表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

Episode1 廃園の邂逅

 本日二話目です。

 ギィ、と、ホラー映画さながらの音を発しながら、その門は開かれた。

 とは言うものの、今しがた門に触れたこの少女が鍵を開けたわけではない。彼女はただ、目に付いた暗闇に、引き寄せられただけなのである。


 彼女はどうやら女子高生のようで、愛らしい制服に身を包んでいる。夜の暗さ故に目立ってはいないが、時折月に照らし出される横顔は、よく整った、ハーフに近い顔立ちである。

 若干茶色のかかった黒髪に、黒い瞳。だが、見るものが見れば、彼女の瞳には、若干の違和感を覚えたかもしれない。

 が、夜のこの通りには、誰も近付かない。よって、この場でそれに気付く者は、誰一人としていなかった。


 その大きな瞳が見つめる先には、「裏野ドリームランド」と書かれた、今にも朽ち落ちそうなプレートがかかっていた。文字は半分以上消えていて、もともとこの廃園の名前を知っていなければ、読み取るのは至難の技だと言える。


 少女はそのプレートにしばらく目を留めた後、やがて何かを諦めたかのように、遊園地の奥へ目を向けた。読み取れなかったのかもしれない。


 暗闇の中といっても、かつては遊園地が繁盛していたほどの都会ではあるのだ。それなりに灯りは有り、治安も良い。

 街灯の微かな光に照らし出された道を、少女は一歩踏み出し、躊躇したかのように立ち止まった。


 それも、当然といえば当然だろう。

 どこを見ても活気などとは程遠い雰囲気。実際、少女もこの廃園の門が開いているのを見たのは、今日が初めてだったのだ。足を踏み入れたのは、純粋な好奇心に過ぎない。


 外から見たそれと、実際に足を踏み込んで眺めるそれとでは、やはり若干の違いがある。近付いて見る方が、不気味さが増すとでも言うのだろうか。正にホラー映画のロケ地にでもなりそうな雰囲気を醸し出すそれに、嬉々として飛び込む物好きは少ないだろう。


「……あれ?」


 少女には、自分の声が自棄に大きく響いて聞こえた。


「メリーゴーラウンド……?」


 やはり誰かいるのだろうか――?


 少女は好奇心のままに、夜の遊園地で美しく回る、メリーゴーラウンドへと近付いた。


 隣には管理室がある。厚いカーテンがかかっているせいで、中が見えないのはもちろんの事、明かりが点いているのかどうかさえ定かではない。


 少女がドアノブに手をかける。


「痛っ!?」


 こんな時期に、静電気――?


 再び手を伸ばす気にはなれず、少女はその場で手を止め、思考を巡らす。だが、その思考を邪魔する何かが、すぐに現れた。


「――」


 ――足音がする。


 気付かず少女は走り出していた。

 道はしっかりと覚えている。さほど長い距離を移動してきたわけではない。


 途中からは足音も消え失せていたが、少女はやはり、そんな事は気にも留めず、ただ逃げるという行為にのみ意識を集中させた。

 ――門が見える。

 何故か、あの門さえ潜れば何もかもが大丈夫、という気がした。


 ――何故?


 決して門を出たからといって安全になるわけではない。

 誰かが追いかけてきているのなら、それこそ、もっと大きな通りに出るまで安全とは言い難いはずなのに、何故、自分はそんな事を考えているのか……少女は同時にそうも考えていた。


 まるで、自分の意識の中に、別の誰かがいるような感覚。


 やがて門に辿り着いた彼女は、その門の前で、半ば絶望にも似た表情を浮かべた。


 ――閉じている。


 誰かいるのか? では、何故出会わなかったのか?


 ――ここは、何かがおかしい。


 直感かと錯覚する程の速さで根拠のない確信が全身を駆け巡り、次の瞬間――何故かは分からないが――少女は先ほどのメリーゴーラウンドへの道を遡り始めた。

 何故、と、ただそれだけが少女の脳内を支配する。


 ――明かりだ。


 メリーゴーラウンドの光は消えていた。あの、不気味なほどに美しい光は、もう無い。その代わり、隣の管制室のドアが開き、明かりが漏れていた。


 そして少女は思うのだ。


 ――助けて。


 だが、何故、と、同時に心が投げかける。

 ここに脅威はない。逆に、中にいるであろう誰かのほうが脅威である可能性はかなり高いというのに……。


 ――何故――?


 今度はもう、ドアノブに帯電現象はなかった。


 とにかく室内に飛び込む。管制室にしては多く感じる機械が多く並んでいた。


「……誰だ?」


 そう問いかけられて、少女は思わず返答に詰まる。


 中にいたのは、少女と同い年ほどに感じられる、一人の絶世の美少年だった――

 今USBが手元にない……。ゲームが作れない……待ちに待っていたのに……(泣)

 ごめんなさい、小説とはあまり関係ない話です。ただの愚痴です(笑)


 もしよろしければ、ポイントなどの評価、宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ