「私」(2)
ゼメルは遠くからラキスが何か無いように監視しており
そして眼鏡をかけたキツめのメイドもいつものようになにか
手帳に書きている。
ゼぺルはさっき言ったとうり、自己紹介を終わるとラキスの
前に準備していた様々な武器をそろえる。合計12種類ぐらいあるらしく
自慢げそれらを並べている。
「ラキスお前が鍛えたいと思うものを手に取って持ってこい、さあなんでもいいぞ」
イスに座りながら、他の二人もラキスの行動を眺めている。
ラキスは少し考え純粋に鍛えたいと思うものを手に取っていった。
取り終えた後、ラキスがゼぺルの前に武器を置く。
持ってきたものを見て三人はそれぞれの顔を困ったように見る。
「ラキス君?鍛えたいと思ったものだよ?これ全部じゃないか」
べランドが何かに気付き、シラズの肩を叩きラキスが聞こえないところまで移動する
「どうしたんだ急に?」
「もしかしてその全部を鍛えたいんじゃない?」
よくわからないといった表情で、べランドを見る
「そんなの無理に決まってるだろうが、あんなの普通に全部使いこなせるように
なるのに20いや30年はかかるぞ。もし武器の才能があったとしても
12年じゃ流石に無理だ。それにお前が教える魔法学もこの12年で教えるんだぞ」
そこまで言い終え、一息つくとそのまま自分の思っていることを続ける。
「ラキス君がそんなこともわからないような馬鹿には私には思えない。」
「でも、現状鍛えたいって言ってるんだから仕方ないでしょ。取り合えず
まずやってみて自分で無理だとわかってからどの武器にするか決めさせましょう。
じゃないとラキス君も納得しないでしょうから。ゼパムさんもそれでいいですね?」
ゼパムは「まあ仕方ねえか」といった感じで納得する。
べランドはラキスに「ここから離れた場所で訓練するからついてきて」
と手をちゃっかり繋ぎながら誘導する。
城の中だがかなり広い面積があり、軽く1時間くらい迷子になれる。
「じゃあ、ラキス君か選んだ鍛えたい武器の中でも一番鍛えたい武器を
選んでくれるかあな?」
これはもし根を上げた時、どれを鍛えるか決めやすくするためだ。
よく考えたら、どれが自分にしっくりくるかわかるので全部試してみるのも
いいかもしれないと思い今度の本部に報告する時言っておこう考えて
いると終わったらしく並べられていた。
「どれどれ~?」
チョイスはシンプルな片手剣だった。三人ともかなりの腕だが
中でもゼぺルは帝国警察でも剣の実力で知らない奴はいないほど
程の達人。なので自動的に最初にラキスに教えるのはゼぺルに決まった。
ゼぺルは普通の鉄でできた剣を渡すと10メートルぐらい下がる。
「じゃあ~さっそく構え方だが、、、お前の自由な持ち方にしてみろ。
そして俺に一撃でも喰らわせたら次にいっていいぞ。」
それを聞いたべランドとシズルは一瞬キョトンとしてゼぺルを怒鳴る。
「って!ゼぺルさん!無理にきまってるじゃないですか!
真面目に教えてください!!」
言われると、本気の顔でこちらを向くと、少し笑って剣を抜く。
「大まじめだよ。さあラキス自由にかかってこい。」
剣を肩で構え、「こいよ」と手をクイクイと向けているゼぺルを
「何言ってんだこのじじい」と一瞬思ったが、ラキスはそれを超える事
を試す。
「わかりました。じゃあ行きますよ。」
ラキスは急にシンプルな構えを取って勢いよく突っ込む。
それをゼぺルは軽々防ぐ、そして当たり前だがラキスは体重差で
転ぶ。だが今の一連の動作にラキスは少し引くことにより
ためを作ると転ぶと見せかけ勢い良く体が90度ねじれた体制から
ゼぺルの手首へと一撃を当てる、いや掠めるといった方が
た正しいだろうかそれほど浅い傷がゼぺルに入る。
「うそ。。。」
今のラキスのありえない角度からの攻撃をべランドは見て、
絶句していると。ゼぺルは攻撃が自分に入ったことに気付くと
急に笑って剣を付きたてる。
シ「ゼぺルさんどういうことです?今のラキス君はどう見ても
剣の達人レベルに見たんですけど、まだラキス君は
______7歳ですよ!?そんな子供があなたに傷をつけるなんて」
「・・・・・・知らん」
「え?!なんかわかってる感じだったじゃないですか。。。
(も、もしかして普通にラキス君に攻撃を受けて、意外と笑ってるけどショック受けてるとか。。。って)」
「べランド黙ってどうしたんだ?」
さっきから何故か黙っているべランドは不思議そうな顔でシラズを見る。
「ど、どうしたんだよ?」
「いやなんか、さっきラキス君の眼が紫色に光ったような。。。」
「え?」
「いや見間違えかも気にしないで。。。」
***
「まさかな。。。」
ゼぺルはラキスが全部と選んだ時、若かった頃に戦い敗れた少年の事を思い出す、そいつはどんな武器でも使いこなし、確かそいつも髪が白かったなと
思い出し。ラキスと雰囲気が似ているなと思うが流石に違うかと
思ったが何故か確かめずにはいられず、いざ戦ってみると案の定なにか似ているところがあったが、もし自分が考えていることが正しければこの国の闇を暴けるかもしれないと考え同時にかなり危険だと気付き、まだ二人に教えるべきではないと考え、何も考えてないようにしようと決めた。