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バカダンジョン!  作者: チャンスに賭けろ
ローズ・ダンジョン
5/18

宝箱

・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。

・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。

・サンダー: ドワーフの戦士。白髭でボケ多し。

・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。

・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。

・エリス: 人間の女僧侶プリーステス。かなりの天然。

 バトルが終わり、スケテ……スケルトンをたおした!

 スケルトン3体は白い破片となって床に散乱している。そのスケルトンの立っていた場所から、スッと出現した物体がある。

 宝箱だ。ダンジョンモンスターは、ごくまれに体からアイテムを落とすことがある。それらすべてのアイテムは、この宝箱の内部に収納されているのだ。


「見てー、宝箱ゲッツですー」


「――さて、ここからがアタシの仕事だね」


 指をポキポキと鳴らしながら、シーフのアビーが宝箱に近寄った。宝箱はただ開ければいいというものではない。大抵の場合、意地のわるいトラップが仕掛けられているのだ。

 そうした罠を解除するのに特化した職業がシーフであり、このアビーはその道のエキスパートといっていい。


「アビーって腹筋が割れててカッコいいですよねー」


 エリスがうらやましそうな口調でつぶやく。


「ウム。腹パンチしてもいいかのう」とサンダー。


「イヤだよ、殺すぞジジイ」


 言い捨てて、アビーは慎重に宝箱を探る。

 どんな罠が仕掛けてあるかわからない。

 まずは軽く揺すったりコツコツ叩いたりして罠を確かめる。


「アビー、宝箱あけるのって、どんな気持ちですー?」


「作業中に話しかけんな」


「やっぱ、何が出るかな何が出るかなって感じか?」


「だまれ。そんなサイコロ感覚で開けるアホがいるか」


「みなさん、作業のジャマはダメですよ」


 エクセの一声で、場はシーンと静まった。

 ホッとアビーは心中で吐息を漏らした。

 これで作業に集中できるな、と鍵穴を覗きこむ。


「アビー、宝箱を開けるのってどんなきも―――」


「作業中に話しかけんなっつーの!!」


 耳元で声をかけられ、怒りを隠せないアビー。


「これこれ、娘同士でケンカはいかんじゃのう」


「見当違いの仲裁をするな!」


エリスは目に涙を浮かべている。

アビーは吐息をつきながら、振りかえって諭すように言った。


「あのな、これは慎重な作業なんだ。もしこの宝箱に爆薬とか毒ガスとか仕掛けられてたらどうする? 

たちまち全滅だよ。だからアタシは全神経をかたむけてこの作業をやってる。

だからさ、この時だけは話しかけちゃダメなんだ」


「わかりましたー……」


涙目をこすりながらエリス。


「誰だって自分だけの時間は大切ですものー」


「誰がプライベートの話をしている!!!」とアビー。


「まあまあ、落ち着けアビー」とラッシュ。


「もし、仮に爆薬や毒ガスが発生しても誰もお前の事を恨みはしない」


「ラッシュ、あんた……」とアビー。


「そんなもん発生したら、全員死んでるから恨みようがないしな!」


「そりゃちがいないわい!」


ラッシュとサンダーは肩を組んでゲラゲラ笑いだした。

アビーはわなわなと震えながら言った。


「―――そういう問題じゃねえ!!!」


彼女はアビニア・バイアランジ。職業シーフ。

バカダンジョンでは数少ない、常識人枠のダークエルフだ。


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