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バカダンジョン!  作者: チャンスに賭けろ
ローズ・ダンジョン
6/18

呪いのアイテム

・ラッシュ: 黒髪の戦士。パワーバカ、主につっこみ役。

・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。

・サンダー: ドワーフの戦士。白髭でボケ。

・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。

・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。

・エリス: 人間の女僧侶プリーステス。かなりの天然。

 次にパーティーはコボルト4匹と遭遇し、これを倒した。

 再び宝箱がころりんと手に入った。

 当然ながら、ここはアビーの出番である。

 最初は慎重に宝箱を触っていたアビーだったが、なにを思ったか、彼女は強引に箱を開き、一同をおどろかせた。


「大丈夫、今回は罠ナシだよ」


 アビーはしてやったりの表情で一同を振り返り、中からひと振りの剣を取り出した。これが今回の報酬のようだ。


「――お、やった剣ゲットだぜ!」


 ラッシュが、ガッツポーズで喜びを露わにする。

 実はこの男、剣のコレクターなのだ。

 そんな笑顔のラッシュに、アビーはちっちっと指を揺らし、


「ダーメ、これは帰って鑑定してもらわないとダメだよ」


「えーめんどくせえよ。使ってるうちに感覚も分かるって」


 と、忠告を無視して使う気まんまんだ。


「ダメだってば。もし呪われた武器だったらどうすんのさ」とフロウ。


「ほう、呪いのアイテムとは、どんな種類があるんじゃ?」とダー。


「たとえば動きが極端に遅くなったり、どんどん体力が減っていったりー。あと、体にくっついて離れないというのもありますー」


 エリスは聖職者だけに解呪の場に立ち会う機会も多く、割とくわしい。

 なお彼女自身は解呪はヘタである。


「くっついて離れないなら武器を落とさないし、逆にいいんじゃないか?」


「そう思いますー?」


 ジト目でラッシュを見やるエリス。


「町へ帰ったとき剣がくっついたままだと、どうなりますー」


「宿屋に泊まろうとして受付の人に『今晩泊まりたいんだが』といって剣を突き出すと、ただの脅迫だね」とフロウ。


「酒場でも教会でも同じですー」


「考えうるあらゆる場面で脅迫になるわい」とダー。


「たちまち牢屋にぶちこまれますよねー」


「そしてぶちこまれた牢屋内でも懲りずに剣を振り回している・・・」


「――それがラッシュという男じゃ!」


 と、サンダーはびしっとラッシュを指差した。


「逮捕されても獄中大暴れとか、俺はどんなクレイジー野郎だよ!」


「ラッシュならばやれるとワシは信じている」


「うるせえよ。その妙な信頼は何だよ!」


 ラッシュがムッとしてダーと口論している間も、なおもまだゴソゴソと宝箱を探っていたアビーが、ふいに声を上げた。


「―――珍しいね、この宝箱の底には盾も隠されてたよ」


「するといい盾かもしれませんね」とエクセ。


「ねー、これも呪いの盾だったらどうでしょうー?」と、エリス。


「くっついてるのが盾なら脅迫にはならんのう」


「むしろ身を守るのに便利かもー」


「でも、ずっと盾がくっついてるのも不便なものですよ」とエクセ。


「体を洗うとき、盾がくっついてるのはつらいね」とフロウ。


「そして牢屋内で寝るとき、自分の盾で腕枕・・・」


「――それがラッシュという男じゃ!」


 サンダーはびしっとラッシュを指差した。


「それはもういい! てか俺牢屋にぶちこまれるの確定なのかよ!!」

            ・

            ・

            ・

            ・

            ・

なお、鑑定してもらった結果、どちらもただの剣と盾でした。



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