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後は頼んだ……

ブックマーク、感想ありがとうございます。

めざせ週一更新ですがよろしくお願いします。

一面の野原を見渡し、両手を前から大きく振り上げて背伸びの運動。

ではなく、両手を前に突き出して左右に振りきりながらの


『フレイムバード!』


振り切った手の軌道がまるで鳥の翼のように、炎を纏った鳥は真っすぐ羽ばたきながら進んでいく。

シュネルをイメージしながら作った炎の鳥だ。

ラン兄の頭を巣にチョンと座ってるイメージが強いが、ほんとはもっとおっかない鳥だと言う所も最後まで見る機会はなかったけど。俺の中のシュネルのイメージはどんな場所も誰よりも早く、そして狭い岩場だろうが地表すれすれはもちろん雲の上だろうが、木々の枝の合間だろうがどんな所でも巧みに飛んでいくそんな鳥だ。

その鳥が炎を纏い、地面擦れ擦れの草だけを燃やして飛び回る。

実にイメージしやすいじゃないか。

まっすぐ飛んで少しだけ遠くなった崖に当る前にUターンして戻ってきた所で魔力が尽きて消滅した。

まずまずの出来だ。


「とまあ、こんな感じで取り過ぎる瞬間草を燃やして、通り過ぎた時には火の子を残さないようにする。

 そして最後は水をかけて……は俺がやるな。

 とりあえず終わったら声をかけてくれ」

「まぁ、これなら簡単そうだな」

「っていうか、戻ってくるとか怖いだろ」

「じゃあ、まずは崖に向かって飛ばしながらコツを掴もうか?」

「よし!『フレイムバード!』」


練り上げた魔力と炎のイメージ、そしてまっすぐ飛んでいく鳥の姿を重ね合せて具現したその姿は優美な鳥の姿とは程遠いがまっすぐ飛んで行って、崖に当った所で霧散した。


「ウインドカッターの応用だな」


早速試した奴がそんな評価を下すも


「火力がちと難しいな」


通り過ぎた未完成のフレイムバードの通り道は草の先っぽを焦がしただけ。


「どのみち良い訓練になるな」


そう言いだした紅緋の翼の人は雌黄の剣の人達にまずはこれをマスターしようと声を掛け合ていた。

鳥じゃなく狼だったり馬だったり。

勝手にアレンジしている様子にこの様子なら大丈夫だなとほかって来た。


やたらと盛り上がる一団をルゥ姉とクロームに任せて俺はリーナと土魔法の得意な人達と一緒に馬に乗って森の方へと向かった。

リーナに案内された先は森の中の山道を登り、汗ばむ頃にごうごうという音を遠くから聞こえてきた。

次第に濃くなる緑の匂い。そして交わる土と水の匂いと


「うわぁ、滝だ……」

「水源はこの滝の上流にある森に在ります。

 幾つもの湧水が溢れる場所からこの滝へと集約されて流れています。

 崖を登らなくては見る事が出来ませんが、この崖の上は湧き水がたまった巨大湖となっているそうです。

 御覧の通り切り立つ崖は登るのが困難な為にあまりこの国の方達もご存じなく、巨大湖には精霊が住んでいると聞きます。

 なので、崖から上は聖域として上る事を禁じられておりましたが、まず登るのは困難なのでそう言った意味合いなのだと思います」

「つまり高いから登るなよって意味か」

「精霊の守護する妖精も多数いると言われています。

 どちらも一度も見た事はありません」

「これだけの迫力ある滝だったら精霊や妖精が居てもおかしくはないって話だよな」


最も俺の知る精霊や妖精達は自然が好きなのは当然だが、人間が編み出した文明も大好物なのだ。

それに好奇心旺盛の奴らが一か所でじっとしているはずがない、そんなわけがない。

あまりの神秘的な光景に神聖化された雄大な自然にそう言った話になった。

一番無難な着地地点だろう。


見上げるぐらいの高い場所から落ちる水は岩場に当り、跳ねて霧散する。

どどどどどど……

勢いよく流れ落ちた滝つぼに馬から下りて触れれば身震いするほど冷たく、水面を叩いて跳ね上がる飛沫は風に流されて俺達の全身に降り注ぐ。

さすがに安全道具もないこの世界のクライミング事情では登る気もないし、代わりに魔法で何とかできるだろうがさすがにトレーニングもなしに登る勇者にもなれない。


思わぬ光景に誰もが子供のようにはしゃいで滝つぼの水に手を指し伸ばして顔を洗い、のどを潤す側では馬達も水を求めて冷たいと言ってもいい空気に機嫌よくはしゃぎ回る。

人間同様、火照った体にはこの心地よさはたまらないだろう。

一歩離れた所でこんな俺達を微笑ましそうな笑みを浮かべてひっそりとたたずむリーナの存在を思い出して、あわてて水場から離れ


「ここからどっちに流れているんだ?」


今更取り繕って見せるも、すでにばっちりと豊富な水で戯れた後の残る恰好では様にならず、リーナも小さく噴き出して笑いだしてしまう始末。

聞けば来た方向とは違う方に流れている川に


「紅緋の翼の皆さんが向かった隣村の方に向かって流れてて、途中から別れて村に流れてます」

「だよね。

 これだけの水量なんだから川が消えるなんてわけないよな。

 そうなるとこちら側の支流がが潰されてるのか、地形の変化があったかだ」

「ご案内いたします」

「じゃあ、全員出発するぞ!」


声をかければ火照った体も冷えて、喉も潤してさっぱりとした顔つきになった一同はこれから作る村の水源を後にして、川の流れに沿って馬を歩かせるのだった。

岩場だらけだし、降り積もった木の葉の腐葉土具合もあるし、何よりロンサールの方々が大量に流れる水の中に泳ぐ魚の群れが大層気になってるようで、滝つぼから一刻もしない合間に休憩を入れる事にした。

そうすれば一瞬で馬から下りた紅緋の翼の二名の方達は魚を捕まえに川に飛び込んで流される始末……


えー?


馬を連れてみんなで慌てて川に飲み込まれるロンサールの方達を追いかけて溺れる二人を何とか魔法でうまく浅瀬へと誘導して助ける事が出来た。


「す、すみません。あんなにも流れが速いなんて思わなくて」

「水、つめてぇ……」


魔法で服は乾かせどガタガタと震える冷え切った体はすぐには温まらなく、焚火で暖まりながらその合間に捕まえた魚を焼いて食べていた。


「えーと、ベルトさんにシリルさんだっけ?

 無茶しないでください。

 運良く浅瀬に引き込めたからいい物を、場所によって水圧で川底に沈んで浮いて来ない事もあるんだぞ」


こんな事で命を落とすなんて論外だと言えば申し訳なさそうな二人は筋肉マッチョの大きな体を可哀想なくらいちいさくしているのをみて残りの雌黄の剣の細マッチョの三人グンター、ヘクトール、ライナーが彼らのフォローをしてくれた。


「ロンサールの川はこの川と違って流れも穏やかでこんな深い川ではないのです」

「もっと生ぬるいような、透明度は断然こちらの方が澄んでて綺麗なのですが……」

「ロンサールでは川はもっと身近な物でした。

 川で身体を洗ったり、生活に密着した付き合い方をしてました」


説明されて納得できる物の


「ここはロンサールではないし、見ての通り地形も違う。

 人の住まない源流にも近い山間の川に生活に密着した川とも違う事を理解しないと、水は恐ろしいって言う事を事故があってからしか気付けないぞ」

「ええ、確かに我々の知ってる川とも違うので、今かなり戸惑ってますが……」


俺達が反省会している横では即席で作られたヤナに運悪くかかった魚がまた一匹ぴちぴちと跳ねていた。


「これはハウオルティアの漁法ですか?それともフリュゲールの?」

「あー、フリュゲールの図書館で見た本に書いてあった方法だよ。

 ヤナ猟って言って川を下る魚を捕る漁法だから、あまり取れないと思ったんだけど結構捕れたな……」


さすがにこれは俺もびっくりだ。

この世界の魚の習性なんて知らないけど、試しにやってかかればラッキーぐらいのつもりで仕掛けてみた。

ほら、釣竿はもりろん糸も針もないからね。

逞しい紅緋の翼の皆さんがここでもはびこってる竹から釣竿を作ろうとしている現地調達を見て俺も遊び半分実験半分でやらせてもらったのだ。

魔法で竹をスパパパパと切って、魔法で枝をスパパパパと切り落とし、紅緋の剣のお二方に川底に固定する様に斜めに突き立ててもらい、少し上流の方で魔法で川をちょびっと爆発させたら慌てて逃げてきたお魚さん達を一網打尽……ではないが、俺達の腹を満たす程度に捕獲する事に成功した。

ヤナに打ち上げられた魚はリーナでも捕まえる事が出来、俺が塩を採りだせば早速焚火で魚を焼いてくれるのだった。


なので、反省会と言う場は焼きたてのお魚さんを食べながらの何とも言えない状況だが、取り出した内臓をヤナの上に捨てれば血の匂いにつられて魚はもちろんサンショウウオっぽい謎の生き物もやって来た。

うん。血肉に反応するって事は肉食系のヤツだからどんくさそうな動きしてても危険なんだよな?なんて思っている合間にも紅緋の翼の人がうまそー!の一言で屠ってしまい、今目の前でこんがりと丸焼きになっている。

これも食べるのかと思うもリーナは「鳥肉みたいでおいしいですよ。特に後ろ足がおすすめです」と言う経験者の言葉に促されるまま口へと運ぶも、悲しい事に俺の知ってる鳥肉よりもぷりっぷりの食感に何かのハーブのような香りを持つ味に……皮はこんがりと焼けて真っ黒になった姿を残して骨から身を外すように殺げ落とされたその姿に涙を覚えるもそれを食べる手は止められなかった。

思わぬごちそうの後はヤナを解体と言うか、川べりに引き上げ、火の始末を水の魔法で徹底的にした後また馬に跨り川を下る事になる。


お魚を食べた場所から一刻もしないうちに視界は広がり、馬上からでも川が二手に分かれるポイントが見えた。

方や悠々と水を湛える美しい川と、方や岩で大半を塞がれわずかな水しか、農業用水路で流れてるくらいのちょろちょろとした量と言うか、隙間から漏れているという程度にしか流れ込まない状態になっていた。

それでも十分足を取られる流れの勢いはあるけど、それでも一つの村に流れる量ではなかった。


「この川はこのままバルハウス領の中心地に向かって流れ、その後隣の領から海へと向かって流れて行きます。

 たぶん今となっては水の必要のない村には水を流さないようにして水量の確保を狙ったのでしょう」


リーナの言葉に俺も「そうだな」と頷く。

何で納得できるんだ?と言うような周囲の視線に


「見ろよ。川幅が水量と全然違う。

 護岸整備もしてあるから、本来ならちょっと段違いになっているあの場所まで常時川が流れていたはずだ」


息をのむ音が耳に届いた。

覚えのある何かを思い出したのだろう。


「あながち水源に精霊が住んでいるって言うのは本当かもな。

 それともハウオルティアの精霊がロンサールのように力を失いつつあるのか、両方なのか判らないけど」


遠めに見える先細りする川の様子に俺達はとりあえず今後の方針を決める。


「まずはここから村への川の様子を見よう。

 少しでも流れが途切れないように川底をあさりながら整備しよう。

 岩は準備出来てからでいい。どけると俺達が村に住んでいるのがばれるからな。

「なら積もった泥から摂りましょうか」


この世界でもかいぼりはやるみたいだ。

紅緋の翼のお二方は両手を地面に置いて口の中でもそもそと聞こえないように呪文を唱える。

こう言ったのはオリジナルの魔法の場合が多い事をエンバーから聞いていた。

みんなが知ってる魔法を広めてもお金にならないから、どれだけ自分に都合のいい魔法になるかと皆さん試行錯誤で試すらしい。

都会の魔法使いさんはこう言った事は否定的だが、大自然の、隣近所が辛うじて視界に移るような田舎では多少魔法を暴発しても被害が発生、もしくは自滅するだけだからとこう言った実験を良くしているという。


「信じるなよ」

「前提がおかしい時点でダメでしょ……」


都会育ちの魔法使いさんがわざわざ忠告してくれるが、言われなくてもそれぐらい理解はできる。

自滅が前提だなんておかしすぎるだろうと様子を見ていればベルトさんとシリルさんが置いた手を始点に前方の土がごそっと耕かされた。


は?


かいぼりってこうだっけと首をひねっていれば


「おーい、川の砂底を漁らないといけないだろ!」


雌黄の剣の人のツッコミにやっぱりこの人達のやり方違うよねと、ちょっとだけ俺の知識が間違ってなかった事にホッとしていれば


「砂底を漁るんだからこうだろ」


言って、紅緋の翼の人達と同じように口の中でもごもごと呪文を唱えればやはり手を置いた視点から前方に向かって土がボコッと減った?!

って、なんで土が無くなるんだよ?!

って言うか、どこ行ったんだよ?!

の前に


「土は乾かして畑に混ぜ込んで肥料にするんだろ?!」

「土は土手作りの素材にするに決まってます」

「え?水を流せばいいじゃん」


思わぬ所で意見が対立した。

だけど


「水に流すなんてもったいないだろ!」


俺と雌黄の人で紅緋の人の意見は瞬殺された。


「肥料にするのもいいがどうやってまだ作ってもない畑の肥料にする」

「土を消しといて土手作りってどういう方法」


思わず睨み合ってしまうも


「まず収納魔法で土を削ります」


ボコッと土が消えたあと雌黄の剣の人は土手を登って両手を地面に向けて


「排出!」


ボコッと土が盛られていた。

そして何故かその手が俺の肩に、両側に立った二人から手を置かれて


「収納魔法出来るんだったよな?

 せっかくだから練習しようか。

 なーに、ルーティアみたいになれって言ってるわけじゃない。

 少しでも多く入れる事が出来ればラッキーなくらいで練習しようか」


凄い笑顔が両側から俺の肩に手を置いていたではなく、捕獲されていた。

あ……あれ?

なんか展開違くない?

周囲を見回せばもう一人の雌黄の人もせっかくだからリーナちゃんも覚えようね?

と無理やりうんと言わせた挙句紅緋の人に勝手に指示を出していた。


「折角だから深く水路を作りたいから柔らかくしておいてくれるかな?

 そうそうディータ。

 収納する時うまーく土だけを収納するんだぞ?

 そうすれば石だけが残って川底にはぴったりな環境になる」

「排出する時はただ吐き出すだけではなく、ちゃんと土手を作るイメージをして排出すると改めての土手作りって言う手間が省けて楽だからね?」


にっこりと笑みを浮かべての指導は笑顔のはずなのになぜか恐怖しか感じない。

確か俺が指導する立場だったはずだったのにと言われるまま土を運んでいれば


「所でお三方は騎士団の時はどちらの所属でしたか?」


土を掘り返しながらシリルが仕事の合間に雌黄の人達に聞けば


「俺らは今は亡きビルクナー隊長の部隊所属なんだ」


自慢なのかグンターさんが誇らしげに言えば


「ビルクナー隊長って民間出身の隊長……」

「土木作業隊と言われるビルクナー隊長の部下だったんだ……」


「土木作業隊ってなんだよ……」


つっこまずにいられない不穏なキーワードを口に出してしまえば


「言葉通りだよ」

「民間出身が昇進するとこういう場所に回される良い例さ。

 最も隊長も農家出身だから喜んで土木作業を請け負って生まれの村近辺の手の入れようは半端なかったから」

「職権乱用もいいとこだよな」

「同じ村出身者としては堂々と帰郷で来てありがたかったけど」


笑いながらヘクトールさんは土をボコッと収納して土手の上で見事な斜面を描く土手の補強をしてくれた。

だけど、肝心なのは遥か遠くにも見えない俺達の拠点にいつになれば辿り着くと言う事かという所。


「提案があるけどいいかな?」


なにが?

と言うようにリーナ含めた6人の振り向いた顔に俺は頬を引き攣らせて


「今からちょっと大きな魔法使うから。

 ぶっ倒れたらリーナの案内で今日は村まで帰ろうか?」


だってそうだろ?

こんなちまちまとした方法で川底をさらうなんて、たった7人でやる作業じゃない。

雌黄も紅緋も俺がまたおかしな事をやるんじゃないかといい笑顔で二つ返事をする中、リーナを連れて土手の上へと避難してくれた。


目を瞑り思い出すのはクラーケンに襲われた船の上。

折られたマストに向かって手を伸ばしてイメージだけで作り上げた一つの魔法。

但し今回は一本の木の棒ではなく蛇行して水も流れる川その物。

剣を取出し地面に剣先を当てて目を瞑って集中。

範囲はこの目で見える距離でいい。

蛇行する川の流れを、土手を壊さないように頭の中で何度も確認して剣に魔力を集める。


『グランドクラッシュ!』


剣を川の下流に向かって力いっぱい振り切った。

剣先を始点にボコボコット土が耕されたように盛り上がり、下流に向かって土の中に何かモグラのような生き物が走っているかのように水気を含んだ土が地表に現れていた。


「とりあえず、今日は帰ろう。

 ルゥ姉に説明よろしく……」


俺はその一言に視界が暗転。

何やら騒がしい声が押し寄せてきたけど、とりあえず無事帰ってねと願いながら意識を放棄した。




 クロームは話に割り込まれた事を気にせず、寧ろいいタイミングだと冷めかけた紅茶を一口飲み


「空気読めないだけなら可愛いもんさ。

 ガーネットは真っ赤なドレスと真っ赤なストールを羽織って義勇軍と騎士団とが自然に分かれた真ん中に立ってテラスに立つ王妃を見上げて


『たかが魔獣ごときにこの国は何をしている。

 王妃も王妃だ!

 こんな役に立たない男達にいつまで国を任している。 

 我々女は酒場で酌をする男達がついに絶滅したぞ!

 王妃がここで貴重な男どもを囲うだけの国なら滅びてしまえばいい!!』


 あの時はついぞ反論さえ思い浮かばなかったよ。

 あまりに場違いと言うか、国が滅亡一歩手前だと言うのに止めは内側から滅べばいいと言われてしまった時、国とはこうやって滅んでいくのだなと痛感させられた。

 だが我が母も王妃だ。

 ガーネットをテラスから見下ろして言った。


『なら女ならどうするべきだ?

 この戦いのどこに勝機を見出すと言う?

 総てを許す。

 やって見せよ』


 あの時隣で見ていたから私は知っているが、王妃と言えど一人の女性。

 亡き王の代わりに未来の見えない戦いに泣く事も嘆く事も許されない玉座で滅亡だけをずっと見続けていた王妃は震える手足でガーネットに最後の強がりを言ってのけ、彼女に全責任を押し付けたんだ。

 だけどガーネットはあの時のあの状況すら鼻で笑い


『そんなものすべてを焼け野原にしてしまえばいい。

 周辺の村も全てもう人も動物も何もない。

 総てと引き換えに城壁が囲む王都の中だけがこの国に残された総てだ。

 こそこそと魔物がやってこれないように見通しよくすりゃいいだけの話さ』


 言って彼女はその膨大な魔力で城壁内総てを結界で囲い、無尽蔵なのかと言うような莫大な魔力で小さな太陽のような火の玉をこの国に落とし、結界の外は言葉通り王都周辺総てを焼け野原にしてしまった。

 あまりにも簡単に、あまりにもあっけなくて、ただ誰もが彼女の魔法に度肝を抜かされて城の庭で集められた我々は情けない事に王都の外がどうなったのか一丸となって見に行く事になったんだよ」

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