キノコ
・ラッシュ: 黒髪の戦士。主につっこみ役。
・フロウ: 金髪の魔法戦士。美少年。
・ダー: ドワーフの戦士。白髭で基本ボケ役。
・エクセ: エルフの魔法使い。常識人。
・アビー: ダークエルフの盗賊。褐色の腹筋美女。
・エリス: 人間の女僧侶。かなりの天然。
「あー、足元にキノコが生えてますよー」
食べ物となると目ざといエリスが地下に生えているキノコを発見した。
「今まで気がつかなかった。こんな暗闇のダンジョンにも植物が生えるんだ・・・」
目をまるくしてフロウが言った。
「それ、食えるのかな?」
素朴な疑問を口にするラッシュ。
そして背後にいるエルフの知識箱、エクセを見る。
エクセはにっこりして言った。
「食べられますよ、地下のキノコはほとんどが」
「やったー採りましょう、そして食べましょうー」とエリス。
「まだ階層も浅いし、そこまで食料には困ってないけど」とフロウ。
「なにを言ってるんですー、食事をいろどる食べ物は豊富なのが一番ですー」
断固として抗議するエリス。
「ところでエクセ、なぜこれが食えるとわかるんじゃ?」とダー。
「地上のキノコは風に乗せて胞子を大気中にばら撒いたりするなど、散布する方法はいくらでもありますが、ダンジョンではそうはいきません」
「基本的に風がないからな」
「だから地下のキノコは食物摂取による散布方法しか増える方法がないのです」
「食物摂取による散布というと・・・・・」
「つまり食べられた後、糞に混じって・・・」
「ええ、基本的にはそうやって増えます」
とエクセは再びにっこり。その笑顔には一点の曇りもない。
「わかってても・・・うっぷ」とフロウ。
「エリス、そのキノコは置いておくんじゃ」とダー。
「はーい、わかりましたー・・・」
驚いたことにさっきまではりきっていたエリスはまったく反対せず、従容とその言葉にしたがった。
声から落胆の色が隠せない。
どこかしら憔悴したように、一向は足早にその場を立ち去ったのだった。
バカダンジョンはつづく・・・→