表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バカダンジョン!  作者: チャンスに賭けろ
ローズ・ダンジョン
9/18

ブレイン5

・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。

・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。

・ダー: ドワーフの戦士。白髭で基本ボケ役。

・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。

・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。

・エリス: 人間の女僧侶プリーステス。かなりの天然。

地下2階は浅い階だけあって、敵よりもむしろ冒険者同士が出会う確率の方が多い。

あちこちで「おや、はじめまして」

「いえいえこちらこそ」

「道中お気をつけて」などと、出会ったパーティーの社交辞令がかわされている。


「ああ、浮世はわずらわしい。早くもっと階下へ行こう」


「ラッシュってそんな厭世的だったっけ?」


フロウがふしぎそうに金色の髪をかしげる。


「厭世的じゃなく、地下は非日常の世界だぜ。つまり俺のバトルフィールド。地上と同じようなニコニコ挨拶なんてしたくないんだよ」


「どこでも挨拶は大切ですよー」


そうエリスがたしなめたところだった。


「やあ、ごぶさたしてます。ラッシュとその他のご一行さん」


と、声をかけてきた5人の冒険者パーティーがいる。


「誰かと思えば『ブレイン(ファイブ)』の面々ですね。こちらこそご無沙汰しています」


エクセが応えると、ブレイン5の女魔法使いが顔をポッと赤らめる。

この濃いメンバーのせいで忘れがちだが、エクセの容貌は際立って秀麗なのだ。


「しかし、お前らあれじゃのう。久々に見るとやっぱり・・・」


ダーがあきれたように見やる。ブレイン5のメンバーは、男の戦士2人、女戦士1人、ニンジャ1人、女魔法使い1人という、非常にかたよったチーム編成になっている。


「・・・どっちかというと『脳筋(ファイブ)』じゃな」


「そんな、ひどい!」


「わ、私は脳筋じゃありませんよ!」


女魔法使いが抗議の声をあげる。


「じゃあ脳筋4かのう」


「私の存在を消さないで!」


「わかったわかった。それなら『脳筋4/With魔法使い』でどうじゃ?」


「どうじゃ、とそんなドヤ顔で言われましても・・・・」


「しかも、WITHウィズ 魔法使い(ウィズ)』で韻を踏んで洒落おつじゃ」


―――沈黙が降りた。


「そんな・・・・寒い・・・」


「寒いとはなんじゃ、せっかくのナイスアイディアを!!」


ドワーフと女魔法使いが口論している隙に、フロウがブレイン5の戦士に話しかけた。


「ところでさっき、ごく自然にラッシュとご一行といわれてましたが・・・」


「ああ、そういう登録名になったのでしょう?」


冒険者は出入り口に設置してある窓口に、参加人数とチーム名を提出する義務がある。

出るときも窓口に報告をする。そうしないと行方不明者が出たときにこまるからだ。


「ラッシュ! 珍しく真面目に書類を書いてたと思えば、バカみたいなチーム名にして!」


「バカみたいとは何だ! ラッシュとその他一行とは、そのまま言い得て妙なチーム名じゃないか!」


「妙なのは君の頭の構造だよ。いつリーダーになったの!」


「そーですよー、『エリスと愉快な仲間達』に変更すべきですー」


口をとがらせてエリスも加わる。


「いや、『ダー・ヤッケンウッフ』できまりじゃ!」


「それはお前の単なるフルネームじゃねえか。何が決まりだ!」


「アビーの腹筋にちなんで、シックスパックはどうですー?」


「アタシを巻き込むな! というかアタシは腹筋だけの女か!」


「あ、あの、それでは私達はここで・・・」


白熱する議論に没頭する彼らをよそに、そそくさとブレイン5は去っていった。

触らぬ神に祟りなしであった。




バカダンジョンはつづく・・・→

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ