表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バカダンジョン!  作者: チャンスに賭けろ
ローズ・ダンジョン
4/18

スケルトン

・ラッシュ: 黒髪の戦士。パワーバカ、主につっこみ役。

・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。

・サンダー: ドワーフの戦士。白髭でボケ。

・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。

・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。

・エリス: 人間の女僧侶プリーステス。かなりの天然。

 そんなこんなで、ラッシュはようやく扉をひらいた。

 内部は、正方形の部屋である。

 左右に扉がついており、先に通した冒険者たちはすでにいない。さっさとどちらかに消えたのだろう。


「私たちも、先をいそぎましょう」


 今回の旅は、地下6階まで到達するのがとりあえずの目標だ。今回、中堅の彼らが、わざわざこの初心者用ダンジョンへやってきたのは、ここでしか採れない、あるアイテムを入手するためだ。

 下へおりる階段は右の扉のほうなので、とりあえずそちらを開く。


「転送の呪文でも使えれば楽なんじゃがの」


 と、サンダーはぼやく。


「転送の魔法は、常に危険がつきまといます。座標を誤まって、壁の中で実体化でもしたら、目も当てられませんよ」


 いましめるようにエクセが言いつつ、次の扉をひらいたときだった。

 無機質なアナウンスが、室内にひびきわたった。


<<<呪われた骸骨のモンスター、スケルトン3体があらわれた!>>>


「さあバトルじゃ! 見せ場じゃ! お前ら闘え!」


「お前も前衛だろうが!」


 ラッシュ、反射的につっこむ。

 さて呪われし系の魔物といえば、聖職者のエリスの出番となる。しかし、どういうことか。彼女はあらぬ方向を見て、ボーっとつっ立っているではないか。


「エリス、なにボーっとしてるんだ!」


 苛立って、ラッシュが声をあらげる。


「まあ、今に始まったことでもないがの」


 それでもエリスは動かない。まるで石像と化してしまったかのようである。つんつんとフロウが肩をつつくと、ようやく彼女はハッと我にかえった。


「ちょっと考え事をしてましたー」


「お、お前はこんなときに……」


 シーフのアビーが呆れ声でつぶやく。


「なにを考えていたのですか?」


 杖を構え、援護体勢をととのえつつ、エクセが聞く。


「はいー。スケルトンといいますが、べつにどこも透けてないなーと考えてましたー」


「く、くっそくだらねえ……」


 アビーはそれを聞いて、悶えるように赤い髪をかき乱した。


「……スケテナイトンとでも変えますか」


「斬新な発想じゃな」


「固有名詞を変えていいものだろうか……」


<<<呪われた骸骨のモンスター、スケテナイトン3体があらわれた!>>>


「変えるな変えるな」


 もうバトルもくそもない。

 スケルトン3体も、この風変わりな連中に恐れをなしたのか、なかなか襲い掛かってこない。


「でもスケテナイトンって、語呂が悪いですー」


「おまえが言うな」


「それならば、スケテナイだけでいいんじゃないですか?」


「もう本来の意味もクソもないな」


「そう考えると、確かにトン部分はいらないのう」


「えー何をいってるんですー。トンいりますよー」


 エリスは唇をとがらせて異を唱える。


「なんでだ?」


「だって、トンってかわいいじゃないですかー」


「か、かわいいかあ?」


 ラッシュは大いに首をひねった。


「かわいいよー。ラッシュも名前をラッシュトンにしたらいいよー」


「だ、だが断る!!」


 かたく拳を握りしめてラッシュは叫んだ。

 本当にいやそうだった。

 サンダーはやれやれと首を振りつつ、フロウに言った。


「エリスは恐ろしいのう、フロウトンや」


「そうですね、サンダートン」


「アビートンはどう思う?」


「アタシにトンをつけるな、殺すぞ!」


 アビーは眼を血走らせて殺気立っている。


「エクセトンはどう思うんじゃ」


「私のフルネームはエクセリアン・ラ・ルルーランですから、そこにトンをつけるのは間違いです」


 やんわりと、エクセがたしなめる。


「じゃあ、どう呼べばよいのじゃ」


「エクセリアン・ラ・ルルーラントンといったところでしょうか」


「めんどくさい男じゃ。長ったらしすぎて、舌を噛みちぎってしまうわい」


「その点、サンダートンは単純でいいですね」


「ようし、この喧嘩、買ったわい!」


 ふたりの間に、激しい火花が散った。

 そこへ、とことことエリスが駆け寄り、


「喧嘩はよくないですー」といった。


「「誰のせいだ!!」」



※ところでスケルトンはエクセが魔法で処分しました。



バカダンジョンはつづく・・・・→


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ