俺は右手にラウンドシールドを構えた。

 構えたままバックステップ。

 砂の中から、尻尾が飛び出てきた。

 やっぱり出やがった。

 キラースコーピオン。

 猛毒を持った馬鹿でかいサソリだ。

 尻尾の毒を喰らうとその部分が数秒で壊死する。

 そういう毒らしい。

 ちなみに、俺は喰らった事が無い。

 喰らってたら、死んでいる。


 サソリ野郎が砂の中から姿を現した。

 いつもの奴より1周りデカい。

 だが、1匹だけだ。

 なんとかなる。

 ハサミが右、左、右と切り裂きに来る。

 俺はラウンドシールドでガードした。

 この盾はマジックアイテムだ。

 ミスリル製で、付与魔術で耐久性を最大まで上げてある。

 まず壊れない。

 ハサミと尻尾の連続攻撃を全て盾で防ぎ、時間を稼ぐ。

 感覚で解る。

 後、3分。

 2分。

 1分。

 ピピ、ピピ、ピピ。

 やっとだ。

 じゃあな。

 あばよ。

 俺は青い光の中に入った。



 神殿に戻って来た。

 ふぅーー。

 しばらく休憩だ。

 噴き出た汗をタオルで拭う。

 

「トイ。どこだった?」


「ハロルドのおっさんか。砂漠だ」


「成果は無しか? 残念だったな」

「ところで、水が手に入ったって?」


「耳が早いな。交換はバルドと交渉してくれよ」


「長い付き合いだろ? 口きいてくれ」


「長い付き合いだろ? 俺が何言うか解るよな?」


「わかった。言ってみただけだ」

「じゃーな。5分経ったから行くぜ」


「ああ、死ぬなよ?」


「心配したフリかよ。お前のそういうとこ、嫌いじゃ無いぜ」

「行ってくる」


 ハロルドは光の中に消えた。


 俺はどうしよう?

 まだ潜るか?

 俺はコインを指で上に弾いた。

 掌で受ける。

 表が出た。


 次は俺の番だ。



 次に出たのは、迷路だった。

 15年ぶりだ。

 左足と左腕が疼く。

 バルドが言うには、迷宮は“アタリ”だ。

 マジックアイテムが良く見つかるらしい。


 俺は生活魔法の『ライト』を使い、周囲を隅々まで照らす。

 迷路には、ビッグラットが出るらしい。

 カピバラみたいなデカい奴だ。

 肉食で獰猛。

 こいつは倒せる。

 実際に見た事は無い。

 バルドから聞いた知識だ。

 背中の短槍を片手で構える。

 自動でマッピングされる魔道具の地図を口で咥え、少しずつ通路を進んで行く。


 光が見える。

 通路の先に光源が有るらしい。

 警戒しながら進む。

 部屋の様な場所に入った。

 光る天井だ。

 魔道具でも埋め込まれてるのか?

 部屋の中央に、棺? があった。

 槍を脇に置き、上蓋を横にズラす。

 ズズズとズラすと、女性が寝ていた。

 美人だ。

 何故か見覚えがある気がする。

 俺は15年前より以前の記憶が無い。

 自分の年齢も、ざっくり40歳位としかわからない。

 以前に会った事が有るのか?

 女性を抱き起す。

 呼吸は穏やかだ。

 生きてる。


「おい! 起きてくれ! おい!」


 俺は女性の頬を軽く叩いた。


「ん? ああ、レイか。おはよう、レイ」


「レイ? 俺の事か? 良いから起きてくれ」


「レイ、随分老けたみたいね。元気にしてた?」


「人違いじゃ無いか? それより動けるか? 移動したい」


「せっかくの再会なのにせわしないわね。わかった。起きるわ」


 彼女は起き上がった。

 身長がある。

 俺と同じ位か。

 175㎝位。

 金髪で碧眼。

 彼女を見ても、美し過ぎて性欲が起こらない。

 俺はその自分の浅ましさにため息が出た。

 

「ハァー」


「なんのため息?」


「言いたくない」

「あんた名前は?」


「レイ、正気? 私よ?」


「正気だ。で?」


「もう、アリアよ!」


「アリア、アリアね。俺は15年前、このステージにどこからか流れ着いた漂流者だ」

「それ以前の事は覚えが無い、俺の事を知ってるのか?」


「漂流者、漂流者か。上手い事言うのね」

「比翼の証は持ってるわよね?」


「どんな奴だ?」


「これよ」


 それは表にはつがいの鳥、裏には六芒星が描かれたコインだった。


「同じのを持ってる。何故か捨てられなかった」


 彼女は笑顔になった。

 

「捨てられなかった、か。久しぶり、相棒」




 あの後、ビッグラットを何匹か殺し、死骸をマジックバックへ放り込んで、大迷宮を出た。

 彼女は上機嫌で俺に付いてきた。

 彼女をバルドに会わせる。

 

「バルド。帰ったぞ」


「ああ。お、お前! その女はどうした⁉」


「大迷宮で拾った」


「拾ったって……。おい! ジョーダンは止せ! そんな訳無いだろ!」


「これもマジの奴だ。彼女は昔の俺の知り合いらしい」


「…………。もうすぐ夜だ。話は中で聞く。あんたも入ってくれ」


「ええ。お邪魔するわ」


 バルドとアリアはすぐに仲良く成った。

 彼女も頭が切れるらしい。

 バルドと気が合う様だ。

 俺は安心すると同時に嫉妬していた。

 彼女は美人だ。

 俺は良い年だが、まだ枯れて無いらしい。


 彼女はこの世界について詳しく聞いてきた。

 空気が薄く、呼吸もままならない資源の無さに驚いてた。

 だが、驚いてたのはこっちも同じだ。

 彼女は空気の薄さの話をするまで、その事に気付いてなかった。

 彼女は不思議な力を持っている様だった。

 

 彼女は自分の事を積極的に話さない。

 何故か俺の事も言いたがらない。

 理由を聞くと、『まだその時じゃない』と言う。


 まあいい。

 彼女も俺と同じで他に行くところが無い。

 信用出来そうな仲間が増えた。

 そう安易に考えていた。


 


 次の日。


「レイ、貴方の傷を見せてくれないかしら?」

 

「俺はトイだ。傷って左腕の奴か?」

 

「ええ。見せて」


 俺は左腕の包帯を取って彼女に見せた。

 

「触っても?」


「ああ、もう痛くない。15年前の傷だ」


「『ハイ・ヒール』」


「ま、待て! もう使ったのか?」


「それ、上級回復魔法だろ!? 何故使える!?」


「貴方、鍛錬が足りないわ。鈍ったわね、レイ」


「鈍ったって? 俺は以前『ハイ・ヒール』を使えたのか?」


「当り前じゃない。『伝説のSSS級冒険者レイ』」


「なんだ? SSS級って。それより、このマナの薄い世界で上級魔法って相当だぞ!」


 話してる間に左腕が生えていた。

 俺は左手を、グー、パー、グー、パーと動かして、反応を確かめる。

 完全に治っていた。


「今義足を外す、足も頼む」


 義足を外すと、彼女が魔法を使ってくれた。

 左足も完全に回復した。


「あんた、凄いな」


「ふふ。褒められた」


「あんたは他に何が出来るんだ? 俺はこれから資源探索に行かないといけない。あんたは手伝ってくれるか?」


「私は基本的な武術の他に、魔法が使えるわ。魔法使いなのよ。もちろん手伝うわ」


「魔法使いね。魔術師じゃ無くてか?」


「ええ。魔法使い」


「大きく出たな。使える魔法の系統は?」


「苦手な系統は無いわね」


「なんでも使えるって事か!?」


「ふふ。大抵は」


「信じて良いんだな?」


「もちろん」


「回復魔法と状態異常解除魔法が使えるならそれで良い」


「じゃ、ついて来てくれ」



 バルドに事情を説明し、大迷宮に潜る事に成った。

 足と腕が回復した俺を見て、バルドは驚いてた。



 大迷宮に着いた。


「じゃー行ってくる」


 俺は光の中に入ろうとした。


「待って、レイ。手を繋いで」


「アリア、手を繋いでもダメだ。別々のステージに転送される」


「いいえ、そうならない。比翼の証があるもの」

「手をだして」


 俺は彼女の手を握った。


「いいさ。ダメ元だ」


 彼女は笑顔で返した。


 


 その日から俺達の資源探索活動は一変した。


 大迷宮には1人ずつしか入れない、それが常識だった。

 比翼の証を持ってる者同士だと、一緒に入れるらしい。

 手を繋げば同じ光で移動する事が出来る。

 探索効率が格段に良くなった。


 アリアの魔法は、どのステージでも役立った。

 雪山、ジャングル、砂漠、孤島、荒野、草原、どのステージにも対応出来た。

 加えて、俺も左足と左腕が回復してる。

 移動が大分楽になり、魔物から攻撃を受けても防戦一方になる事が減った。

 戦闘は俺が時間を稼ぎ、アリアが大型魔法を使うと大抵片付いた。


 戦闘で困らなくなった。

 資源探索は、順調に進み、何年かぶりに蓄えが出来た。


「レイ。今日は潜らなくても良いのよね?」


「ああ、たまには休みも良いだろ。なんか用か?」


「用かって、私達恋人同士だったんだけど…………」


「初めて聞いたぞ! それはスマナイ」


「もう。まあ、いいわ。時間も出来たし、貴方の事を話しとく」


「やっとか。それで?」


「貴方は『SSS級冒険者』だった。言ったわよね?」


「ああ、で?」


「貴方は弱くなったわ、基礎を忘れてしまってる」


「まあ、アリアの方が強いかもな」


「基礎を教えるわ」


「それって、時間が掛る奴か?」


「貴方ならきっとすぐよ」


「わかった。どうすれば良い?」



 大気中のマナ集め、体の中の気という力で制御して操る、神術という技術が有るらしい。

 大気のマナを集める魔術師の技法と、気を操作する格闘家の技法の複合技術らしい。

 聞いていると複雑そうな応用技に聞こえるが、これが基礎という事だ。

 大気のマナを集められないのは、単純に倒した魔物の数が足りてないらしい。

 魔物を多く倒すと、集める容量が増えていく。

 俺は記憶を無くした時点で、その力がリセットした様だ。

 そして気だ。

 気は自らの内に秘める力だ。

 精神を集中し、力の源を探す。

 大抵、へその少し下側のお腹の奥、丹田に有るらしい。

 気の操作は概念を知ればすぐに出来た。

 昔の俺が神術を使えたというのは本当なのだろう。

 言われただけで感覚を掴めた。


 訓練用の木刀を持って、木刀を気で覆うイメージをする。

 そして、木刀を岩に叩きつけた。


「ガギッ!!」


 木刀は岩に突き刺さった。

 岩を粉砕するまでには至らないが、かなりの威力が出た。

 この強力な力を、全て制御に回すのか。

 大気から集めるマナは、単純にこれより効果が大きいのだろう。


「アリア、気は使えそうだ。俺は強く成らなきゃいけないんだな?」


 笑顔で彼女は言う。


「ええ、その通り。やることがわかって来たわね」


「あんたは俺の相棒だった」


「ええ」


「俺はどうしてあのステージにいた?」


「…………」


「あんたは俺を追いかけて来たのか?」


「…………」


「比翼の証はどうやって手に入れた?」


「答えられないわ」


「答えを知ってるって事で良いんだな?」


「…………」


「この世界はどこか不自然だ。あんたは納得してるか?」


 彼女は笑顔だ。


 正解に近づいてるらしい。


「とにかく、神術を使える様に成る事が必要なの」


「わかった。あんたを信じる」




 2年後。



 資源探索活動6207日目。

 俺は神術を完全に扱える様になっていた。

 運動能力が飛躍的に向上し、反射神経や知覚系統の性能も向上した。


「準備は整ったか?」


「ええ。おそらく」


「で? どうするんだ?」


「この世界は終焉を迎えた。貴方が救世主なら、この先どうする?」


「なるほど」


「そうすれば、全てが終了するんだな?」


「そうね」


「なら、簡単だ」




 大迷宮に向かう。

 生きるのに丁度いいステージを探す。

 すべては大迷宮に在る。


 何回目かの転送で、生活するのに適した島を見つけた。

 大迷宮の周りの人間が住むのに丁度いいだろう。

 

 時間が来る。

 1時間だ。

 もうタイマーは必要ない。


 死神が出なくなるまで倒し続ける。

 このステージを手に入れる。

 



 俺達は生きるんだ。

 




 ―――。



 死神の鎌が俺の首を狙う。

 俺は左の盾で鎌を上に弾いた。

 右の剣を死神の胸に差し込む。

 致命傷だ。

 死神は黒い霧に成って、剣を差し込んだ穴に吸い込まれる。

 後にはコインが1枚残された。

 その間に2体増えている。

 1体の連続攻撃を俺が、もう1体の連続攻撃をアリアが防ぐ。

 俺は盾で、アリアは水の魔法障壁で防いでいる。

 俺は盾で押し返し、死神の体勢を崩す。

 アリアは俺の前の奴と自分の前の奴を1度にレーザーの様な熱線で切り裂いた。

 1体は真っ二つになる。

 俺は瀕死のもう1体の首を剣で切り落とした。

 その間に更に1体増えている。

 戦いは絶え間なく続く。



 ―――。

 



 死神との戦いは15日間に及んだ。

 こうなる事はわかっていた。

 手軽に飲める栄養ドリンクを用意して戦いに挑んだ。

 不眠不休だった。

 

 5分で1体追加される。

 15日間で4320体程になる。

 途中で数えるのを止めたので、正確にはわからないが、そうなる筈だ。

 そして、死神は比翼の証を落とした。

 1体につき、1枚。


 


 その後、街の住人を説得し、死神を倒したステージに移動させた。

 移動には死神が残した比翼の証を持たせた。

 コインは十分足りた。


 

 残るは俺達2人だけ。

 俺はアリアの手を握る。



 

 2人で青い光の中に入った。


 

《The another world big maze 100階層が攻略されました。》


《The another world big maze が 完全攻略されました。》

 

《Player:レイ、アリア に祝福を!!!!》





 俺達2人はThe another world big mazeという世界的VRゲームのトッププレイヤーだった。


 最終階層の攻略ではパートナーの手助けに制限が掛る。



 資源探索活動6225日目。

 俺達2人は誰も成し得なかった、大迷宮完全攻略を果たした。


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