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まだ見ぬ光の

お久しぶりです!

目指せ週間!

いきなりこけました……

判ってたとは言えそれでもブックマークして下さってありがとうございます!

ルーティアのお腹の中の子供はすくすくと大きくなっているようだ。

ゆっくりと大きくなっていく腹部の様子をランは飽きずに毎晩眺める様子をディータは眺めていた。

まだ母親の気分にもなれていないルーティアもそんなランの様子を困惑しながらもランの複雑な生い立ちを聞かされて微笑ましく見ている。

ずっと先の、無事生まれるかさえわからない子供に向ける眼差しにさすがのルゥ姉も照れているようだ。

ランにとったら歳の離れた兄弟と言った所だろうか、今からかわいくて仕方がないのだろう。

すぐに大きくなるわけでも、日毎の変化も目に見えてわかるわけでもないのにだ。

5ヶ月、6ヶ月になる頃少しは外見的な変化を判るようになるかもしれないけど、まだ4ヶ月にも満たないお腹の中の子供に見るからに外見上の変化はない。あるのはルゥ姉の気合の入れた悪阻ぐらい。

大人げない父親は出会った頃のヘタレな性格はどこ行ったのか、今では愛妻家と言わんばかりに毎晩足を運ぶか泊まるかとなり、猫を部屋から追い出すようにランと俺を部屋の外へと追い出すアルトは本当に大人げないと思う。

いつ大きくなるのかいつ生まれるのかわからないからちゃんと眺めたいとルーティアの部屋の前で喚くランを部屋に連れて帰るブレッドもしくはジルもさすがに呆れ果てていた。


「所で結婚式とかどうするの?」

「別に私自身ノヴァエスに御厄介になるわけにいかないので、式とかは結構ですとお断りさせていただきましたが……」

「子供を俺の子供として育てるわけだから形式ばった式はしないまでも、子供が生まれたらお披露目ぐらいはやろうと思っている」


アルトゥールの顔は不満を物語る。

やはりルゥ姉を正妻の地位につけたかったようだが、やがてフリュゲールを離れるルゥ姉に周囲も他の四公八家にも反対していた。

万が一の為にも子供は多く作るようにとくぎを刺されているのはやはり継承問題の時の一件があるからだろう。ばっさばっさと候補を切り捨てて行ったアルトの所業にノヴァエス一族は頭を抱えているようだ。

養子を迎えるにも近しい世代に子供が居ない。居てもまだ幼すぎて話にならなくて、このフリュゲールで今一番の問題を抱えてるのはノヴァエスで間違いないだろう。いや、子供が生まれたのを機にアレグローザへととばっちりが向かったが、まだ親類関係という代理が待ち構えている状態なので当主は無視している状況だ。


「所で先代のノヴァエス卿が初孫の誕生に今から舞い上がってていつ子供が生まれてもいいようにと肌着や子供部屋を既に準備しているようです」

「母上も気の早い方だ」

「先代もお喜びのようで何よりですね」

「ところで一つ聞きたいんだけどさ」


ランが口を挟む。

何を聞きたいのかと誰もが視線を集めれば


「結婚式って、何?何かの儀式?

結婚するって言うのと何が違うの?」


誰もが沈黙した。

まさかの質問。


「そういやお前の常識、時々おかしかったな……」


途方に暮れたブレッドの声に自覚はあるのかランは口を尖らせ拗ねた顔を見せる。

前にも何かやったのは目に見えた反応。

と言うか、前は何だったのかと気にはなるが、これは聞いてもいい物かと悩んでしまったのが顔に出ていたのだろう。

ブレッドはこれ見よがしに溜息を吐き


「信じられない話かもしれないが、ランは俺達と出会うまで生まれて12年間菓子とかいった物を知らなかったんだ」

「はあ?」


何の冗談だ?意味が解らないとルーティアの視線さえ驚きに見開いている。


「鉱山奴隷って奴がフリュゲールに来る前がランの身分だった」

「鉱山奴隷じゃないよ」

「解放奴隷だろうと一度は鉱山に売られたんだ。同じだ。

 そんな生まれと育ちなもんで、砂糖を使った菓子なんて食べた事が無かったんだと。

 学院の帰り道に偶然子供が飴を親にねだって食べてるのを見て発覚した驚きの事実だ」


まだ王様と言う身分でも総隊長と言う身分でもなかった頃の話しで、非番の日だったブレッドはランを学校まで迎えに行き昼食を探しがてら二人でマルシェをぶらぶらと歩いている時だった。

焼き菓子と飴を売っていた露店の前で小さな子供が母親に強請って泣く微笑ましい光景と偶然出くわした。

母親は仕方がないと言うように子供に飴を一つだけと約束して買え与えたのだが、その直後に泣き止んで満面の笑みを浮かべる子供の様子をじっと見ていたランにブレッドもランもまだまだ子供なんだなと、昼食前だが飴玉ぐらい問題ないと同じ露店で色とりどりの飴とおやつの代わりにといくつかの焼き菓子も買ったのだ。

不思議そうにブレッドを見上げるランに苦笑しながら飴玉を一つ口の中に押し込んでやれば、大きな目を真ん丸に見開いて言葉もなく飛び出しそうになる悲鳴を押し殺すかのように口に手を当てて


「ブレッドこれ何?!

 凄く甘くって、美味しくって、甘くって美味しいんだけど!

 溶けちゃいそうなくらい甘くってなのにすっごく堅くって美味しいんだけど!」


ボキャブラリーが崩壊した。

あまりの褒め言葉に屋台の女将も微笑ましく見守るを通り越して一体この子供にどんな生活させてたのかと俺を胡散臭そうに見る始末。

いたたまれねぇ……


「ただの飴だろ」

「飴って言うの?!こんな美味しいの初めて食べた!」


女将の絶対零度の視線にブレッドは人目もはばからずランを抱きかかえて住み着いているノヴァエスの屋敷に逃げ込むのだった。

偶然用事があって王都の屋敷に来ていたアルトとバレットは瞬間的に剣を構え


「不埒な輩かとおもえばお前か」


そう言って剣を下ろすも、飴と焼き菓子を包んだ袋を大切に抱えてうっとりとした顔で未だに飴をゆっくりとなめ続けるランをやがてやって来たジルの三人にブレッドは先ほどの屋台の出来事を話すのであった。

バレットはしまったと言う顔で


「アクセル様がデザートの類を苦手としてましたので食後はフルーツばかりご用意してましたが、まさか知らないとはこのバレット不覚でした」

「いや、これに関してはお前のせいじゃないと俺は思うんだが、正しいよな?な、ジル?」

「確かにフルーツも美味しそうに食べてましたが……何も言わなかったのであまりお好きではないと思ってましたが……

 知らないのでは仕方がないと思います」

「バレット、悪いがこいつらの……ランの食事のデザートを少し考えてもらうように話をつけてくれ」

「承知しました。何かお好みがあればよろしいのですが……」

「それはいろいろ食べさせながら見つけてくれ」


とは言え一人分のデザート。

近くの菓子屋から日毎違うデザートを届けさせる手配をしたが、ランはどれも目を丸くしてこの世にこんな美味しい物があるのかと言うようにブレッドに説明するのだった。

その評価をブレッドが書き残し、ジルが面白半分にまとめた物をアルトが呆れて女性の部下達に見せたのだが以外にも好評で出版物として発行されてしまったのはランにはいまだに教えてない秘密のノヴァエスの収入源の話なのだが、少なくとも日々のデザート代を賄えるぐらいには稼いでいたのをバレットは苦笑するのだった。

今思い出しても


「この一件は色んな意味で恐ろしかった」


と評価するブレッドに


「ランを喜ばせたいだけでケーキ屋巡りをする羽目になったのが貴方には恐ろしかったのでしょう?」


ジルが説明する真実に誰もが声を上げて笑い


「学校でつるんでる奴らは菓子を買うほど懐は温かくないし、今でこそ仲が良いオリヴィアとも当時は話もしない関係だったし、下僕達も菓子より断然肉派だから興味すらないし」

「こういう不幸な理由が重なってランはお菓子と言う存在を知らずに育ってきたのですよ」

「仕方ないだろ。育った所にも鉱山にも菓子屋なんてないし、鉱山で甘いお菓子なんて誰も食べないんだ。

 海に出るまでの旅の途中だってお菓子なんて買う余裕のない生活だったし、船に乗ってた時だってお菓子食べる人なんて誰も居なかったんだし……」


部屋の片隅で膝を抱えて拗ねてしまった。

あまりに早くから大人として生きなくてはいけなかったランにはあまりに子供で居る時間の方が短く、フリュゲールに来てやっと子供らしく育つ事を許されたのだ。

船の上で幸せそうにチョコレートケーキを食べていた顔、ブレッドにクッキーや飴を買ってもらって幸せそうに抱えている顔。

一国の王様なのにシロップであんな顔が出来る理由に何とも苦い物を飲み込まされた気分になる。


「じゃあ、今は好きなだけ食べれて良かったよね」


王様の身分になって好きなだけ飴どころかケーキやクッキーに囲まれて幸せだろうと思うも


「まあ、お小遣いしだいだけどね」


へにゃりと少しだけ困ったような笑みを浮かべる。

と言うか、お小遣い制なんだと驚いていれば


「ここがランの困った所と言うか、感心する所です。

 お金は労働の報酬。

 幼いころから染みついた考えからなかなか抜け出せなくて、今でもノヴァエスの兵士達の稽古の報酬にお小遣いを頂いています。

 1回1000ギラと決めているので、なかなかお小遣いはたまらないようです」


もう少し要求してもおかしくないんですけどねと苦笑を浮かべるジルにアルトも頷く。


「うちの家令がいつも遊んでいる奴らの小遣いと比べて、10日に2回のペースならちょうどいいと言って決めたんだが、実際稽古をつけてもらって安すぎるだろうと家令とかけあったが考えは変えてくれなかったんだ」

「友好関係が広がってるのでもう少し必要だと思うんですが」

「まぁ、学校帰りの寄り道ぐらいいくらでも付き合ってやるさ」

「あまり甘やかさないように」


何故かランへと向かって言う。

ブレッドの仕事のエスケープ防止らしい。


「というわけで、ランにはいろいろ常識が足りなくて物を知らなくて、こういった疑問が多々あるからその度に説明ができればしてほしい」

「だったら、それこそ結婚式挙げよう。

 百聞は一見にしかずって言うだろ?」

「だから、結婚と結婚式ってどうちがうんだよー」


しびれを切らしたランが口をとがらせて拗ねていれば


「一言で言えば結婚しますって事をたくさんの人の前で誓う儀式、それを親しい人を中心にみんなで祝うものなんだ」

「そうですね。ハウオルティアでは国を代表するエルザと言う木がありまして、一般的には末永く続きますようにと樹齢1000年以上と言われているエルザの樹の下で誓いますが?」

「フリュゲールでは庭先に親族友人を招いて宣言するんですよ。

 ちょっとした舞台を作って、ごちそうを並べて、参列者はみんな着飾って。

 社交的なマナーを必要としませんので和気あいあいとした楽しいパーティーですが、新郎新婦はずっと舞台の席に座って、来客のかわるがわるの挨拶を受けなくてはなりません」

「ああ、酒を酌まれたら飲み干さなくてはいけないし、食べ物を差し出されたら食べなくてはいけない。

 何度か部下の結婚式に呼ばれたが、新郎は新婦の分まで飲んだり食べたりだから結構キツイみたいだよ」

「だから、式は行わずお披露目だけなのですよ。

 妊婦にお酒は飲ませれませんので」

「なるほど。式は挙げずにって言う理由はそれか」

「結局式同等のもてなしはするとバレットは張り切っていたが……」

「先代も初孫の母になる方のドレスはどうしようかと色んな服屋に出没しているようです」

「ああ、ランも新しい服を作らないとな。

 せっかくだからディとお揃いで作るか?」

「ディとお揃い?!」

「でしたらブレッドもご一緒にいかがです?

 楽しそうではありませんか」

「はっはー、いっその事ジルも同じ衣装にして楽しもうか」

「ふっふっふ……せっかくですが私は当日は裏方要因です」


何故か微妙な空気が流れだした二人を無視してランはディとお揃いと言うワードに何処か夢見心地でアルトにしがみついていた。


「バレットさんにお願いしようよ!皆でお揃いだなんてすごくいいよね!」

「そうだな。アウリール達も招待しよう」

「だったら、向こうの服で来てもらおうよ!

 すっごく変ってて綺麗なんだ」

「どうせならラン達もそっち方面で揃えてみるか」

「うわー、もう仮装大会だね。コスプレだよ」

「まぁ、こういうのは目立った者勝ちなのでよろしいのでは?」


ルゥ姉の一言に話はブレッドとジルの歯止め役の知らない所で変な方に向かっているようだ。


「だけど僕としてはルゥ姉にはディが作った奴が良いな。

 きっとみんな羨ましがるよ」

「だったら嬉しいな。

 真っ白なドレスか……」


縫い直しも難しいなと、一度船の上で作ったドレスを思い浮かべれば


「白いドレスはやめましょうか」

「ああ、ハウオルティアではどうか知らんがな……」

「このフリュゲールでは白装束は亡くなった時の装束ですので出来れば別の色を……」

「そ、そうなの?ルゥ姉は知ってた?」

「初耳です。

 ハウオルティアでは花嫁衣装は白色と決まっていましたが……」


所変わればである。

あの日白のドレスを纏わせてクラーケンと戦った日の皆様のご意見を改めて聞くには聞けないと冷や汗を流す。

俺達の知らない所でまさか白き殲滅の魔女なんて言われてたなんて……


「だったら何色なんだ?」

「特には。皆さんお好きな色を着てるので」


自由すぎると心の中で反芻する。


「ルゥ姉はどんな色が似合うのかなあ?」

「赤い髪に合わせて赤は合わんよな?」

「世間では赤は陛下のお色って風潮がありますし」


やめといた方が無難だなと誰もが考える中


「だったら青は?

 サファイアブルーって」


この世界にはある色合いかと思うも応えはすぐに全員の納得いったと言う顔で返って来た。


「なるほど。

 これ以上ないピッタリの色だ」


あったようだ。


「さっそく生地探しにエンダースに行かないとな」

「エンダースで見せてもらったネックレスに合わせてドレスを作るのはどうです?」

「ですが、前ノヴァエス卿もドレスを作るとか……」

「ああ、フリュゲールの貴族の結婚式を知らないと思うが……」

「恐ろしい事に三日三晩続きます。

 一日目は親族と厳かに、二日目は職場の同僚を呼び行きそびれた人達の出会いの場として幸せをおすそ分けし、三日目は気の知れた友人達とお疲れ会みたいな感じでのんべんだらりと過ごします。最終日はラフな格好で十分ですので。

 そうそう、お二方が急遽決まった為に前後してしまいましたがマーダーのお二人も年が明けて一周年の祭典の後に結婚式を挙げると言う予定を組んでいるそうです。

 詳しい日付はまだ未定ですが、その頃を予定してほしいと言われてましたよ」

「ついに結婚か」

「ニコラの花嫁修業も何とか形になったようで」

「アルベルタも張り切ってたってカールも言ってたからな」

「話を聞く限り本妻でなくて本当に良かったと思いますね!」


ハウオルティアでは木の下で誓って、立食のパーティーを開いてそれで終わりだ。

こんなお金ばかりかかる風習なんて冗談じゃないとルゥ姉は呻くも


「庶民の結婚式は三日間に分ける所を朝昼夜と三回に時間で分けるのが一般的ですが、結局一日食べ続けるだけになります」

「どっちにしてもお金のかかる話だよね」

「金持ちが金を落とす、指揮を上げれる余裕のある奴が金を落とす、当然だ」

「ランにはニコラたちの結婚式の時の為にもちょうどいい練習になるだろう。

 過去の王族の結婚式には7日間に渡る式だったから、覚悟しとけよ」

「ぼ、僕結婚したくないな……」

「王様なんだから、避けて通れませんよ」

「皆楽しみにしてるんだから」

「諦めろ」

「ええー?!」


大分食べる量が増えたとはいえまだまだ小食の部類に入るランの胃袋を10年計画で大幅に改造をしなくてはいけないようだ。

まだ成長期を迎えてなく、平均的な13歳よりも小柄なランはただでさえ式典で出される晩餐会の食事すらもてあますので、手ごわい敵に今から顔面蒼白。

今夜は料理に押しつぶされる夢を見そうだなとこっそりと同情しつつも、子供が生まれる先よりもずっと先の話し。

そのうち食べれるようになるさと笑うブレッドにブタから大ブタに進化だなと両側のほっぺを引っ張って遊ばれる始末。

いつ見てもランのほっぺたは伸びが良いよなと俺もやってみたいと心の中の俺はうずうずしている。

実際やれるわけもないのになとわかってはいるが、羨ましい。


そんな所だ。




「ラン、あのですね、今日の帰り少しお時間よろしくて?」

「オリヴィア、ごめん今日はちょっと用事があるんだ」


クラスメイト達がみんな帰宅に向けてざわついている教室の一角の出来事。

オリヴィアの背後に控える4人の護衛兼付き人の従者達は顔をしかめる。

かつてなら次期レオンハルト公の意に背くのかと言った物だが、今は女の子の誘いを断るのか?と言う物。

自分達の主の相手がこの国の王でなければ口を挟む所だったが


「そうでしたか。

 レオンハルトの屋敷の花達がまた違った趣の花を咲かせるようになったのでいかがかと思いましたのに」

「あー、そうだったんだ。

 お花は欲しいけど、今日はもう約束しちゃったからなぁ……」

「でしたらまたの機会に。

 もう少し咲いているそうなので」

「ごめんね」

「いえ、では次回は3日後なんてどうでしょう?」

「いいよ。3日後だね。だけど急に用事が入るかもしれないからその時は……」

「ランも忙しい身なので構いませんよ」

「ありがとう!

 じゃあ僕行くね、また明日」

「はい、また明日」


バイバイと手を振ってかけていくランを見送るオリヴィアの顔は最上級のご機嫌な様子だった。

オリヴィアを守る4人も日に日に増してランに思いを募らしていくオリヴィアの様子を微笑ましく眺めながら今日も一日彼女を屋敷に送り届けて本日の仕事は無事終了。

近くの公園に軽食のパンを勝って噴水の縁に腰を掛け


「相変わらずニブイなうちの王様」

「そういや城に住んでるガーランドのお姫様となんかいい仲らしいって噂知ってるか?」

「あれな。

 オリヴィア様の花はどうやらそのお姫様に渡ってるみたいだぜ?」

「むくわれねぇ」

「さすがに可愛そうじゃね?」

「で、実際にそのお姫様とはどうよ?」

「兄貴曰く、お姫様もかわいそうな事になってるらしいぞ」

「王様モテモテなのにな」

「仕方ない。王様の周りは人妻とは言えでっけーおっぱい美人から男なのに圧倒的男に人気のある謎の人だったり、人外の美人なのに何で男?!っていうのに囲まれてるからな」

「目が肥えるな」


はーと思い溜息と同時にパンをかじる。


「一体うちのお姫様をどう思ってんだか」

「仲の良いお友達だろ?」

「あんなにも好き好きーって態度してるのになぜ伝わらん」

「正直あれだけの美少女に言い寄られて普通スルー出来ないだろ」

「一番の問題の性格も可愛くなったしな」

「それな」

「恋は人を変えるってよく言ったよな」

「正直今のオリヴィア様なら俺が付き合いたい」

「右に」

「同じく」

「だけど、うちの王様みたいに男前になれないし」

「というか、普通に勝てんし」

「剣も女の子の扱いも」

「普通に手を握って歩いてるしな」

「それで意識するなって言う方が無理」

「誰か王様に教育的指導を」

「って言うか、ランがまた何かしでかしたのか?」


思わず振り向けば保護者の御三方がそろっていた。

手には俺たち同様パンだったり焼き菓子だったり。


「パンを買い過ぎたので皆さんもお1つどうぞ」

「い、いただきます」

「ごちそうになります」

「こっちはランのおやつだから分けてやらんぞ」

「陛下のですねって、屋台のお菓子でいいのですか?」

「ここの屋台のがお気に入りなんだ」

「初めて食べたお菓子でしたから思い入れが強いのでしょうね」

「学院でもオリヴィア様にお菓子を与えられすぎてますので控えめにした方がよろしいかと思います」

「どおりで学校から帰ってくると甘い匂いしてると思ったら」

「立派に餌付けされえますねぇ」

「三日後オリヴィア様がお屋敷の花畑に陛下を招待しておりますが」

「了解。全力で阻止する」

「ブレッドもそろそろ大人になりましょう」

「大人だから未婚の女性の家にホイホイ遊びに行くなと言ってるだけだ」

「物は言い様ですね」

「大人気ないっす」

「貴方達はゆっくり大人になってくださいね」

「了解っす」







「オリヴィア、昨日は誘ってくれたのにごめんね。

 だからコレよかったら貰ってよ」

「これは、ランの手作りの?」

「まぁ、いつもみたいなのなんだけど、今回は耳飾りなんだ」

「ランみたいに耳に穴はあけてないので……」

「バレットさんに聞いたらここに耳飾り用のパーツを付ければいいって言ってたよ」

「そうですか。どうです似合います?」

「うん!オリヴィアの目と同じ色の石探したかいがあった」

「ラン……」


オリヴィアはそれっきり耳まで真っ赤にして俯いてしまったのを同じ教室に居るクラスメイトは黙って視線をそらす。

天然はこうやって勘違いを発生させるのかと。

オリヴィアが姿を現す直前までみんなにお揃いの耳飾りを配り歩いていたランの話しをするべきかどうするべきか……


今日もフリュゲールは平和です。


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