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思い出す若気の至り的なアレ  作者: しろんちゅ
1/3

渡部瑛太の場合 前編

高校2年生。

進路、親、友達、先輩、後輩…そして恋。

俺は一番しがらみの多い年代に突入してしまったのではないか。

と、俺こと渡部瑛太は独白する。


特に最後の、[恋]というものは非常に厄介で、自分にはとても手に負えないということしかわからない。


「おーい瑛太! 飯食いに行こうぜ」

「オッケー! 今いくよ!」

ただでさえクラスで浮かないように努めることで手一杯なのに……。


ここで自己紹介しておくと俺は渡部瑛太、一言でいうとキョロ充ってやつだ。

人と一緒にいることに楽しさを感じ、独りになるくらいなら舌を噛みちぎるのも辞さない覚悟だ。

友達が増えるなら何だってやった。

しかし、ひとつだけ_________


「瑛太? 聞いてる?」

「あっ ごめん なんの話?」

「だから俺の彼女がさー」

「いや、お前が束縛しすぎなんじゃん?」

「はぁ? あそこは男らしく行かなきゃダメだろ!

お前だって最近彼女とあってねーじゃん」

「俺はいいんだよ あいつのこと信じてるから」

「お前らのろけなら他でやれよ! なぁ瑛太」

「だよな! 俺らが悲しくなってくるじゃん」


またこの話だ。

俺が今いるのは俗にいうリア充グループというやつだ。

大体の会話の内容は週末の予定か異性関係である。

しかし、後者の話は俺が大の苦手とするものだ。

それというのも俺は生まれてこのかた、異性との交友関係を全くと言っていいほど築いてこなかった。

要するに、女子と話すのが苦手なのである。

しかしこんな俺にも気になる女の子という人はいる。



冬休みを目前に控えた我がクラスでは消化試合同然の4限が終わり、各々が仲の良い友達と机を寄せあって昼食をとっていた。

その時、瑛太の目は無意識にある人物の姿を追っていた。

(あいつ、また一人で食べてる)

それはいつもクラスで馴れ合うことを頑として拒絶している女の子、笹木美央であった。

ある意味孤高とも取れる彼女の態度に、瑛太は自分とは違うものを感じ、密かに心惹かれていたのである。


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