龍殺し(ドラゴンスレイヤー)
・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。
・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。
・ダー: ドワーフの戦士。白髭で基本ボケ役。
・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。
・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。
・エリス: 人間の女僧侶。かなりの天然。
「ドラゴンスレイヤーって、称号の最高位だと思うんですよねー」
おもむろに例のようにエリスが語り出した。
「まあ竜を殺すものとなると、それはそうなるじゃろうな」
でもトロール殺しだってすごくないか? トロールだってめちゃ強いぜ」
それに対し、異を唱えるラッシュ。
「そ、それは確かに強いのは間違いありませんが・・・・・・・」
微苦笑を浮かべてエクセが言葉を濁す。
「でも、おれはトロール殺しだーって語呂が悪いですよねー」とエリス。
「他にもありますよね、グリフォン殺し、ワイバーン殺しとか」とフロウ。
「要するに同じ怪物をずっと倒し続けていれば、称号はついてくるものなのです」
と、エクセが説明を加える。
「でもオークスレイヤーとかゴブリンスレイヤーとか、雑魚狩り専門って感じで叩かれそうですね」
「まあ雑魚相手だろうとずっと続けていれば、職人みたいな扱いで尊敬されるんじゃね」
ラッシュの答えにフロウは納得したように頷いた。
「そうだね。他の誰よりも、称号持ちはその生き物の倒し方に精通してるんだから・・・たまにはラッシュもいい事いうんだね」
「たまにはは余計だ。この美少年め」
「それは褒め言葉じゃないのかのう」とダー。
「だけどさ。人間には別に、動物を殺した場合にも称号がつくんだぜ。『熊殺し』とか『牛殺し』『虎殺し』とかな」
「えー獣を狩るなんて、普通のことじゃないですかー」とエリス。
ちっちっとラッシュは指を横に振り、
「わかってないな、そいつらは素手で動物を殺すんだよ」
「えー素手で熊を殺すのです? それは確かに凄いですよー」
エリスはあっけにとられた顔になっている。
「一部の超達人にのみ名乗りを許された称号だな」
「では、もしもの話になりますがー」
「ふんふん?」
「その超達人同士が闘って、どっちかが勝ったらどういう称号がつくんでしょー?」
「うーん」と珍しくラッシュは悩みぬいたあげく、こう答えた。
「―――『人殺し』じゃね?」
「それはもう、単なる犯罪者ですよね・・・・」
バカダンジョンはつづく・・・・→