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崩壊の足音

後書きでおまけに書いていたエンバーの話しのリンクを貼りました。

よろしかったら覗いてみてください。

100人以上の同士を持つと言うアメリアと共に今度は俺達がアメリア達の隠れ家に行く事になった。

とは言っても探索組が戻って来る間は動く事が出来ないのでそれまで待たなくてはいけない。

一応本拠地というか、中央指令と言うか、我らが親分ガーネットにも報告に行かなくてはならないし、向こうの様子も聞きたい。

アレは見つかったかどうかは気になる所。

何の連絡もない辺りまだ見つかってないのだろう。

各地に散らばした雌黄の剣や紅緋の翼のメンバーにもブルトランの迎撃はともかく勝手に戦いを始めないようにとの通達をしなくてはいけない上に、この開拓事業も行わなくてもいけない揚句、その間滞在するアメリアの世話もしなくてはいけない。

脳筋のクラウス・ヒークスを戻らしても上手く伝える事が出来るかどうか判らない為にフリーデル・ブライトナーに行ってもらわないとレジスタンス側の説明が上手く通じないだろう。

既にクラウスにはよくぞその程度で騎士団長に任命されたなと言うみんなの冷たい視線を浴びてもびくともしないその神経に女の子は近寄ってはいけませんと通達が回ってる始末。

元々独身だったが、独身街道このまま突き進むしかないと言うかその方が平和だと誰もが頷くしかない無神経さを気にも留めないアメリアのお世話係を彼がする事になった。

一応彼女の出自が随分怪しい物になった物の、未来の王妃は決定している。

次期女王としてまつりたてて以来かなり傲慢な性格となっていたがそこはルゥ姉と一緒に暮すうちにずいぶんと矯正された人格に変っていた。

何があったか今更聞きたくもない。

一応リーナと一緒に勉強の時間を与えられ、その間暇になるクラウスに農作業と土木作業を次々に覚えさせればさすが脳筋。

疲れも知らずに次々に黙々と、もっと仕事をよこせと作業をこなしていく始末。

とは言っても、見ての通り不器用そうな人間なので細かい仕事は雑だが、それを除いた下地となる所を任せれば人の二倍、三倍はこなしてくれる。

なので、細かい作業の所を人数を増やして当たる事が出来、みんなのスキルアップ、作業率アップと繋がり最短でこの村の土木事業を完成させたと記録を作った。

とは言っても、身動きできないのでこのむさくるしいおっさんを俺達から引き離すべくには仕事を与え続けなくてはいけないので、それは俺達にも仕上げと言う仕事になって戻って来る事にもなる過酷な物になった。

家の中で勉強しているアメリアとリーナ、ルゥ姉も静かでいいですねと言う暢気ぶりと言うか、完全にこれが狙いだったなと言うしかないそぶりに情報は大切だと再認識するしかなかった。

そこまで大切な情報ではないけど。


何はともあれ、隣村まで続く道が出来上がる頃にようやく全員が集まる事になった。


「ガーネットは何て言ってた?」


流民達とあの村に残っているガーネットにシアーが単身この成り行きを話しに行けば


「これはあたしが判断する事じゃない。

 ディックの思うように動けばいいじゃないかだってさ」


なんて言葉にべつに精霊様が気にする懸案ではないのだと理解すれば各所に作った村の状況を確認する。


「まぁ、ざっくりとだがブルトラン軍は一度はどの村も訪れている。

 位置確認もあるし、こちらの戦力の偵察もあるだろう。

 畑の実りの様子も気になっているようだけど、ちょうどいたブルトラン軍を捕まえて話をしてみたんだ」


エンバーの報告にルゥ姉が目を細める。


「向こうはどうやら酷く餓えているらしい」


せっかく奪った王都は畑を耕すには向かなくどこもかしこも煉瓦で敷き詰められているからそれを剥がすのも一苦労だとか。

与えられた家の庭をひっくり返すも長い年月煉瓦で固められた岩を耕すのは岩を砕く作業にも等しく、既に大半の民が諦めきっているという。

春の種蒔きに失敗したのが今頃効いてきて、既に奪った食料は底を尽きかけていて、外から運び込まれる僅かな食料は平等には与えられない。

王都から追い出した住人達が外壁沿いに住みだして夜中でも火を焚き続けるからいつ襲ってくるのかと不安も合わさり誰もが王家に不満を持っている。

外壁の外はいつも悲鳴とか怖い声が響いていて恐ろしくて外も歩けなく、誰もが怯えて家の中に閉じこもっている。

暖かくて寒さに凍える事が無くなったのは嬉しかったけど、畑もできず、濁った川の水、王都から出る事も叶わなく、強制的に移住させられたブルトラン人の鬱憤はすさまじいと聞いた。

だが、それで暴動を働こうとすれば殺されるのは目に見えている。

正直誰もがブルトラン王が恐ろしいと怯えている。

あの王は先代の王が死のうが娘が死のうが顔色一つ変えず興味を持たず喪に服する事もないと言う。

正直こう言った任務に城壁の外に出るのが待ち遠しかった。

捕まるのも恐ろしかったが城壁の中に戻るのも恐ろしい。

こうやってハウオルティアの平原や森を馬で走らしているとこのままもう戻りたくない。

寒くて生きるのに厳しいブルトランを誰もが懐かしく思い出し帰りたいと言い出す者もいる。

既に戻らない行方不明の兵士が何人も出ているが、王はその者達を探す命令も出さなければ、見つけて連れ帰っても懲罰も命じない。

既に王も守る兵すら見向きしなくなり、今王を守るのは長年王に仕えた貴族を慕う者達だけで構成されていると言う言葉にとらえた捕虜の言葉に自分の耳さえ疑い、それを伝え聞いた面々も耳を疑い、そして長い事瞠目していた。


「ブルトランの王は一体何がしたいんだ?」


ウードが難しい顔をしてしかめっ面なのを隠さないままにルゥ姉に問えば


「そればかりは私も。

 ですが、既に統治やそう言った事には興味を失っているのだと推測は出来ます」


ルゥ姉も眉間に皺を寄せて何を考えているのでしょうと口元に手を添えて考えるが


「一つ言えるのは民や臣の事は何も考えてないと言う事だろう。

 国も興味はないとなれば……」

「何かのタイミングを待っていると言う事か?」


シアーの疑問に何をと考える。

アメリアが来て10日以上しているだけで十分昼も秋の気配を感じ始めていた。

ハウオルティアの冬は王都なら年に数日雪が降るかどうか程度。

寒さになれたブルトランの民にとっては暖かい位で過ごしやすいと言うが


「それでも食料が無ければ餓えます。

 春の畑が失敗したようですが、漸く秋の実りも間近となり余裕をお持ちなのでしょう。

 穀物倉庫の南部、そして北部の山々の恵み、海から遡上する魚ももうすぐなのでそれを知ってるようなら慌てる事無く待ち構えていたと言う所でしょうか」


季節ごとの自然の恵みにハウオルティアの食糧事情を考えて難しい顔をしたままのルゥ姉はそうやって推論するが何か納得できない顔で居る。


「何考えてるんだよ」


何か推測が煮詰まってないと言う顔に眉間を狭めて聞けば


「なんというか、違和感を覚えるのです。

 既にこれだけ国民の事も国の事もどうでもいいと言う様に感じますのに、それでも秋の収穫を期待しているというのはちょっと違う気がして」

「確かに」


クロームもこの違和感を感じていたようで眉間を狭める。


「魔法使いの感。

 とはよく言いますが、何かもっと別の事をしている気がするのです。

 しかも最悪な方に向かって」


胸の前で手を組んでふんぞり返って天井を見る姿に、彼女を愛した人の姿を一瞬思い出すが、ルゥ姉の言葉にシアーも難しい顔をして確かにと頷く。


「なんかここ最近、魔素の様子がおかしい気がするの。

 何かが欠けたと言うか、いつも感じる魔素になにかがたりない。

 物足りないと言うより、いつも感じている何かを失ったというような喪失感を感じてて……

 前にも一度こんな感覚あった気がしたけど……」


思い出せないと言う様に顔を俯かせてしまう彼女にルゥ姉は更に嫌な顔をしながら


「貴女ほど繊細に魔力を扱える人の感覚は私以上に敏感なのできっと何かが起きているのでしょう。

 ですが、何が起きているか判らない以上どうしようもありません」


辛気くさい顔を並べて悶々と考えていればリーナがみんなにお茶を入れてくれた。


「暖かい物を召し上がって気分転換をしてください」


焼きたてのクッキーも出してくれて誰ともなく手を伸ばす。

少し甘めにできたクッキーだけど、今の疲れた脳にはちょうど良く瞬く間にクッキーは食べつくされてしまった。

勿論すぐにリーナは追加のクッキーを持ってきてくれたが


「おや、珍しい事に焼き加減を失敗しましたか?」


ルゥ姉が他の物より少しだけ焦げたクッキーを見つけ出して珍しいと一口で食べてしまう。


「そうですね

 カヤが少し疲れているようでした。

 砂糖もちょっぴり多めに入れてしまったようでしたし……」


料理好きのカヤの失敗とは珍しいと思ってるなか


「季節の移り変わりだからね。

 ひょっとしたら朝晩の気温差で風邪気味なのかな?」


クレイが心配げに人影すら見えないキッチンの方を見るも奥の方に居るのかカヤの姿は見当たらない。


「でしたらぐっすり寝る事が一番の治療になります。

 今日はもう休む様に、明日の朝も食事を用意する必要ないと伝えてください。

 なに、これだけ人手があります。

 自分達の食事ぐらいたまには自分達で用意するのも当然の事です」


一番休みなく働いているカヤにたまには休みを与えましょうと言うルゥ姉だが、この生活の休日の過ごし方は娯楽の無い生活の為にやれる事は限られる。

カヤの息抜きは料理を作ったりする事だが、限られた食材の中で調理できる物には限度があって


「だったら、俺明日森に行ってたまには何か木の実でも探してくるよ」

「なら俺達はうさぎでも狩りに行こう。

 ウサギの毛皮の帽子を冬に用意できるようにな」


意外な事に脳筋のクラウスが提案をしてくれた。


「あの、でしたら私の分もお願いできましょうか?」


ウサギの毛皮と言うワードにアメリアも目を輝かす。


「そうなるとリーナの嬢ちゃんの毛皮も必要だな」


気を聞かせて三姉妹お揃いの帽子と言う提案にただの脳筋じゃねぇなんてエンバーは驚いてはいたがリーナも控えめにだが、突然上がった自分の名前に照れながらの感謝の言葉を言う。

何かもやもやとした感覚だけが残ったが


「俺達もウサギ狩りついてってもいいですか?」


クレイが俺の首に手をまわしてこいつも一緒にと目を輝かせてクラウスの提案に食らいつき、何処かニヤニヤした顔でエンバーも俺も参加すると何か言いたげに笑う視線を俺に向けるのだった。

一体何なんだよ……

ここ最近ずっと村を作っては移動の積み重ねだっただけに娯楽と言うにはいささか血なまぐさいが狩りを楽しみたいという提案にルゥ姉もたまには子供らしく遊んでらっしゃいと許可を出してくれた。

ならいっその事レジスタンスのアジトに行く時の手土産にウサギの肉でも燻製にして持っていこうかという話になって、ルゥ姉を筆頭とした女性陣が留守番をする事になってみんなで狩りを楽しむ事にした。


こつん

こつん……


何か窓を叩く音に久しぶりにやっと雨でも降りだしたかと思うも窓枠にはバッタが張り付いていた。

バッタの腹部って気持ち悪いよなーと思いつつも皆さんのウサギ狩りの話しに耳を傾ける。

かつてはロンサールでもウサギ狩りを楽しんだというクロームの言葉に、あまり縁がなかったクレイはその話しを夢中で聞いていた。

ウードもギルドに入る前は田舎で狩人をしていたという。

秋から冬にかけての山の獣達は冬の食料の少ない時期を乗り切るためにでっぷりと太って脂がのって鍋にすると上手いと言う話を披露してくれた。

クラウスはブルトラン側の山岳地帯に住む羽耳ウサギの冬毛はとても高級で小遣い稼ぎにはぴったりで、まだ下っ端の頃はそれで金を貯めては剣を新調していたと言う。

高く買い取ってもらう方法を三者三様の意見を交えて学んでいれば


こつん

こつん……


また窓から音がしてため息が出る。

秋だからか、畑を耕して野菜があるからか虫が多いよなと雨も少ないのに嫌だなぁとぼんやりと考えながらも三者三様の買い取り問題から毛皮の剥がし方の話しに耳を傾けていれば


かりかりかり

かりかりかり……


小さく響く音に眉間を狭めてしまう。

話に夢中になっているみんなはあまり気にしないのか、それとも良く体験する事だから気にしないのかは判らないが、殺虫剤の無いこの世界では夜中に部屋何所頃かベットにまで侵入しようとする逞しい虫の無神経は正直勘弁してもらいたい。

いっその事魔法で焼き殺そうかなんて物騒な事を考えて振り向いた途端、ありえない光景が目に飛び込んだ。


「ルゥ姉!」


思わず悲鳴のように叫んでしまえば、和気藹々とした会話がぴたりとやんで


「いやーっ!!!」


顔を真っ青にして叫ぶアメリアの悲鳴に、女の子でもなくおっさん達さえなんだこれ?と言う様にあっけにとられながらも呻いていた。


振り向いた先のどの窓にもびっしりとしたバッタが窓一面に張り付いていて、向こう側の景色が見えなくなっていた。


「これは一体何なんです?!」


ルゥ姉も初めて見る光景だからか目を見開いて驚いていた。


「こいつらバッタじゃない!

 イナゴ……か?だけじゃない?!」


いつの間にか俺と同じように窓の側に来たエンバーがこいつら焼いて食べるんだけど食べてもうまくないんだよなーなんてどこの田舎料理だなんて言葉を零していたが、その前に聞き捨てならない言葉を聞いた。


「イナゴって、まさか蝗害?」


歴史の教科書ぐらいでしか知らない言葉だが、そうなるととんでもないぞと二階に駆け上がってまだ虫の少ない窓から外を見れば空が暗くなるほどのバッタの飛来が目に飛び込んだ。

西側から東側に向かって飛んでいるようだが、現在地は王都より東側。

ここでこれだけの大量のバッタに王都はどうなってるんだと音を立てて空気を飲み込めば、俺が二階に駆け上がった事でつられて見に来た奴らも言葉を失いながら呻いていた。


「ルゥ姉!とにかく……」


言い出してこの状況で何が出来ると頭を悩める。


「所で蝗害ってなんですか?」


顔を歪めて俺の元へと駆け寄ってきたルゥ姉との久しぶりのこの言葉に


「ユキトの物語にあったバッタの大量襲来だ。

 総ての植物、服みたいな植物由来の製品まで全て食い尽くしていくぞ」


誰もが顔を真っ青にする。


「確かに夏の終わりからバッタが多かった覚えはあるけど、いきなり爆発的に増える事はないだろ?」

「ここ数年数は増えていたが、ここまでの数じゃなかったぞ」


ハウオルティアにずっと暮らしていたクラウスでさえ唖然としている。


「対応策はありますか?」


二階に上がって来たルゥ姉がクロームを連れて来ておびただしい数のバッタに蒼白となっていれば


「自然災害だ。

 いや、人災と言ってもいいかもしれないが、この状況はあと数年続く」


俺の言葉に絶望とした顔を隠せずに一度リビングに集まろうと集合を掛けるも、もともと話し合いをしていただけにすぐに全員がテーブルに着く事が出来た。

リーナがカヤの顔色が悪いので休ませていると言って、カヤ抜きで話を始める事になった。


「今回のバッタの襲来をフリュゲールで読んだ本では蝗害と書いてあった。

 さっきも言ったがこれから産卵に時期を迎える為に植物を食べつくして移動していく。

 地面に卵を産み付けるから冬も乗り切れる。

 だから、バッタの進行上の土地では春にも蝗害が発生すると思う。

 バッタが発生する事で植物を食べる動物も餓える事になる。

 そうなると生態系が乱れて他の動物たちも影響が出る可能性もある。

 もちろん人間もだ。

 風に乗って移動する為、ハウオルティアの西からの海風に乗って移動するのは想像つくが、こんな内陸地まで来るとなるとたぶん他にも原因があるのだろう。

 対策としては卵を産み付ける前に駆除するのが一番なのだが……

 駆除を続ける。発生した以上これしかやれる事はないと思う」


誰もが窓の外を見てどうやってこれだけの数を駆除すればいいのかと考えてしまう。

殺虫剤があればもう少し何とかできるのかもしれないが、これだけの大量発生にもう効くとも思えない。

この世界に在るのは虫への対策だけで、比較的こう言った害虫の大量発生の、ルゥ姉でさえ記憶にとどめるような懸案の無さに発生した虫への対応の無さにどうすればいいのか顔を青くして思考を繰り返しているようだ。


「判りました。

 何もしないよりは少しでも数を減らす方向で生きましょう。

 クローム、貴方が指揮を執ってバッタを焼いて行きなさい。

 私とディック、アリシアとクラウスは王都に向います。

 王都の様子も心配なので……エンバー、貴方も着いて着なさい。

 ここからなら馬を使えば王都まで一晩でたどり着けます。

 こんな状況なので交渉してすぐに戻って来るのでそれまでクローム、この村をお願いします。

 紅緋の方達は他の村がどんな状況か確認を、シアーはガーネットにも報告してロンサールにも影響が出てないか様子を見てください。

 既に地面に卵を産み付けている可能性もあります」


窓辺まで歩いて窓を内側から叩いてバッタを追い払って見えた外の景色に、腰に手を置いたルゥ姉は少しだて沈黙した後


「畑を焼き切るように魔法を放ってください。

 後にも卵を産み付けられると思いますが、ここには餌がない事を学ばせなくてはなりません。

 というか、既に育てた野菜は食べつくされているようです。

 皆さんも身に纏う服まで食べられないようにお気を付け下さ。

 ちなみに私は動物性の服を持っているので、少々暑いですがそちらに着替えますので安心ですね」


重くなりがちな話の終わりに自分の対策は万全だと言うルゥ姉の話しの締めくくりに誰もが羨ましいと目を丸くするのに思わず吹き出してしまったが


「とりあえず、このバッタが通り過ぎるまでが山場だ。

 常駐することもないから小まめに退治して行こう。

 冬が来れば当然のようにバッタは寒さで死ぬ。

 冬の間に畑の土を混ぜてをもう一度徹底的に焼き切って卵を潰して行こう」


延々とこの状況が続く事はないと言えば、誰もが終わりのある事だと気づいて少しだけやる気が見えだした。


「それではみなさん行動開始しましょう。

 リーナは各部屋の戸締りをチェックして、我々の出入りする時に入り込んだバッタの駆除とカヤの面倒をお願いします」

「承知いたしました」


何故か既に箒を持ってスタンバイしていたリーナにこれなら家の中は大丈夫だなと箒の毛先に既に潰されたバッタが絡まっているあたり、彼女は既にバッタとの死闘を繰り返していたのだろう。

最近やけに箒を持ってる姿をよく見るなと思ったらリーナなりに戦う事を覚えようとしていたようだ。

このメンツで最弱なのは間違いないかもしれないが……

バッタに悲鳴を上げるアメリアが居たなと、いつの間にかリーナの背後でバッタから守ってもらう姿が定着している事にやっと気が付いた。

だから最近妙に一緒に居たのかとやっと納得できて苦笑いするしかない。


そんなアメリアをリーナから引っぺがしてルゥ姉は彼女に旅支度をさせた。

ドヴォー織りの服に着替えさせて、ちゃっかりガーランドから持ち帰ったドヴォー織りのシーツをマント代わりに俺達は身体を包む。

頭からすっぽりと見に包めば、唯一支給されなかったクラウスさんはそんな女々しい格好なんてやってられるかといっていたが……


一晩かけて王都へとたどり着いた時は服の至る所に穴が開き肌も少しかじられたようで彼だけがみすぼらしい姿になっていたのを俺達は視線を反らせることで気付かないふりをしてあげた。

前に後書きにおまけで書いていたエンバーの話を別に立ち上げました。

とりあえず前回までの復習としてあげた所まで載せました。

よろしくお願いします。


始まりの剣

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