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バカダンジョン!  作者: チャンスに賭けろ
ローズ・ダンジョン
11/18

怪談

・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。

・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。

・ダー: ドワーフの戦士。白髭で基本ボケ役。

・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。

・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。

・エリス: 人間の女僧侶プリーステス。かなりの天然。

ついに一行は、地下3階へと降りる階段に到着した。

「つかれたー」と一息ついたのもつかの間のこと。

現在は黙々と階段を下っているところである。


「かいだんってあれですよねー。お化けの出るお話ー」


沈黙に耐えかねたか、エリスが口を開く。


「それは怪談だな」とラッシュ。


「そもそもさっき動く骸骨と闘ってたのに怪談もなにも・・・」


「でも暑いときは怪談話がいいというじゃないですかー」


「いやそれは季節の問題であってダンジョン内で暑いも寒いも」


「いいじゃないですかー。やりましょうよー、怪談話ー」


エリスは妙に乗り気だ。こういうのが好きな性格なのかもしれない。


「アビーは何かないですかー? 怖い話ー」


「怖い話ねえ・・・」


話を振られ、しばらく考え込んでたアビーだったが、


「昔、アタシは一人で売り出そうと 躍起になっている青二才だった――」


「なにか語り始めたわい」とダー。


「どっかで聞いた話だな・・・」


「盗みにドジっちまったアタシは敵に囲まれ、一か八か崖から飛び降りた」


アビーは当時のことを思い返すように目を閉じ、


「崖の凸凹を空中で蹴りつつ、うまくクッションにして降りようとしたんだけどさ。無茶だったねえ。着地に失敗して、足の靭帯が切れるブチブチブチーってすごい音が聞こえてさ――」


「いやーーーー!!!!」


エリスは頭をかかえてうずくまった。


「それは痛い話ーー!! 怖い話じゃないーー!!」


「そうか、そりゃ悪かったな」


ぶるぶる震えているエリスをアビーがなだめる。


「怪談ならおれも一つ知ってるぜ」とラッシュ。


「ほう、意外ですね」とエクセ。


「その昔、俺は一人で売り出そうと――」


「いえ、そのくだりはいりませんから」


「―――まあ昔、おれとフロウが同郷だったのは知ってると思うが、俺達が住んでいた村に怪物の集団が現れてさ」


「あったねえ・・・」とフロウ。


「モンスターの力は圧倒的で、とても村人なんかが敵う相手じゃない。俺達も逃げ回ったけど、追い詰められて、さすがにもうだめだと思ったときだった」


「何が起こったのじゃ?」とダー。


「そこに颯爽と旅の戦士が現れてさ、それが凄まじい強さで。もうバッタバッタと怪物の集団をなぎたおし」


「ふむふむ」


「そしてお礼を差し出そうとするおれたち村民に、名乗るほどの者でもないと、マントをひるがえして去っていったその戦士のかっこよさ・・・あれこそ男の中の男だと俺は子供心に・・・」


「ちょっと待て」


とアビーが制止した。


そしてスーっと大きく息を吸うと、叫んだ。


「それは怪談かいだんじゃなく、快男児かいだんじだぁーーーッ!!」




バカダンジョンはつづく・・・・→



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