「私」(1)
貴族や王族ばかりが暮らす国「スベラル王国」
そんな国の第一王子として生まれたのが「ラキス・スベラル」少しおかしな名前だが
驚いたことに肌は大理石のように白く、瞳は宝石のような紫色をしている。
そんな彼を国王や女王は世に知らせることを嫌い。
誰も目に入らないラキス専用の部屋を作り、そこに閉じ込めた。
そこでは、帝王学や一般知識など様々な事を学ばせた。
それは別によかったのだが、、、メイド、授業を教える人間または家族以外の
他の人間とは出会えず。それに教える時期が間違っていたなんと当時5歳。
授業に来ていた、一流の「髪の長い」先生も流石に教えるのがこんな幼い子だと気付いた時は驚いていたが、ラキスはみるみる知識を吸収していった。そうラキスは天才、それもかなりの天才だったのだ、なんと2年かかるはずの内容を1か月で覚えてしまい帝王学を教えに来た先生は教えることはもうなくなってしまったと国王に
相談しにいったが、やめたのかもうラキスの前に来ることは無かった。
一年たち、12年かかると言われていたラキス専用国王育成特別コースは終わってしまった。その事実に気付いた王は授業のおさらいをしていた。
女の先生を執事を使って、呼び出すとその先生も次の日からラキスの前に来ることは
無かった、その先生は「笑顔がとても素敵」で仲が良かったので少し悲しかったが、大量にある授業とは別に用意された本を、読み漁ることで忘れようと思った。
そして、また1年が過ぎるととうとうその大量の本も全部読んでしまい
全ての内容を覚えてしまった。(当時7歳)
その様子を見かねた、老執事が雑学と呼ばれる。
勉強とはまた違た、「楽しむための本」をくれた。それは様々なジャンルが
あり、王になる人間には全く関係ない知識や「様々な国の貨幣や歴史
文化、言語、考え方、思想」が詰まっていた。それを見ていた、メイドや
執事が他にも勉強では習えなかった、「モラルややってはいけないこと」他にも
ファッション、娯楽、伝説、神話、作り話、音楽、そして誰がくれたわからないが
有名な犯罪者の特徴が載った本や、能力者と呼ばれる存在が書かれた本などなど、、
退屈していた時間がないほど読んだ。
半年過ぎた時、突然その差し入れが何故かなくなった、、、
それからしばらくすると、今まで見たことのないメイドや執事が
ラキスの世話をしてくれるようになった。そのメイドや執事は
何故か、少し怯えていた。なぜ怯えているのか聞いても何も教えてはくれなかった。
そしてこの時から、専属のメイドが付くことになった。唯一話したり、
遊んでくれるメイドだった。名前はゼルメという名前らしく自分には
母親のような存在だと、ラキスの中では思うようになっていた。
国王になるまでには残り12年を埋めるため、より厳しく難しい
三つの授業が加わることになった。
一つは武術を鍛える事。
二つ目は今まで習ってきた自然の法則を無視し、起こす現象を学ぶ
魔法学を教わることになっている。
三つめは半年に一度あり能力者それもかなりの実力を持った人間を集め、触れあうといったものだった。
それをゼメルから教えられた、一週間後から早速その授業が始まるらしい。
そしてなぜか眼鏡をかけた厳しそうな顔のメイドが屋敷にやって来た。そのメイドは
たまに来ては見慣れない手帳に何かを記しては去っていった。
話しかけにくそうな人物だが、ラキスは授業がはじまる二日前ほどに
勇気を振り絞って、話かけてみると。。。
「あの、すみませんちょっといいですか?」
メイドは話しかけられたことに気付くと、目を見開き一瞬止まるが
「な、なにか用でしょうか?」
「いや、別に用事があるという事ではないんですけど、
少し喋れたらいいなと思って、」
手帳を閉めるといつも厳しそうな顔をしていたが、
本当に厳しい顔になり、責めるような言い方をする。
「用がないのでしたら、私に話しかけないでいただけますか。。。
それとあまりかかわらないでください。」
「え、、、」
そういうとメイドは廊下の角を曲がり去っていった。ラキスはこの時初めてこのような態度をとられたので困惑した。今まで突き放すような直接的なことを言われてこなかったからである。しばらく、自分が何かいけなかったのではと考え、ゼメルに
相談したりもが、そういう人もいるという事になった。
そいうものかと、納得し本人がいやならあまり話しかけないでおこうと決めた
ラキスだった。
この時、さっきのメイドが泣いていたことは誰も知らないできごとである。
ラキスが暮らしている城の前に軍人の様な姿をした、三人組が
門の前にいた。
三人の中で二人は20代ぐらいだが厳つそうな男は30代後半ぐらいだ。
その中の若い男の方がもう一人の若い女の方に歩きながら、愚痴を漏らす。
「なんで俺たち各隊長がこんな仕事任されなくちゃならないんだ?」
「そうよね、それに絶対教える子、常識がなくて直ぐに根をあげるわよ。
それに絶対わがままだわ。」
若い男は少し笑いながら、付け加える。
「プラス絶対、太ってるだろうな。」
「確かに、ありそうねw」
さっきまで黙っていた、一番年上の男が髪をかきながら後ろを
振り返り、二人を睨み付ける。
「しかたねえだろ、この国を守るのも契約に入ってんだからよ。」
言われた男は不満そうな顔をしながら愚痴る。
「す、すみません、ゼパムさん、でもなにか匂いませんか?この国。」
とっさにどこからか殺気を感じ、会話をやめる。
男は振り返るのをやめると何も知らないといった顔で「さぁな?」といったままもうしゃべることはなかった。
***
今日から前に言っていた、授業が始まった。なんと特別に城の中だったら
出てもいいことになり、この日初めてラキスは大地に足を踏み入れる。
「風って気持ちいいですね」などいつもより少し興奮しながら
ゼメルと歩いているとゼメルが言っていた特別な先生が待っていた。
武術を教えに来た先生方は、かなりがたいのいい体をしていて、厳つい顔つきだ。年は大体30後半ぐらいだろうか。歯は何故か全て金属で噛んだら骨まで砕けそうとラキスは思った。後ろに二人若い人がいるがさっきから一人は涎を垂らしながらラキスを見つめている。ゼルメが前に出ると、手をガタイのいい方の人物に向ける。
服装は白いコートに皆黄色い腕章をしていた。
「ラキス様、こちらにいるのは、「帝国能力犯罪撲滅組織警察」略して帝国警察
の戦闘を専門にしている精鋭部隊ロザイア隊長「ゼパム・ドル様」です。
その後ろにいる、二人は。」
ゼメルが言い終わる前に、ゼパムはザンッとラキスの前に出る。
そして少しなめた様な態度でラキスを見下ろす。
「おいおい、本当に聞いてたとうり、子供じゃねえか。お前本当に
俺の訓練についていけるのか?ん?どうなんだ?」
少し試すように笑いながらじっとラキスの年齢だったら泣いてしまうほど怖い顔で、ラキス見下ろしつづける。その様子を見ているゼメルはどうしていいかわからず。
慌てている。後ろにいる恐らく同じ部隊の少し若い二人も
じっとラキスの行動を見つめている。
自分は今試されているのだと気付くとゼパムをの目を逆に見つめ。
それを見た後、直ぐになんの迷いもなく、頭を下げ始める。
「死ぬ気で耐えついていきます、なので訓練どうか宜しくお願いします。」
ラキスが頭を上げると、目の前にいるゼパム以外は目を見開きながら
ラキスを凝視していた。
ゼパムは気に入ったといわんばかりに顔に手で押さえ「がはははは!」と
笑っている。
「合格だぁ!後ろの二人と自己紹介を済ませたらすぐに来い!
お前を一流の兵士にしてやる。」
ゼパムは後ろの二人を連れて来ると、持ってきた荷物を開き始めた。
若い男はまだ、目を見開いており。若い女の方は目をキラキラさせながら
ラキスを見つめている。
「ラキスです宜しくお願いします。。。あの何ですか?」
見つめている二人に聞くとハッとし、見開いていた目を普通に
戻し、彼にはちゃんとした態度を取るべきと判断し自己紹介を始める。
男は青い髪をしており
「すまない、失礼だが余りにも君がちゃんとしすぎていたからな。遅れてすまない
私は帝国警察射撃部隊 メラル部隊隊長「シルズ・ベナート」だよろしくラキス君」
シルズは手をラキスの前に差し出す。この時、普通に握り返そうと思ったが
前に本で読んだ帝国警察の各部隊には専用の挨拶があるということを思い出し、拳をそのシルズの手にぶつける。
「______つい癖でやってしまったが、どうして君がメラル部隊の挨拶を
知っているんだ?もしかして帝国警察が出している、報告書を見たのか?
でもあれは対象年18、、、グハッ!」
何か考えていると横にいた髪の長い若い女がシルズを吹っ飛ばす。
「長いわよ、シルズ!ゴホン初めましてラキス君、私は帝国警察魔法特攻部隊
ユランデ部隊隊長「べランド・バックナー」よ、、、近くで見ると
本当にかわいいわね。こんな子に教えるだったらなんの不満もないわ。
それと確か各部隊の挨拶を覚えているのよねだったら、ユランデ部隊の
挨拶は何でしょうか?そうねできたらいいことおねいさんがやってあげるわ
あ、そうだ私の名前はべランド先生でいいわよ。はいどうぞ♡」
言ってと言っているように手を広げる。
「え、えーとべランド先生?(挨拶どこ行ったんだろ。。。)」
「いい!いいわ!なんか、とても新鮮!、、、イタっ!」
次はシルズがベランダの頭を叩き、前に出る。
「僕にも言ってもらっていいかな?その、シズル先、、、ゴハッ!」
言い終わる前に、ゼパムが準備を終わらせたらしくいつまでも
喋っているシズルに呆れながら腹に一撃を加える。
そしてバッと振り向くと。
「ちなみに俺はゼパム先生と呼ぶことを許可しよう。」
銀色の歯をカッと見せつけ仁王立ちしていた。
シ&べ(あなたも呼ばれたっかんですか。。。)