「残酷な動悸」(3)
その夜この国の真実を知ったラキスは人間性を捨て去った。。__________
あれからラキスはもう一つの人格を作り出すことによって
自分を守った。手帳に書かれていたことが本当のことを言っているか
ラキスは確かめる必要があるのでひとまず一番あり得ないと思った
事から調べてみることにした、それはこの国の地下には
多くの奴隷が幽閉されており、日々この国のために24時間働かせられ
ているという地下街。そこでは死んでいった奴隷は捨てられまた新しい奴隷が死ぬまで働く地獄そのものだと手帳には記されており。地下街に行く方法も
記されていた。だがそんなことは本来だったらとっくに帝国警察や
帝国騎士団が知りこの国は滅んでいるはず。。。
と考えたが手帳にその答えが記される。それと今の疑問を照らし合わせると
納得する。「知っていながらも手出し出来ない」ということを。
確かに昨夜みたいな、間違ったことが簡単に通る国だ
それだけこの国は力を持っているという事だろう。
昨夜のようなことが起こっても
過ごすメイドや執事、城にいる誰もが何もなかったかのようにしている
様子や手帳に書かれているこの国の罪を見てこの国の闇はもっと深いことを感じながらも何故だか少し笑ってしまった。
だが、ラキスにはまだ一つ手帳について信じられないことが
あった、それは地下街と呼ばれる人間の権利を全て無くした場所が
この国の地下にあることだ。そんなもの見たことも来たこともない、
しかもそんな場所の入り口は客人や他の国の権力者を招待し食べたり飲んだりするだけの部屋の奥にあることだった。
この時はなんでそんな場所への入り口がここなのかと思ったがその理由は
その場所に移動している最中簡単にわかってしまった。
この国だけではなくこの闇には他の多くの国の闇そのものだと。
付くと手帳の指示どうり、時計から出ている鳩のエンブレムを摘まむと
床が段々へこんでいき地下への階段が出来上がる。
ラキスは階段が出てきた今でもそんな地下街はないとどこかで思っていた
手帳のこの国について読めば読むほど吐き気がするような出来事ばかりが
数えられないほど起こっているそんな国に育てられ、自分もそんな人間たちのと
同じ国民で王子である事に激しい絶望感が襲う。
階段を下りるたびに悲鳴と恐怖が入り混じった声と
それを楽しんでいるかのように聞こえる声が大きくなっていく。
降り終わると急に明るくなっており、そこはもうなんと言ったらいいのでしょうか
人間の皮を被った怪物が裸の人間の首に赤い首輪をしながら歩いている街。
奴隷よりひどい扱いを受けているまるでそれは道具のように扱く街。
ラキスはこんなにも人間は醜いのかと予想をはるかに超えた地獄を目の当たりにして
呼吸が荒くなり、倒れそうになっていると近くから悲鳴が聞こえる。
聞こえた場所に走っていくとそこには変な仮面をつけた男たちが
一人の手が裸の状態で縛られた女性が出した悲鳴だった。
その場所には体から様々なものが飛び出しドロドロの液体や寄生虫が
湧き体中にかかった状態で放置され、もっとひどい女性は体の半分以上が
腐りながらも生きていた。その光景を見た女性は数分後自分がああなると考えたのか息ができなくなったように目を見開きその場に座り込む。
そんな女性を欲望のままにまるで豚が餌を貪るように輪姦される様子が
急にラキスの脳裏に浮かぶ。ラキスは気付いてはいないがほんの少しだけ
紫色の目が輝いた。その光景を知ったラキスは一番我慢すべき状況で
飛び出してしまう。襲おうとした豚を拳で殴り倒す。
ラキスは初めて実戦で魔力を使ったが、少し使っただけでかなり吹っ飛んだ
豚を見てやれる!と確信する。
がそれもつかの間、いつの間にかいた護衛がラキスの体の腹を蹴り上げ
壁にめり込む。
そこからラキスの意識は途切れる。。。。