下部分
はい、これで最後です
どうか最後まで楽しんてください
空が落ち始めたことで、遊園地は大パニックのだ。
ある人々は逃げ回り、ある人々は諦めていた。
またある人々は神に祈った、早く落ちてこい、と。
「はは、こんなの無理だ、助ける訳がない、もう、世界の終わりだ。」
どうやら仮面おっさんにボコボコされたことですっかり絶望モードに入ったご様子。
「わい~、空がどんどん近づいて来た!雲がふわふわして美味しいそう!」
兄と対照的で空が落ちるのを楽しんてるみたいだ。
「まだ諦めるのは早いではないかのう、祐悟くん。」
「はあぁ?空が落ちるのだぞ、どうしよもないじゃないか!」
仮面おっさんは祐悟を諭すが、やはり諦めていた。
相手は空だから、しかたないよね。
「いや!まだワシたちに出来ることがあるかのう!」
「出来る事でなんだよ、空を押し返すとでも言うつもりか?」
「そうだ!落ちるなら押し返せばまた然りではないかのう。」
まさかそんなアホな事を本気でやるとは思えなかった祐悟だった。
「ちょっと待て、お前本気か、空なんて空気の塊じゃないか、どう押すだよ、触れないのだぞ。」
「ふん、空気には空気で制す、そんな言葉があったかのう。」
「ねぇよ!」
すかさず祐悟はつこんだ。
「まあまあ、そんな細かいことは今はどうでもいいかのう。」
「お前が言ったことだろうか!」
「さて、一丁やってみるかのう――ふう、はあ、ふう、はあ、ふうふう、はあぁぁ。」
仮面おっさんは祐悟のことを無視し、一人で何やら謎の呼吸が始めた。
いったい先までの二人で協力してなんとかしようという雰囲気は何処へやら。
「ふにゃ?おじさんなにかやるの?見たい見たい、早く見せて!」
妹は相変わらずの興奮状態であった。
「そんなヤツに期待しても無駄だ、妹よ、どの道、大自然の前じゃ人は無力だからな!いいか、妹よ、世界には…………%&*$#」
なぜか一人で人はいかに無力な生き物だと言うことを自慢し始めていた。
「む~、おじさんにボコボコされたお兄ちゃんは黙ってて!」
「くわっ」
妹に一撃で黙っされていた祐悟であった。
空はいよいよ百メートルまでに落ちた、そんな時に――――
「おお~、空が近いよ!もうちょっとで触れそう!」
「はは、今日で俺は死ぬのか、せめて妹と結婚してから死ねたいな、くすん、神の馬鹿野郎!」
空に触りたい妹ととうとう頭が本気におかしくなった祐悟だった。
だかねお兄さん、それ犯罪だから。
「よし、準備は整えたのう!喰らえ、ワシの大技――――」
すうぅぅぅぅーと大きく息を吸った。
そして空に向けて。
「さっさと戻らんか、この大馬鹿もんか~~!!」
途轍もない咆哮でそう叫んだ。
やがて声による空気振動は空を押し返せ始めた
暫くして、空は元の高さに戻ったのであった、めでたしめでたし。
*
「いや、ちょっと待て、なにかめでたしめでたしだよ、どこの世界で叫んてだだけて空を押し戻すことがあるだよ!」
どこかを向けて祐悟はつこんていた。
「ふふん、見たか、ワシの大技――さ・け・ん・て・お・し・か・え・すの力を!」
「わい~、すごいすごい、空が大声で戻った!」
仮面おっさんの力に対して、妹はより一層興奮した。
「…………それ、今先付けた名前じゃないよな。」
もはやつこんでも誰も反応しない祐悟である。
そんなやり取りが終わったあと、突然、また声がした――――
「うあはっはっはっは、見事だ、謎の仮面おじさんとやら。まさか我が引き起こした空崩落をこんな手で破るとはな。」
やがて、大きな影が祐悟たちの前に現れた。
「なにものじゃい!」
ビックリ過ぎて祐悟はキャラ崩壊が始めたようだ。
「ひどいではないか、祐悟、まさかもう我の顔を忘れていたのか、つい先程まで貴様と会っていたではないか。」
言い終わると影の上にある顔が現れた、それは――――
「な、な、な、親友くん!」
そう、それは親友くんの顔であった。
「な、なぜお前がそんな姿をしている!?」
祐悟は親友くんに問いかけた。
「ふん、なぜとはおかしなことだ、我は元々こんな姿なのだよ。」
「う、嘘、俺は親友はそんな化け物ではない!俺はずっとアイツと一緒に過ごしてきた、だからきっとお前がどこがに隠してるに決まってる!」
現実を受け入れなかった祐悟はそう叫んてだ。
しかし、横に祐悟の言葉を否定する声があった。
「残念ながら、彼の言っていることは真実だかのう。」
「……え」
祐悟は一瞬、フリーズした、仮面おっさんがなにを言っているのが分からなかった。
「ワシは最初にキミたちを見た時からそれを気付いた、てっきりキミもヤツに操られたと思っていたのう、どうやら違うのようかのう。」
「いや、でも、アイツは俺とは今までずっと――――」
「では、キミはヤツと出会った場所は覚えるかのう、どうやって出会ったのも。」
厳しい眼差しで祐悟を問い質した。
ただしその眼差しは仮面のせいで全然見えない。
「え、そんなの覚えるに決まってる、確か学校で…………あれ!?ちょっと待てよ、たまたま忘れたかもしれない、ほ、他にも何か証拠でもあるのかよ!」
まるで推理ドラマの犯罪者のように証拠を求めた。
「証拠ならある、キミは妹くんが親友くんに話しかけたことがあるのかのう。」
「は?そんなのウチの妹がただの人見知りなだけで……」
「ならば、お嬢さんに聞くとしようかのう。」
すかさず、祐悟は妹に訊ねた。
「おい、妹よ、お前、俺の親友の親友くんは知ってるよな?」
「ふにゃ?お兄ちゃんなに言ってるの、親友くんて人はいないよ。さっき吹き飛ばされた時に頭でも打ったの?」
「はあ!?お前なに言ってるだ、今までずっと一緒に遊園地を回ったじゃないか!ここに来るだってアイツの車に載せたから来れたのだぞ!」
「もう~、お兄ちゃんなに言ってるの、確かに車さんで来たけど、でも、誰も運転してないよ、車さんが勝手にここへ運んてるよ、遊園地を回てるのも私とお兄ちゃんだけだよ。」
「え……だってずっと俺たちの隣で……」
祐悟はいよいよ分からなくなってきた、自分は見えてるのに、実は妹は見えていないことを。
「どうやら、真実がはっきりしたようかのう。」
こうして、犯人があきらかになったのだ。
「そんな、じゃ俺の記憶は一体!?」
「ああ、それは我がここに連れる前に作られたものだ、そろそろ効果も消えるだろうから。」
答えたのは親友くんだった。
「ぐぅ、俺たちを騙されたのか!」
「まあね、我が世界征服するためにはどうしても肉体が必要なのだよ、妹ちゃんはまあ、ついてだから我の嫁にでもするつもりだ、うあはっはっはっは!」
ついに本人までもが認めたであった。
「クソ、あんなに一緒に戦ったじゃないか、コンピネーションだって完璧で、なんでだよ!あれも嘘だったのか!」
祐悟は尚も叫んてだ、しかし……
「ああ、あれはそこの仮面おっさんがちょっとやばいそうだから、あわよくばあの場で消したかったのだよ。貴様とのコンピネーションもその前のハモったセリフも全部貴様の思考を読んだにすぎないだよ、我は人間の行動について詳しくないからね。さらに言えば貴様らが今まで遭ってきた天変地異も妹がテレポートしたのも全て我の仕業なのだ!」
「そんな……じゃ俺の本棚のお宝たちも携帯の中の女友たちのアドレスが消えたのもベットの下に隠れたエロ本の数々が翌日になぜかゴミ捨てに出さられたのも全部お前の仕業なのかよ!」
「そうだ!すべて我の……………………………………ん?いや、待て、貴様はなにを言っいるのだ、身に覚えがないぞ!」
「クソ、全部お前の仕業だったのがよ!お前は俺がアレらを集めるのにどれだけ苦労したと思いてるだよ!うああああ~~~」
後半を聞こえてない祐悟は泣きながらガクと膝を曲げようとしたが、だけど彼は未だに床の上に倒れていることを忘れていた。
「ふにゃ!なにか身に覚えのあることを聞こえた気かするよ、でもまあ、なにやら誤解してるし、このまま幽霊さんになすりつけようと。」
真犯人は妹であった。
「ごほん、さて、無駄話もここまでだ、空の崩落で我はさっきのパニックで全ての恐怖を集めた今、貴様などもはや我の相手ではないわ、うあはっはっはっは!」
親友くんは仮面おっさんに対して、そう言った。
「ん~、あの幽霊さんはお兄ちゃんの知り合いなのかな?話を聞いていでもよく分からないよ。」
妹はそうな疑問を思ったが、しかし、次に起きたでき事がそんなことにすぐに忘れさせたのだ。
「さあ~、これより、この幽霊王親友くんが相手だ!喰らえ、我の必殺技――――くぇべしゅっ!」
セリフを言い終わる前に、幽霊王は謎の声と共に仮面おっさんの奇襲により吹き飛ばされたのだ。蹴りで。
そして、そこからは凄まじい神速の連撃だった。
繰り出されたのは、ボクシング、格闘術、気功拳、合気道、プロレス、関節技、寝技、回り投げなどなど、尚も止まらない!それらすべてクリティカルした。
「いや……ちょっと待て……まだ我の準備がまだ……ぷおっ!」
「まだまだだ、幽霊王!これも受け取れぇぇぇぇ!」
再び近づいて、ダブルストレート、トリプルストレート、蹴り蹴り蹴り、手刀で地面に叩き落とし、上空に跳び、泰山圧!体を起きて、また斜め上空に蹴り上げ、最後に――――
「これで、トドメじゃ~、はあああああっ、喰らえ、ワシの真の必殺技――――〇・メ・〇・メ・波あぁぁぁ!」
両手を構え、そこからビームのようなものが出した。
やはりすべてクリティカルした。
「…………」
親友くんはこの時既に沈黙しており、最後のセリフさえもも言えなかった。
ビームの中で、やがて、親友くんの体は完全に消え去ったのだ。
「ふう、これで一件落着かのう。」
「うは~!すごいすごい!すごいすぎるよ、おじさん!」
キラキラした目で妹は仮面おっさんに見つめていた。
「いやはや、それほどでもないかのう、なにせワシは未だ十位だしのう。」
ちょっと照れた仮面おっさん、どうやら褒め慣れてないようだ。
なにか十位なのか、聞かないておこう。
*
こうして、祐悟たちの災難な一日が終わった。
今は遊園地の外に出て、仮面おっさんとお別れしてるところ。
「いやはや、さすかはSSSのミッションかのう、今回はかなり骨を折ったかのう。」
なにを言ってるのがさっぱり分からない祐悟たち。
「まあ、いろいろあったが、とにかく助かった、お前がいなっかたら俺たちは危なかっただろう。それと、悪かったな、誘拐犯に誤解して。」
祐悟は頭を下げながらそう言った。
「いやはや、それはいつものの事かのう、別に気にしていないかのう。」
いつもそんな風に誤解してたのかよ、と祐悟はそう思った。
「おじさん、またね、また会えたら嬉しいな。」
「ははは、こちらこそ、こんな可愛お嬢さんとまた会えることを心から祈ってるかのう。」
「いや、もう来るな!お前見たいないかがわしいヤツと会うとロクなことしか起きないだよ!」
「うふふ、そんな、可愛いだなんで、それ程でも、あるよ。」
祐悟の言葉をまた無視し、仮面おっさんに褒められモジモジした妹であった。さらに妹は――
「おじさんとなら、わたしはおじさんのお――――」
「ダメェェェ!これ以上言っじゃダメェェ!妹は誰にも渡さないからな!いいか、おっさん、妹を欲しければ俺を倒してからにするだな!」
すでに倒されたことをすっかり忘れていた祐悟であった。
「もう~、お兄ちゃんのじゃまもの!」
「くわっ!妹よ、もう一度考えてくれ、そんなヤツと一緒に居っでも幸せにはなれないからな。」
「わたしの幸せわたしが決めるもん!」
「そ、そんな~」
祐悟はまたしょぼ始めた。
「ははは、仲のいいことはよきかのう、では、またかのう。」
「ちょっと待て、結局お前は一体何者だ?」
すでに歩き出した仮面おっさんは頭、と言うより仮面だけを振り返て――
「祐悟くん、世の中には謎は謎のままの方がいいこともあるかのう、では。」
ちょうどその時に少し強い風が吹き、次の瞬間にはそこに誰もいなっかた。
結局、謎の仮面おっさんは最後まで謎のままである。
「ああ~、おじさんもう行っじゃたよ、もうちょと一緒に居たかったよ。」
残念そうな妹を見て祐悟はいよいよ本気でやばいと思った。
「ちょ、妹よ、お前まさか本気であの変なおっさんとあれする気じゃないよな!」
「さあて、どっちだと思うの、お兄ちゃん♪」
祐悟の体はその瞬間、ありえないほどの振動を発した。
(うふふ、お兄ちゃんにはもっとわたしのことを心配させて、わたしのことしか見ないようにしないとね。)
ちょっと腹黒い妹である。
どうやら祐悟の苦難はまだまだつづくようだった。
終
お読み頂きありがとうございます。
余談ですが、実はわたしのイメージした妹像は金髪ツインアップのロリですww
今度は次の作品で会いましょう、次作に関しては活動報告に情報をちょっこと公開しますので、興味がある方は見ていてください。