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七つの任務

ブックマークありがとうございます!

週一程度の更新ですが、よろしければお付き合いください。

思わぬ地下倉庫のお宝の保存食にエンバーとクレイは大喜びで早速夕食に並ぶ事になった。

色んな食材をオイル漬けしたり酢漬けにしてこの暑いロンサールの食料の保存方法となったのだが、どうやら詳しく調べてみると地下倉庫自体にも魔術がかかっており、保存食の更なる保存状態の維持が完璧に近い状態となっていたようだった。

ルゥ姉は見つけた魔法陣を興味深くノートに書き込み暫少し実験してきますと何故か納屋へと向かって行った。

エンバーもワインを食堂に在ったボトルに詰めてクレイと飲みながらパスタのような麺にオイルサーディンに似た物と唐辛子に似た辛い香辛料と胡椒のようなピリッとした香辛料を仕上げに加えて手早く混ぜた物を俺にも簡単だけど食事だと出してくれた。


「まあ、思わぬごちそうに在りつけて是非とも食べるべきものだが」

「サッシュのオイル漬けの苦手意識がこれでなくなると思うんだけど?」

「確かにこれは旨い!」


俺は目から鱗と言うようにそのパスタをがっついていた。


「何であのオイル漬けの時は生臭かったのにこうやってパスタに絡めるとこんなにも香ばしくって美味いんだよ!くっそー!!」


しかもこの鼻に抜けるような胡椒の辛みとピリリと効いた唐辛子、そして燻製したのかチップの香りがガーリックとよく合わさって病み付きになりそうな頭と内臓を取られた姿を知らない魚のサッシュとやら。


「料理はさぞうまかったんだろうな」


仕分けした荷物が部屋の一角を占める食堂で俺達三人は小さなパーティーでもやっているかのように賑やかに食事を楽しんでいれば


「おやおや皆さんお揃いで引っ越し祝いですか?」


セイジを筆頭に色々な厳つい人を連れてやってきた。

その中には当然クロームの姿もあって


「おや、家主の姿が見えないが?」

「あー、庭の納屋でなんか実験中。

 巻き込まれたかったらどうぞ」


そう言って裏口へのドアへと指を示せば


「何を物騒なこと言ってるのです。

 私なりにあの納屋の活用方法を思いついたので少し仕掛けてきただけです。

 それよりもいきなりの事でしたのに良くこんなにも大人数が集まりましたね」


と言いつつもルゥ姉は俺達の食べている物を興味深げに覗き込む。

大丈夫。ちゃんとフライパンに残ってるとこれを作ったクレイが皿に盛りながら


「セイジ、一応販売希望価格と個数を書いておいたので交渉お願いします」


セイジに丸投げをしてパスタを楽しみだした。


「さっきの魚をこうやって食べるのですね。

 なかなかどうしておいしい料理に変りましたね」


感心しながらもぱくぱくと、一瞬にして綺麗に食べてしまったルゥ姉は置いてあったワインを一口飲んで


「セイジ、どうなりました?」

「もちろん言い値で買わせていただきます」

「おや、ぼったくられてるかもしれませんよ?」

「いや、案外良心的な値段で助かった」


クロームが皮袋から支払いの金を机の上に並べて行く。


「そうでしたか?」

「ああ、正直今この国には資源もだが、それを作る作り手も不足している。

 総て不足してるからこうやって譲ってもらえるとありがたい」

「それは良かったです」


厳つい男達が次々にセイジのチェックを受けてから運び出していた。


「所でこの後時間はあるだろうか?」

「何かお話でも?」

「ああ、いや、そうではなく任務の話しになる」


まるで何か誘い出す口実かと首をかしげるルゥ姉にクロームはさっきのあれもあって顔を赤らめて否定すれば


「でしたら伺いましょう」

「そうしてくれると助かる。

 こっちに来たついでに話をしようかと思ったけどイングリットが何やら騒いでな」


手をこまねいているようだった。


「そうそう、クレイですが、当面私共と一緒に住もうかと思っております」

「ほう?」

「まぁ、魔よけと思ってもらえればよろしいかと」


異国より来た人物に貴重な家を買われてしまった。

しかも裕福で何不自由なく暮らしをしているのを見て嫌がらせの一つぐらいしたくなる心理と言う物がこの世の中にはあったりする。

それをクレイという元王子で人気ギルドの高ランカーが一緒にいるとなれば仕返しに何されるかわからない=怖いになって無事暮らせると言う最低限の保険と言ってもいいだろう。


「まぁ、それで納得するかどうかはわからないが」


むむむと眉間にしわを寄せるクロームにルーティアはそれこそ魔女らしい弧を描く笑みを作って


「例えばイングリットでしょうか?」


不安を具現化する彼女の名前を出せば思わずと言うように目を閉じたクロームに横で話を聞いていた俺達も溜息を零すしかない。


「まぁ、誰とは聞きませんが、先ほど地下室で見つけた物質保存の魔方陣を見ていくつか留守中でも安心なようにいろいろとこの屋敷に小細工を施してきました。

 簡単に例を上げるとするならこの屋敷の住人、私とディック、エンバーとクレイですね。

 今の所この四人に害意ある者が入れない術とか、許可なくこの四人以外が家の荷物を持っていけない様にとか、火災水害など人災や災害に遭わない様にとか、それがその身に返るとか、そんな程度です

 来客前に完成して安心しました」

「いや、それは十分恐怖になるのでは?」

「そうですか?

 私はかつて主の許可の無き者以外入る事の叶わない屋敷に住まわせていただきましたが、その屋敷は主の腹の中と言った物でそれこそどうあがいても叶わない恐怖の中に居ましたが、上手く付き合えばそこ以上快適な場所はありえませんでしたしね」

「確かに屋敷内の行動が逐一監視されてると言っていい物だったけど、別に向こうもそう言った意図もないしそう言うつくりだから諦めろって言う物だし、何より安全を保障してくれるならそれ以上の物もないし」


結局の所気にもならなかったし純粋にあの生活は楽しかったのだ。

あの生活を文句言えば罰が当たると言う所。

だけどクロームはどこか納得できないまでも理解しようとはしてくれているようだった。


「そんなわけで先ほどお会いした方以外の方にもお会いできることを楽しみにしてます」


とだけ言ってクレイにおかわりを要求していた。

うん。さっきから地味に魔力ガンガン使ってたからね。

怖くて何をしているのか聞けなかったからね。

エンバーとクレイのあの人何やってるのって言う訴えの視線の俺が聞きたいとしか返せなかったからね。

とりあえず防犯がばっちりなら安心して出かけられると言う物だろう。


「ルゥ姉!俺もギルド初めてだから一緒に行きたい!」

「ああ、先ほど作ったギルドカードも早速使わないとな」

「でしたらみんなで参りましょう。

 エンバーもクレイの引っ越し要員について来なさい」

「そりゃかまわんけど」

「何か面白い事が起きると良いですね」


わくわくと言った顔でルゥ姉はさあ参りましょう!とクロームの腕を引っ張って荷物要員のギルドの人達を急がせるのだった。






雌黄の剣のアジトへ着けばやはりと前回同様イングリットが入口で待ちわびていた。

腕は組まないものの隣を歩くルーティアに目くじらを立てて


「ちょっと新人!

 あんた何新人の分際で団長の隣を歩いているのよ!」


早速噛み付いてきた叫び声にとりまきなのか周囲に居た同じぐらいの年頃の女の子達まで集まり出して睨み上げていた。

こえええええええっっっ!!!

その視線よりもそんな風に何も考えずに人を見下した人間に対するルゥ姉の楽しそうな視線が特にっ!!!

俺はルゥ姉の顔を見れずにぶるぶると震えていれば何が怖いか察したエンバーとクレイも俺の側に固まってルゥ姉のやっていいですか?やってもいいですよね?!やっちゃいますよ!!と言いたげな視線に俺はセイジさんの背後に陣取ってどうぞとゴーサインを出す。


「新人ですが団長と話をするのに隣に居る事に何か問題でも?」


早速至極当然と言う言葉で返せば何故かカチンと来たらしい彼女は


「まだみんなにも挨拶してない分際で隣を歩くって私達に失礼じゃない?」

「そうでしょうか?

 皆さんに挨拶をするにあたって打ち合わせに問題がありましたか?」

「そこにいるセイジで十分でしょ!」

「イングリット殿申し訳ありませんが。

 私はただいま先ほどの家具の引き取りの交渉でこちらのディック殿とお話をさせていただいていたので」


なんせこの国では長男が家長とかいう制度の為に最終的な売買完了の契約とかは俺の仕事になってくる。

たとえ未成年であっても成人しているルゥ姉が保証人となって問題はない。

国ごとにこう言った所で差があり、詳しい人がいて良かったと思う所でもあった。

とばっちりを受けたセイジさんには申し訳ないけどね。


「そんな事ぐらいクレイでも十分でしょ!

 クローム団長はとてもお忙しい身です!

 貴方達よそ者に割り当てる時間はないのよ!」

「おやおや、だとしたらそれこそお話を早く済ませなくては。

 クローム殿、急ぎましょう」


するりとクロームに腕をからめて足を速めるルーティアにイングリットは顔を真っ赤にしてキーっ!っと喚き始める。


「うわー、俺キーって言う奴初めて見たかも」

「奇遇ですね。私もそのようなはしたない言葉初めて聞きました」


やだ怖いとクロームに絡める腕にそっと身を預ける姿にイングリットの顔はさらに赤く、どす黒くなっていくも、あら怖いと言った当人はものすごく楽しそうな顔をしている。

クロームもここまでの事態は慣れてないのか何と言えばいいか判らない顔をしてるが、クレイもエンバーも既にどこか諦めたかのような達観とした顔をしていた。


「イングリットもいい加減にしないか。

 そしてルーティア、君も……そのなんだ……」


言いにくそうにイングリットとは違う要素で赤らめた顔の視線は無言で訴えている。

寄り添う腕に押し付けられたモノに。

フリュゲールで完全ガードのハウオルティアファッションを脱出したルーティアの服装は今も軽装と言ってもいいぐらいのワンピースだ。

この国の標準的な服装から言えばヒラヒラのドレスと言っても間違いではないだろう。

そしてフリュゲール発祥のファッション革命の最先端を行くルーティアは胸元が見えるか見えないかの境界線だがそのボリュームがちらりと見えたり、滑らかな腰つきのラインを隠さないマーメイドラインは大胆にも膝を見せるほどの丈だが、後ろのドレープの豊かさと足首までの丈は逆に淑女さを見せつけている。

何よりもいつの間に履き替えたのか黒いサンダルが革靴と言っても差支えのない周囲の少女の靴と比べても女子力の違いを見せつけるだけで。

一言で言えばたとえ既婚歴があれどクロームは完全にルゥ姉の胸と腰突き当りに釘付けになっていた。

その証拠に先ほどからその片手が十代の少女にはまだない腰に回されているのがその証拠だろう。


「なによ!そんな年増にみっともない顔をして!」


イングリットの言う事に二児の母なんだからもっともだと頷いていれば


「そうですね。私の生き様にはお子様にはない物ですからね。

 と言いますか、その年でそれはないでしょう」


そんな事言われても何も思いませんと言う返事と女同士ならではの口げんかの致命的な一言、しかもそれなりに周囲に男性がいる場での発言にイングリットはついに目尻に涙をためて駆け出して行ってしまった。


「おやおや、若いですね」

「いや、今のはあんたが悪い」


誰もいたたまれない顔をしながら見つめる中、ルゥ姉はクロームから腕を解き


「そうでしょうか?

 相手も見ずに喧嘩を打って痛い目に合う事を学ぶには少々遅い位ですよ?」


さも当然と言った顔のルーティアはセイジにさあ行きましょうと先を促した。

先を進む二人を眺めながら何やら頭が痛そうに片手で顔を覆うクロームにあんたも苦労するなとシルバーがワフンと訴えていた。






クロームの執務室の隣には作戦会議用の部屋があった。

セイジと言う人物はよほどできる人物か先ほど戻った時に俺達の任務の説明が出来るように既に準備もしていたらしい。

机を囲むように人数分の椅子と着席してすぐに紅茶が出される当たりこのギルドの教養がいきわたっている証拠だと感じる。

いかにも荒事、力仕事が苦手そうな女の子は姿勢と礼儀正しいあいさつで入ってきて出て行ったのだ。

まるでどこかのお屋敷に居るかのような錯覚さえしてしまい


「まるでどこぞのお屋敷のメイドだな」


感心して口に出してしまえばクロームが苦笑。


「ああ、私の部屋付だった者だ。

 城を出た時に付いてきてしまった」

「となると防衛の頭数と見てよろしいのでしょうか?」

「ああ見えても土系の魔術が得意なんだ」

「そういやさっきクレイから聞いたんだけど、城の方にカヤ・エンデが居るんだって?

 元気にしてるかな」


思い出したようにカヤの話しをルゥ姉に言えば、驚いた顔を隠せずに


「カヤはこちらに居るのですか?」

「直接会ったわけではないけど、クレイの話しを聞くとたぶん同一人物」

「そうでしたか。無事脱出して新しい人生を歩んでいてほっとしました」


自然に浮かぶルーティアの笑みにクロームも面識があるのか


「カヤを知っているのですか?」


話しに乗ってくる。


「ああ、昔家で短かったけど雇ってたんだ」


確か俺のお手製の不恰好なペンをプレゼントした娘だ。

部屋の掃除を手早く済ませて少しだけ俺の部屋の本を読む許可を与えて、よく感想をいい合っていた活字の冒険者だ。


「そうか、今度会ったら滞在してる事を話しておくよ」

「ああ、でも無事でやってるって事ぐらいでいいよ」

「そうか?」

「せっかくの今の生活を壊したくないしな」


クロームは苦笑するだけでこの話は終わってしまう中セイジが紙の束から一枚の羊皮紙を机の上に置いた。

高難易度過ぎて塩漬けになっている任務の束の一枚だ。


「では、この任務の説明をしま……」

「おや、私達に選び代はないのですか?」


ルゥ姉の言葉にセイジはクロームに視線を流して判断を仰ぐ。


「実は急務性のある物からお願いしようと思っているのだが」

「正直言うと任務を一つ一つこなしていくと言う方法は非効率的だと思うのです」


ルゥ姉の言う事にクローム達はギルドの任務の事を判ってないなと言う顔をしているが


「私もそれなりにギルドと言う物について、任務と言う物について、その間の生活や作戦やらいろいろ考えるだけの時間はあったので実践まがいの事もしてきました。

 と言っても魔物の居ないフリュゲール。

 軍の方や騎士の方達との任務に同行したり、訓練に参加した程度ですが、正直魔法を扱わない方々のサバイバル術は感心する事の方が多くてハウオルティアに居た頃の考えを改めなくてはいけない事が多すぎました。

 ましてや、この砂漠を越えるのに馬なら一昼夜と言った所でしょうか?

 往復に二~三日も使うのはもったいないと言う物。

 少し私達の意見も組んでいただければと思うのですが?」


ルゥ姉の主張にクロームもセイジも難しい顔をしている。

エンバーはつまらなさそうな顔をしているがクレイも難しい顔をしているあたりルゥ姉の主張に反対と言った事だろう。

そんな中あエンバーが口を開いて


「だったら俺が任務を決めよう。

 俺が単独でもできそうな任務をまずは5つだ。

 それで様子を見て今後の方針を考え直すで良いだろう?」

「まあ、SSクラスのエンバーが言うのならそれも一理ありますし、無事任務完了すれば次の任務に向かう前にクレイをSクラスにする事が出来ます。

 難しいかもしれませんが悪い話ではないでしょう」


事務的にセイジが応えれば難しい顔はクロームだけになる。


「私の個人的な言い方だが、可愛い甥を無茶無謀で怪我をさせたくないのだが……」

「団長!俺、すごく大事に育てられているのは判ってます。

 だけど、自立できる人間になりたくて、ってこの考えが甘いのも判ってるけど、自分でどれだけできるか試したいんだ」

「おやおや、青春ですね」

「はいそこ、口挟まない」


ルゥ姉にだまって見てろと注意するも時すでに遅し。

柄にもない主張をしたと自分で思ってるのか顔を赤らめたクレイの視線はきょろきょろと彷徨っていた。

静かに笑みをこぼすセイジが


「団長、甥っ子が可愛いのは誰もが同じです。

 ですが、守ってるだけでは手に入らない物だってありますよ。

 それにどのみち五つの任務を必要としてます。

 ルーティア……彼女の事は噂でしか知りませんが、エンバーと一緒のこの任務。

 これ以上とない心強いメンバーです。

 多少の冒険をして怖い経験もするのも必要かと思います」


クロームの頭脳役はその間も何枚か任務の書かれた羊皮紙を選びだしていた。

むすっとした顔で黙りこくってしまったクロームには苦笑しか返さないまま、七枚羊皮紙を机の上に並びだした。


「この中から五枚選んでください。

 同じ方面の任務になるので移動に時間を割く事はないでしょう」

「でしたら七枚ともいただきましょう。

 ついでと言った場合もあるし、任務失敗の折りの代わりに準備しなおすのも手間です。

 効率よく行きましょう」


読まずに依頼書を取り上げたルゥ姉に触発されるように


「まぁ、俺なら大概の依頼でも単独で行けるし、無茶でもないだろう」


読みもせずエンバーが承諾した。


「判りましたが、ディック殿、大丈夫ですか?」


突然心配げなセイジに話を振られた物の


「まぁ、行ってみてやってみないと何とも。

 最悪荷物持ちぐらいにはなれるさ」


俺の実力だけが未知数だ。底辺に向かってのだが、ルゥ姉の実力は知っているので問題はない。

剣の腕だけはそこそこだと思っているものの、訓練相手が強すぎて正直今の実力が判らない。

そして比べる相手も指数も判らなかった。


「それも見ながら様子を見るか」

「ええ、SSランクのエンバーがいてくれるからランク付けもお願いしましょう」

「はいよ。

 だけど最初は誰もがFランクだ。当然ルーティアもだ。

 これは避けて通れない道だから諦めてくれ」

「では私が皆様のお帰りをお待ちする間ランク修正の書類でも用意してますね。

 それでいつごろ出発に?」


誰もがリーダーのエンバーを見る物の


「さっそく明日の夕方には出発しましょう。

 それまでに四人分の馬をお願いします。

 荷物はエンバー、どういった物が必要かこの帰り道に買いに行きましょう」

「判ったが、四人分となると結構な量になるぞ?」

「判ってますがそれが何か?」


きょとんと首をかしげるルゥ姉と不安そうに眉をひそめるエンバーは暫し見合っていたもののどちらとこぼす溜息を吐いてこの場はお開きとなった。


セイジに一階の部分にあたる場所で馬を見せてもらった。

とりあえず城壁の外になれている馬と、夜でも走れる馬を見せてもらったがそのうち一頭がエンバーに懐いていて、その馬に寄り添うように何頭かの馬が好奇心旺盛にやって来た。

ルゥ姉が集まった頭数もちょうど四頭だった為にこの馬達でお願いしますと決めれば明日の夕方またお会いしましょうと別れの挨拶をしていたのをみて俺も首筋を撫でながら明日からよろしくなと挨拶をしておいた。

馬良いよな。

可愛いよな。

フリュゲールでも馬を走らせてもらった為にすっかり馬の虜になっていたが、ここでも乗り放題は決定された。壁に掛けられた馬具もフリュゲールとそれほど変わりなく不安はない。

少し名残惜しく馬を撫でた後別れればルゥ姉のスーパー買い物タイムの始まりだ。

どうなるかはこうご期待。

いやいや、もう不安しかない。

胃をさすりながら意気揚々と街へ向かうルゥ姉の後を足取り重く着いて行くのだった。





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