時計
・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。
・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。
・ダー: ドワーフの戦士。白髭で基本ボケ役。
・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。
・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。
・エリス: 人間の女僧侶。かなりの天然。
彼らは1階から2階へと探索の場を移していた。
変化のない通路をひたすら歩いていたときである。
おもむろにラッシュがぼそりと言った。
「ここに入ってどれぐらい経っただろ・・・?」
「私の腹時計によるとそろそろお昼ですよー」
ぐーとお腹を鳴らすエリス。
「地上だと時間が分かるんだけどな」
「町には大きな日時計がありますからね」とエクセ。
「しかし、あれも曇ったら使えなくなるわい」とダー。
「それが不便といえば不便ですね」
「でも、水時計もありますよー」
「ありますね。すり鉢型の大瓶へたっぷりお水を注ぐやつですね。下部に小さな穴を開けているので、水面は少しづつ下がる――内部には目盛りが記してあるので、減った水面の高さで経過した時間を計る――というシステムですね」
「どっちも時計としてはデカすぎだし、俺のポケットには大きすぎらあ」
「なんだろう・・・とても殴りたい」とフロウ。
「ほかに火時計もあるじゃないですか」
「ああ、あれね・・・」
とラッシュは何故かげんなりと応える。
「ローソクに目盛り書いてー、溶けた位置で時間をはかるやつねー」
「ダンジョンに持ち歩くには、あれが最適の大きさかと」
「でもなあ。あれは結構めんどい。きっちり水平に持ち歩かないと、ローソクが傾いたら目盛りが斜めになって時間おかしなるやん?」
「お前の口調のほうがおかしい」とアビー。
「今、誰が入ったの?」とフロウ。
「じゃあ時計で最高のものってなんじゃろう」とダー。
「やっぱり腹時計ですよー」
ぐーとおなかを鳴らしてエリスが言った。
仕方ないので、とりあえずそこで昼食を摂ることにした。
もぎゅもぎゅと美味しそうにパンをほおばりながら、
「ほら、やっぱり腹時計最高でしょー」とエリス。
「・・・・認めざるをえんな」
もりもりと干し肉を噛みちぎりながらダーが言った。
それを聞いて、苦笑しつつエクセが言った。
「これって単に食欲に負けただけでは・・・」
バカダンジョンはつづく・・・→




