「計画的な鼓動」(2)
ある程度進んだところで、次は美少女が突然喋りだす。
「ねえ、どうしてさっきメイドを置いてきたの?
さては見られたくない事でもするのかしら?」
人を見下したような眼はこの人に本性なのだとラキスは悟り
上手くいっている事を感じる。ラキスはそんな突然の変化に関わらず相変わらず余裕の笑み。
「はい、そうです。誰にも知られたくない事をするために置いてきました。
例えばあんなことや、そんなことを。」
ラキスが笑いながら素直に言ったため、若干驚きながらも
「そうですか。やはり噂どうり外道ですね、そしてバカですか。
身のほども知らないとは」と言って鞘に手をかける。
(うまく心が何故か読めなかったけどそんなこと思っていたのか)
少し落ち込みながらも
ラキスは微笑し同じく訓練で落ちていた剣を拾い上げ構える。
すると不意にラキスがあることに気付いたように喋りだす。
「あ、そうだ。キャンディスさん私をボコる前に一つ提案いいですか?」
そう言って人差し指を一つ立てる。
「提案ですって?あなた状況わかってるの?」
「はい。流石に私も女性には手を上げたくないのでこういうのはどうです?
貴方は私を動けなくなるまで殴ったら勝ち、私はあなたが負けを認めたら勝ち。
勝った方は負けた方になんでも言うことを聞かせれる。」
「負けたら体を奪われるのにそんなの言うはずがないじゃない!」
と何か勘違いしているなと思いながらもそうかさっきそういう風に言ったからか
と納得し。ラキスの目が突然輝きだすと得体の知れない恐怖が
キャンディスを襲い体制を崩す。
そのままラキスは押し倒し、剣をキャンディスの首元に添える。
「な、なに今の?」
震えた表情でラキスを見つめるキャンディスだが次の瞬間その恐ろしい目は
キャンディスの中では違うものになっていた。
ラキスの美しいその瞳は段々とキャンディスは惚れていき。
顔が何故か赤くなる。ここまで顔を近づけたことがないせいだろうか。
ラキスが少し微笑むと我に返り、急いで抜け出す。
呼吸を整えると剣を鞘に納め。ラキスの顔をじっと見つめる。
本当に美しい瞳だと思いながらキャンディスは話す。
「それで貴方のお願いって何なのよ。。。」
なぜか少し期待しながら、ラキスに聞くと。
「そう言えばそうでしたね。。。。あ、そうだ私の友人になってくれませんか?」
今思い出したように言うラキスを見てこの賭けはそこまで必要ではなかったのだと
悟り逆にラキスの本当の目的は何だったのか気になったが、ラキスの横顔に何か強いものを感じ、気にしないでおくようにした。
「そんなでいいの?まあ私は構わないけど。そうだ特別に私の能力を見せてあげるわね。」そう言うと手のひらで氷の結晶を模った氷が出来上がる。
これは初歩の初歩だがキャンディスは実はこれが一番能力の中で
好きだった。
二人がなぜか黙見ているとラキスが急にキャンディスの近くまで体を寄せ
いたずらに耳元で囁く。
「綺麗だよ。」
「え?!」急に言われ戸惑い作っていた氷が消える。ラキスは残念そうに
見ていると白い肌を赤くしたキャンディスが慌ててる。
その様子を微笑しながら眺めていると、自分が遊ばれていることに気付き
ラキスに襲いかかろうとするとラキスは抵抗せずさっきとは逆に体制になる。
ラキスはじっとキャンディスの方を見つめ、「で、どうするの?」と
まるで試しているようなそんな笑顔でキャンディスの眼を見る。
キャンディスはこの状況ならラキスにどんなことでもできると呼吸を荒げながら
ラキスを掴む手を強くする。
さっきまでは完全にクールだったのだが何故か性欲が抑えられないでいた。
完全に女の顔をしているキャンディスだがラキスは余裕の表情で
「そろそろいいか」とキャンディスに聞こえない声で呟くとさっきまで体を燃やすように高まった性欲が消え急に恥ずかしくなった。
ラキスは「そろそろ、冗談もやめてもらえますか。」と言って笑うとキャンディスが離れる。会談が終わったらしく国王が不機嫌になりながらもキャンディスを
連れ帰る。ラキスは最後に「またね。キャンディス姫。」と言うと。
キャンディスも「またね。ラキス王子。」という仲になっていた