クイズ
・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。
・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。
・ダー: ドワーフの戦士。白髭で基本ボケ役。
・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。
・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。
・エリス: 人間の女僧侶。かなりの天然。
またも唐突にエリスが何かいいだした。
「はーい、ここでクイズのお時間ですー」
エリスの奇行はいつものことなので、特に誰もリアクションをしない。
ほとんど無言のまま、パーティーは粛々と歩いている。
もちろんそんなことでめげるようなエリスではない。
「持つだけで手が震えちゃうものってなーんだー?」
「―――はあ?」
「はいー、アビーお答えくださいー」
「えっ、アタシにふるのかよ・・・」
と、さすがに困惑気味のアビー。
「ぶぶー。時間切れー。こたえはテーブルでしたー」
「く、くだらねえ・・・くだらなすぎる」
アビーは頭を抱えてうめいている。
「はーい、次はラッシュの番ですー」
「次は俺か・・・増え続ける犠牲者・・・」
「ラッシュが大好きな武器屋さんで、すごくかっこいいぴかぴかの剣を発見しました。でもその剣は高くてとても買えません。ラッシュが物欲しそうな顔して何時間も見てたら、なにかくれましたー。さて何でしょー?」
「日が暮れた、っていうんだろ?」
「むー、ラッシュのくせに、当てるなんて生意気ですー」
ぷりぷりとエリスが腹を立てる。
「いや、それくらい分かるわ! バカにしすぎだろ俺を」
「そういうのなら、ドワーフ族にもあるわい。ちょっと長くなるがの」
ダーが横から口をはさんできた。
「興味ありますー」とエリス。
「とあるところに短気なドワーフの親子がいての。そのドワーフの父親は先祖代々から伝わるというご神木を、わが身の如く大切に守っておった―――」
「わーホントに長くなりそう・・・・」
「―――しかしそんな大切な神木を、父が留守のうちに、子供が勝手に切り倒してしもうた。父親はどうしたと思う?」
「えっ、短気なんだから、息子を・・・」とフロウ。
「これ、ひょっとしてクイズじゃなくて、ただの怖い話なのですー?」
「いや、ハズレじゃ。短気な父親は意外にも息子を許したのじゃ」
「あれ、違った。でも短気なはずなのに、なんで父親は許したんです?」
「ウム。短気な子供が、まだ手に斧を持っていたからじゃ」
「・・・・・・・・こわすぎだろ・・・・」と、ラッシュ。
「やっぱり怖い話でしたー」
バカダンジョンはつづく・・・→